インフルエンザ流行の声も少しずつ聞こえてくるこの時期、加湿器を使って適正湿度を保つことは健康はもちろん、肌コンディションのためにも大事なこと。「現在発売されている加湿器は、四つの加湿方式に分かれます。最近では空気清浄機能付きもありますが、どれが正解とは一概に言えません。コスト重視なのか、加湿力や手入れのしやすさが重要なのか、ご家庭により、また使う場所により選び方も変わってきます」(家電ライター・コヤマタカヒロさん 以下同)。いろいろな条件でコヤマさんに見立ててもらったおすすめ加湿器5台を紹介します!
目次
①子供への安全性を求めつつ
電気代も節約したいなら「気化式」
Wi-Fi搭載&タンクレスと新しさ満載!
『バルミューダ』Rain
水を含ませたフィルターに、ファンの風をあて気化させる加湿方法が“気化式”。「電気代がいちばん安い加湿方式なので“家計に優しい”です。そして、吹き出し口が熱くなりにくいので、やけどの心配がなく安全、“子供に優しい”です」。しかし、水を温めないという構造ゆえに、若干室温を下げてしまうというデメリットも。「デザインに定評のあるバルミューダらしい製品です。加湿器で手間がかかるのは給水と手入れ。これはタンクレス構造で、製品にやかんなどでそのまま給水でき掃除も簡単! なんと、給水ボウルを洗剤などで丸洗いすることが可能なんです。ガンガン加湿するというより、適正に湿度を保ってくれるので、暖房をつけながらも快適な空間を演出してくれますよ」。Wi-Fiにも対応しているため、出先からでもオンオフの操作ができ、常に一定の湿度を保っておける点も魅力。
②加湿と共に空気もきれいにしたいなら
1台2役の「加湿空気清浄機」
自慢のナノイーXがクリーンな空気に!
『パナソニック』F-VXR90
部屋に侵入する花粉やPM2.5 などの空気リスクや生活臭などの不快な空気の汚れをきれいにしてくれる空気清浄機能と、気化式の加湿機能を併せもった加湿空気清浄機。「加湿機能を使わないシーズンは、空気清浄機能のみで使えます。2台買う必要がなく、季節ごとに出し入れする面倒が省け、加湿器と空気清浄機の二つを置くスペースがないという人におすすめです」。また、これからの季節、怖いのはインフルエンザ等の感染性のウイルス。万全な予防対策をしたいのならば、空気清浄した上に、ウイルスの生存率が急速に低下するという湿度50%を保つことは重要。「自動運転の際、3段階の加湿設定から好みの加湿レベル選択し、キープすることができるのもいいですよね」
③インテリアに映えるスタイリッシュな
加湿器を探すなら「超音波式」
しっかりした抗菌処理で清潔さも◎
『cado(カドー)』STEM620
水に振動を与えて霧状にして加湿する“超音波式”は、ファンがないため消費電力も少なく、比較的音も静かなのが利点。「このタイプはデザイン性が高いものが多く発売されていますよ」。しかし、湿度や温度に関係なく大量に加湿されるため、水蒸気に含まれたミネラル分が室内に一緒にばらまかれ、部屋の家具等に付着し、白い汚れができてしまうなんていうことも…。この方式の加湿器を選ぶならば、抗菌処理されているかどうかは要チェックです。「マメな手入れが必要不可欠な超音波式ですが、カドーの製品は水槽内に特殊な抗菌プレートを搭載し、水道水を注ぐだけでカビや細菌を99.9%以上除菌してくれる優れもの。水槽内部はいつも清潔で、手入れが楽なんです。価格はそれなりにしますが、安価な加湿器を毎年買い替えるより、長い目でみたら、買いでしょう!」
④省エネと加湿力のバランスが
いいものを探すなら「ハイブリッド式」
ハイブリッド式のなかでも静音性が高い!
『ダイニチ』HD-RX518
「超音波+スチーム」または「気化型+スチーム」などふたつの方式を組み合わせた“ハイブリッド式”は、加湿能力・省エネ性に非常に優れ、絶妙なバランスの商品が多数発売されています。「この商品は空気取り込み口、トレイ、気化フィルターに抗菌加工を施した従来の『トリプル除菌』に加えて、水の通り道のタンクには抗菌アタッチメントを搭載し、清潔性がパワーアップしたのが特徴です」。効率よく加湿してくれるハイブリッド式ですが、少々運転音が気になるという声も聞きます。「この製品は静音性に優れているので、個人的には寝室に置くことをおすすめします。“おやすみ加湿”というモードを使えば、1時間は最小運転音の13dbで運転し、その後は「静音」運転でしっかり加湿するので女性に優しい加湿器だと思いますよ」
⑤多少電気代がかかってもたっぷり加湿と
清潔さを重視するなら「スチーム式」
専業主婦や自宅作業が多い
ガンガン加湿派におすすめ!
『VICK(ヴィックス)』V750
ヒーターで水を温め水蒸気を出す“スチーム式”の加湿能力はピカイチ。「電気代が最もかかるのも実はこの方式。しかし、デザイン構造もシンプルで余計なものはつけずに加湿機能だけを重視した製品だけに、多少電気代がかかっても、ガンガン加湿したい!という人にはおすすめです!」水タンクの容量が4Lと大きく、長時間の連続運転が可能で、強だと約12時間、弱だとなんと約26時間! 自宅作業の多い女性や専業主婦の方には魅力的。「メリットは水を温め水蒸気を出すので、殺菌効果があり衛生面で安心という点。しかし、水蒸気口が熱くなるためやけどの危険性もあり、小さいお子さんや高齢者がいる家庭には少し不向きかもしれません」。付属の芳香パッドやスチームの出口の受け皿に別売りの『VICKSリフレッシュ液』を入れると、加湿しながらアロマの香りを楽しむこともできちゃいます。
「家電量販店にはたくさんの加湿器が並びます。まずチェックするべきは加湿器の種類。ここまで説明してきたように、気化式、超音波式、ハイブリッド式、スチーム式の4つの加湿方式は、どれもメリット、デメリットがあって、一概にはこの方式がいいというものではありません。例えばこまめな掃除は必要だけど電気代を安くすまわせたいなら超音波式。電気代がかかっても寝室の湿度は上げておきたい場合はスチーム式など。置きたい場所や加湿重視派か否かを明確にし、手入れ方法、運転音、電気代など自分が気になるところとすり合わせていけば、ほしい加湿器が見えてきます!」
水を使うためどうしてもカビなどの雑菌が繁殖しやすい加湿器は、手入れを怠ると健康被害を受けてしまうこともあります。加湿器を選ぶときは加湿機能のパワフルさだけではなく、いかに清潔に使えるかも意識することも重要だとコヤマさんはおっしゃっていました。あなたのライフスタイルや好みの潤いをイメージして、加湿器を選び今年の冬は健康で美しいお肌をキープし乗り越えたいものですよね。