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狭くて暗いは過去の話。「細長い家」が手にした明るさと解放感

ファッションブランドを手掛ける女性起業家のSさんは、ご主人と小学生の息子さんと3人暮らし+愛犬のリンちゃん。友人が建てた素敵な一軒家に触発され、2019年目黒区の閑静な低層住宅エリアに土地を購入。1年かけて2階建ての家を完成させました。「この土地を購入した決め手は、高台に位置し、子供にとって教育や住環境が良いと思ったこと、そして見に行ったときに感じた土地の気の良さです」(Sさん・以下同)。

間口が狭く細長い敷地は
ワンフロアにすることで
開放感のある空間に仕上がる

敷地43坪、延べ面積143㎡、2階建て、3LDKのS邸。

この敷地は都心の住宅街らしく、入り口から奥まで東西に15.7m、道路に面している土地の幅が7.2mと狭くて細長いのが特徴。それを踏まえて建築士と相談しつつ決めた設計方針は以下ようなものでした。

「Sさん宅は東西に縦に長い土地、2階までしか建てられない低層住宅エリア、両側の建物が境界線に近接して建っています。そこで、2階のワンフロア全てを家族が集まるLDKにすることにしました。そうすれば壁などで分ける必要もなく、南窓とトップから採光を集めることで、広く明るく居心地のいい空間が実現できます。また、寝室や子供部屋、ゲストルームなどの個室は1階と、フロアを分けることで個室はより落ちつけるスペースになりいます」(住友林業  一級建築士・中村卓司さん)

広さ28.4畳のワンフロアに直線的に並んだ
リビング、ダイニング、キッチン

天井に配されたレーザーカットされたアルミパネルは、LDKに光の陰影をドラマチックに作り出します。壁を高く設定したテラスは、近隣の視線を気にせずにLDKでくつろげるよう目隠し的な役割も。

東サイドから西へ向かって、テラス、リビング、ダイニング、アイランドキッチンを一直線に配した2階フロア。柱や壁などの遮るものがないワンフロアは、広々とした印象。また、薄いベージュのフローリングとなじむ白い壁も、広さのある視覚効果に貢献しています。

南向きな窓と天窓から
たっぷり入る日差しが心地いい

スケルトンの階段をおりると、1階はプライベートルームが。リッツウェルのスクエアソファとサイドテーブルが置かれたスキップフロア下のコージースペースは、週末Sさんが読書を楽しむための専用シート。

「奥まで明るさをキープするため、中間地点には隣地から距離を取って中庭を作り、南側に窓を大きくとったことで、中庭と一体化。それから、南側隣家の白い壁面からの反射光で朝から夕方まで自然光がふんだんにLDKに降り注ぐように考えました。また折り上げ天井内には天窓を3カ所設置しました。天窓は開けることもできるので、風を取り入れることもできます」(中村さん)。道路側に位置する東サイドにはLDKテラスを設置。陽気のいいときは、窓を全開にして過ごすことも多いそう。その居心地の良さに、自然と家族みんなが明るい2階に集まってくるそうです。

インテリア雑貨も多色使いしないことが
ワンフロアのLDKをすっきり見せるコツ

グレー系のイスとソファはともにリッツウェルでセミオーダー。

天井&作りつけの棚は白、床はベージュ、LDからひと続きになったクチーナのアイランドキッチンはグレー。3色のメインカラーと黒でまとめられたLDK。「隠す場所がない一体型LDKだからこそ、生活感を出さないように、色遣いは最小限にしています。キッチン小物はカラフルなものが多いですが、ごちゃごちゃ見えてしまうのでモノトーンで探しました。ちなみにフィットネス器具にブルーで大きく書かれていたメーカー名はペンキで黒に塗りつぶしたんですよ(笑)」(Sさん)。お子さんや愛犬がいるお住まいなのに、小物まで色が統一されているとすっきりして見え、そのセンスの良さが伺えます。

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ステイホームが増えたコロナ禍でも、おうち時間が快適だというSさん。「息子はテラス近くにあるハンモックがお気に入りで、よくそこで本を読んでいます。私はTV前に置いたフィットネス器具で朝晩20分ずつ運動をするのが日課となりました。LDKがひと続きになっていると、家族それぞれが別のことをしていても一緒に過ごしている感じがしていいですね」。実はこの家の隠れテーマは〝お友達と飲めるお家〟。「私も主人もお酒を飲むのが好きなので、新型コロナウイルス感染症の終息が見えたら、友人を招いてLDKでワイワイ集まりたいなぁと思ってます」。起業家という忙しい日常のなかでも、家族や友人が集まれる広々としたLDKを持つ家は、プライベートな時間を充実させてくれるものでした!

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