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ホテルのバスタオルが正解じゃない⁉ 生乾きに悩まない家庭用バスタオルの理想

「肌触りのよい上質なタオルがほしい」と思ったときに、真っ先に思いつくのはホテルのタオル。どっしりと重厚な質感とふんわりとした肌触りでこれこそいいタオルの基準と思いがちですが、実はそんなに単純でもないんです。家庭用タオルに求める“毎日快適かつ清潔に使えるタオル”に必要な条件を詳しく見てみましょう!

目次

ホテルのタオルはそもそも業務用。
あの厚みは
家庭には不要だし、
乾きにくくなる原因のひとつ

ホテルで扱っているタオルの魅力は、まるで新品のようにふっくらと仕上がった、あの柔らかな手触り。でも、もちろん毎回新品を提供しているわけではありません。ホテルのタオルは徹底的に耐久性を重視して作られたものなので、ふわふわである反面、バスマットのように分厚く、しっかりとした太い糸で織られているため重みがあります。日々交換したタオルを業務用のランドリーで一気に洗濯し、高温の乾燥機で乾かします。不特定多数の人が同じタオルを使うため、塩素消毒でも生地が傷まず耐えられることが、ホテルタオルの条件なのです。
「家庭用にタオルを選ぶなら、そこまでの耐久性は必要ありません。ホテルのタオルのように分厚いと乾きが悪くなってしまい、ご家庭では短時間で乾かせずに生乾きの臭いがしたり、雑菌の繁殖が増えることがあります。家庭向けに作られるタオルは、乾きやすさや軽さを重視しているので、ホテルのタオルに使う約半分の太さの糸で生地を作っています」(丸栄タオル社長・村上誠司さん)。
要するにホテルのタオルは、家庭で使うにはヘビーデューティすぎるということですね。

上は家庭用のタオル。糸と糸の間に空間があり、触れたときに軽さを感じるのが特徴。下はホテル用。密度が高く頑丈でどっしりとした感触があります。

 

洗濯のしやすさ、乾かしやすさを考えて
ミニバスタオルを選ぶ人も増えている

タオルにはさまざまな大きさがありますが、実はヨーロッパと日本では、同じ呼び名でもサイズが大きく違います。「日本人の体格に合わせたかどうかは定かではありませんが、ヨーロッパでいうところのバスタオルは幅が70cm、長さは140cmもあるのに対して、日本のバスタオルは60×120cmが一般的です。ただ、最近ではこれでも大きくてかさばり、洗濯しづらいという声から、45×90cmのタオルをミニバスタオルとしてお使いになる方が増えてきています。ジムに持っていくのにぴったりなサイズです」(丸栄タオルマネージャー・西原博史さん)。サイズが小さいほうが洗濯機で汚れも落としやすいし、広げて干しやすいので乾くまでの時間も短縮できそう。ミニバスタオルに替えてみるのはいいかもしれませんね。

洗濯後は、そのまま干さずにパンパンと
20回ほど振ってパイルを立たせる

タオルは、縦糸と横糸だけで構成された織物や洋服と違い、パイルと呼ばれる第3の縦糸で立体的に織られています。縦糸と横糸で織られた平面の布から、膨らんだお餅のように丸く縦長に伸びていて、それがタオルの吸水性と柔軟性を担っているのです。パイルが短いものは薄く、硬くて冷たい印象を感じる手触りなので、タオルハンカチなどに向いています。反対にパイルが長いものはふっくらとボリュームがあり、温かみを感じます。例えば、買ったときに比べてタオルにハリがなくなったと感じるのは、洗濯によってこのパイルがくったりと寝てしまうのが原因。洗濯した後、パンパンとしっかり20回くらい振ることでパイルが立体的に立ち上がり、ふっくらした手触りを取り戻すことができます。

余談ですが、店頭で触って選ぶときには注意が必要なこともあるとか。タオル糊を十分落とさず、そのまま商品として販売しているものは、少し手触りが硬くて吸水がよくなかったりしますが、一度洗濯をして糊を落とすと改善されることがあります。また、今は柔軟加工といって、柔らかさを感じる薬剤を塗って販売しているものもあるそう。柔軟剤は2〜3度洗濯すると落ちてしまいますから、洗濯するにつれて硬いタオルになっていきます。

タオル収納は、パイルが潰れないように
ぎゅうぎゅうに詰め込まないのがコツ

みなさんはタオルをどのように収納していますか? くるくると端から巻いてラックなどに寝かせたり、畳んで重ねたりしているでしょうか。収納の仕方にも、実はコツがあるのです。「巻いたり畳んだりすることは、どちらの方法でも構わないのですが、肝心なのはせっかく立ち上がっているパイルをふたたび寝かせてしまわないことです。ぎゅっと強く巻いたり、棚にぎゅうぎゅうに押し込んでしまうと、その圧力でパイルが潰れてしまい、硬い手触りになってしまいます。できるだけ余白をとって、ふっくらとしたままでいられるような収納をしてみてください」(西原さん)

最後に、家庭で使って快適なタオルの条件をまとめると

☑肉厚すぎない、軽めのものを選ぶ
☑サイズが小さいほうが洗いやすく乾きやすい
☑干す前にパンパンと振ってパイルを立たせる
☑収納もパイルが寝ないように詰めすぎない

汗が気になるこれからの夏にかけての季節は、バスタオルを使う機会も増えていきます。気持ちよくバスタイムを過ごせるように、ぜひ参考にしてください。

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