パウダールームは1日に何度も使う場所。水栓を変えるだけなら、比較的低コストでその印象をぐっとお洒落に変えることができます。今回は3つのメーカーから、デザインコンシャスな水栓をピックアップしました。
目次
陶器のハンドルや丸みを帯びたデザインで
クラシックな印象に仕上がります
白い陶器のレバーハンドルがクラシックな仏産水栓メーカー『オリュス(HORUS)』の「ELSAシリーズ」。小振りながら丸みを帯びた上品なデザインで、パウダールームのアクセントに。「オリュス」は、ヨーロッパの“古き良き時代”にインスパイアされた水栓デザインを手掛け、世界の高級ホテルや邸宅で使われている実力派。表面の仕上げはアンティークブラス、ブラス、クロムの3種類あるので、洗面ボウルや空間の雰囲気に合わせて選んで。
どんなインテリアにもマッチする
洗練されたビンテージライクなデザイン
装飾を加えたり余計な機能を搭載せず、既にある要素だけを再考したシンプルな水栓。手掛けたのは、住居やホテル、店舗などの設計で今注目を集める建築設計事務所「サポーズデザインオフィス」。水栓のインダストリアルな特徴を再編集しモダンな印象に仕上がっているので、リビングはモダンでスリークなデザイン家具で揃えたのに、パウダールームだけちょっと印象が違う…という家におすすめの水栓です。
ミニマリストにぴったりなストイックな
デザイン。掃除のしやすさも嬉しい特徴
デザイナー森田恭通氏が手掛けた「SUTTO(スット)」シリーズ。ネーミングは、無駄な動きもラインもない、まさに“すっとした”デザインから名付けられています。特徴はハンドルレバーのデザイン。水栓の先端までレバーを伸ばしたのは、濡れた手で天板などに水滴が付かないひと工夫。できるだけ余計な凹凸をなくすことで、汚れが溜まりにくくお掃除も楽! 美しさをキープしやすいことも大切ですね。
デザイン界の巨匠が手掛けた
スタイリッシュな水栓
木の枝をイメージさせる直線と枝分かれのデザインが特徴的なこちらの水栓は、世界的なデザイナーであり建築家のフィリップ・スタルクの作品。スタルクが手掛けた水栓やバスタブは、バスルームデザインに革命をもたらしたと言われていますが、そんな彼の代表作が、ハンスグローエのラグジュアリーブランド『アクサー』で展開する、このアクサースタルクコレクションです。直線的な水栓にまっすぐのシングルレバーが付き、“実用の美学”というスタルクの哲学が凝縮されたミニマルなデザイン。
パウダールームの主役にしたい!
水の流れそのものをデザインした水栓
水が出てくるスパウトと呼ばれる部分がフラットになったユニークな水栓は、自然にインスパイアされたデザインで有名なジャンマリー・マソーが手掛けたもの。水から得られる感覚的な経験をデザインに落とし込んだそう。側面に付けられたレバーを動かすと、スパウトからは滝のように水が流れ出し、これまでにない自然さを感じさせてくれます。使用感もデザインもスペシャル感たっぷりな水栓。
失敗しないために知っておきたいこと
水栓を取り替える前に知っておきたい&確認しておきたいポイントをハンスグローエ・ジャパンでマーケティングを担当する小山淳子さんに聞いてみました。
◆DIYにはそれなりの知識と工具が必要。
専門家に任せれば、作業は1~2時間程度
「必要な工具および施工方法を理解した上でご自身で交換することも可能です。作業の前には、必ず止水バルブを閉状態にしてください。 また、接続部は常に水圧の掛かる部分となりますのでしっかりとした締付け作業が重要です」とのこと。ちなみに所要時間については、「設置状況により異なりますが、専門の方であれば1~2時間程度」。特別な工具などを準備することを考えるとプロにお任せがよさそうです。
◆水栓を選ぶ前に、洗面台や既存の水栓の
サイズなどはきちんと測っておくこと
「スパウトの長さや高さ、水栓の取り付けホールのサイズ、給排水ホースの長さなどをチェックしてください」。サイズが合わないと洗面ボウルに隙間ができてしまったり、水漏れの原因にも。まずは既存の水栓のサイズなどを細かくチェックしましょう。
◆水栓は大きく分けて4種類
「水栓の種類は大きく分けて単水栓、シングルレバー混合栓、サーモスタット混合水栓 、2ハンドル混合水栓の4種類があります。単水栓は水を出したり止めたりするといういちばんシンプルなタイプとなり、混合栓は水と湯をひとつのハンドルで操作するシングルレバー、2つのハンドルで操作する2ハンドル、自動温度調節機能付きのサーモスタットに分かれています。またハンドルとスパウトにそれぞれ穴が必要な3ホール混合水栓、壁に取り付けるタイプの壁付き水栓などに分かれています。お使いの洗面周りがどういったタイプか、またどのように操作したいかで選ぶといいです」
その他に、吐水量をコントロールした「節水タイプの水栓」や「節湯対応の水栓」(冷水吐水をセンターに配置)、吐水の種類(整流吐水、泡沫吐水)など機能で選ぶこともできるそう。
いずれにしても、蛇口を替えるだけで印象もガラッと変わるので、小規模工事で洗面台の雰囲気を変えるなら水栓がいいかもしれませんね。