暑さもようやく和らぎ、秋空が気持ちよい日が増えてきました。今月は、毎年鈴木さんがこの季節に飾っているというパンパスグラスと秋の草花です。面白いのは、蕎麦猪口や深さのある鉢や皿と言った和食器を花器代わりにしていること。秋の草花を和食器に生けるだけで、一気に和っぽいアレンジになるんですね。
メインには、ススキのような美しい穂が特徴のパンパスグラス。フレッシュなものからドライのものまで、晩夏から花屋に並らびます。そして、可愛らしい小さな花穂をつけるワレモコウ、秋の花の代表格であるキク科のスプレーマム、そして秋の七草のフジバカマです。「パンパスグラスはこれひとつで秋らしさが出てくるので、毎年この時期になると必ず飾っています。フレッシュなものならまずは生花と一緒に水に生けます。一緒に生けた花が枯れてしまったら、今度はパンパスグラスだけドライにすると、ハロウィンなどの飾りにと、晩秋まで活躍してくれますよ」(鈴木佐知子さん 以下同)
目次
温もりのある質感や色合いの焼き物の器が
秋色のパンパスグラスと好相性
リビングのモダンなインテリアに合わせて
シックな色味の和食器をセレクト
和食器+剣山に生けるだけで、
一気に秋らしい落ち着いた雰囲気に!
「食器は口が広いため、花が寝てしまったり、偏ってしまったりして生けにくく感じるかもしれませんが、剣山を使うとバランスが取りやすいので持っておくと便利です」。これは100円ショップでも手に入ります。「和の花を生けるコツはアシンメトリー。花を挿すときは斜め前方に角度をつけるようにします。口が広い食器は、アシンメトリーな生け方にぴったりなんです。今回は、玄関先とリビング、洗面所の3カ所に置きました。家族やゲストの動線に、同じテーマの花を飾っておくと空間につながりができて、より花のある生活が楽しめます」
洗面所に飾るコンパクトなブーケには
小振りで深さのある蕎麦猪口が活躍
パスタ皿から大胆にはみ出すように生けてみたり、小さなブーケにして蕎麦猪口に生けてみたり、場所や器に合わせてセンス良く秋の草花を自宅に飾る鈴木さん。季節の始まりを思い切り楽しめる素敵なアレンジ術、ぜひお手本にしてみてください!
〈Point〉
キクの花やフジバカマは水折りで
水の吸い上げがよくなります
キク科の花やフジバカマのように茎がパリッとしているものは、水の中で茎を手で折るようにカット。ハサミを使うよりも水上りが良くなるそう。「余分な葉は落としますが、フジバカマの葉は香りも形もいいので、あえて多めに残して飾るのもおすすめです」