東京都にある築3年、3LDK(約70平米)のファミリータイプのマンションを購入されたNさんご夫婦。「購入時の室内レイアウトは日本のマンションにありがちな“田の字型”でした。ファミリーを想定した汎用性の高い間取りですが、家族構成やライフスタイルによっては使い勝手が悪いことも。内覧をしたときから自分たちが使いやすい空間にリノベーションしたいと思ってました」(奥さま・以下同)。グラフィックデザイナーとして活躍している奥さまは、自宅で仕事をしていることもあり“明るく開放感のある住まい”が理想。「夫婦2人なので、部屋数はそれほど必要ありません。この新居も、部屋の間仕切りをなくしてひと続きのLDKにしたほうが開放感と使い勝手が両立できるかもと、間取り変更を計画しました」。しかし予算は450万、大掛かりなリノベーションは無理と判断。①リビング 、②キッチン、③玄関の3カ所に絞って、それぞれが使い勝手の良い明るく開放感のある空間になることを目指しました」
◆リノベーションのビフォアアフターの図面
目次
実は後処理が意外と大変だったけど、
間仕切りを撤去して圧迫感を解消!
初めてこの部屋を内覧したときにいちばん気になったのがリビングの間仕切り。Nさんは夫婦2人暮らしなので部屋を区切る必要がありませんでした。「この仕切りがあることで部屋が狭く見えるなと思いました」。部屋数よりリビングの広がりや開放感、家全体の明るさを優先したいNさんご夫婦は、この仕切り部分を撤去することに。単に壁を取り外すだけかと思いきや、部屋をひとつにするために、意外と作業が必要で、それは……
1.天井のクロスを揃えるために張り替えが必要
2.撤去後のフローリング補修が必要
3.ドアがなくなった分、壁をフラットにするために‟ふかし“の作業が必要
「予算と相談しつつ進めましたが、おかげで広々とした明るいLDKが手に入り大満足です」。この心地よいリビングのおかげで、仕事も家事も気分よくできているそう。
南向きなのに暗かったキッチンは
対面式から壁つけに位置を変更して解決
明るくて使いやすいことを目標にリノベが進められたNさん宅のキッチン。「築3年のキッチンを取り壊すのは正直もったいない気もしました。しばらく住んで改めてリノベするという選択肢もありましたが、引っ越しや仮住まい代などを考慮すると入居前が得だと思い決断しました」。大きく変えたのはキッチンのレイアウト。対面式から壁つけキッチンに変更したことで通路幅90㎝を確保。「壁を撤去したことからバルコニーからの外光が差し込むようになり明るさが増し、キッチンに立つのが楽しいです」
◆明るさはもちろん、キッチンに求めたのは
掃除がしやすい使い勝手のいいレイアウト
玄関と隣接していた部屋を土間の一部に!
圧迫感も減り帰宅したときの気分もいい
以前の玄関は、両サイドが壁と靴箱というよくあるタイプ。「リノベ前の玄関は狭い廊下と繋がっていて、正直入った瞬間に狭くて暗い感じでした」。そこで隣接していた部屋の一部を削って土間を作り、靴箱はいちばん奥に設置。玄関に隣接する2部屋にアイアンの内窓を設けたことで光と風の通り道にもなり、より明るく開放感のある玄関になりました。
◆スペースを広げたこと以外にも
視覚的に広く見せた3つの工夫
◆こだわりの土間で玄関が広々!
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予算内でリクエストに応えてくれるリノベ会社がなかなか見つからず、当初は難航していたNさんご夫婦のリノベーション計画。そんなときに見つけたのがリノベーション仲介サイト「リノベりす」でした。予算やリクエスト内容、希望の雰囲気を丁寧にヒアリングしてくれて、最適な建築家を紹介してくれたそうです。その女性建築家とは好みもぴったりで話も弾み、希望の雰囲気をすぐに理解してくれてNさんも大満足。「実は、二世帯住宅を計画していた時期もあって、その際に利用した建築家仲介サイトの担当の方に“会話が弾む建築家さんを選ぶことをおすすめします”と言われたんです。確かにそれまで設計プランを出してもらっても『なんか違う。伝えたつもりがうまく伝わっていない』と感じるシーンがありました。建築家さん選びはフィーリングが何より大事と実感!」。今回は、フィーリングが合う建築家に出会えたうえ、金額も折り合うと言う幸せに巡り会えたそう。限られた予算のリノベーションでも諦めない熱い想いがあれば、理想の形は手に入るもの。予算が心配で躊躇している方は、まずは行動してみるのがよさそうです。
(撮影/相澤琢磨)