目次
1.重曹は人体にも含まれる
弱アルカリ性の天然物質
「正式名称は“炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)”。英語で“ベーキングソーダ”と言われたほうがピンと来る人が多いかもしれません。重曹は、地中の鉱床や湖の沈殿物、海水などに含まれている天然物質。実は人体の血液中にも含まれている弱アルカリ性のミネラルなんです。地球上のあらゆるところに存在する成分だから、環境にも体にも優しいと注目されています」(岩尾さん 以下同)
2.食用と掃除用の違いは純度の差。
食用ならどちらにも使えます!
「重曹はスーパーの食品コーナーに陳列されていたり、薬局やホームセンターなどの洗剤コーナーに置いてあったり『この違いは何?』と疑問を抱いている人も多いと思います。もともと重曹が“家事のお供”として利用されるようになったのは、今から約200年前。西部開拓時代のアメリカが発祥です。当時からパンやお菓子のふくらし粉の食用、洗濯や掃除の際のクリーナー、やけどの洗浄や胃薬としての医薬用として、3つの用途に分けられ使われていました。違いは重曹自体の純度。オールマイティーに使うなら、衛生管理の厳しい基準をクリアした食用重曹がおすすめ」
3.値段が安くて環境にもいいし
家に置く洗剤の種類を減らせる!
重曹を使うメリットは、大きく分けるとこの3点
・天然物なので体にも環境にも優しい
「残念ながらまったく“荒れない”とは言えませんが、合成洗剤を使うより手荒れは軽減されます。また重曹は自然由来なので、排水に流しても生態系への影響は低いです」
・重曹ひとつで家の大半の掃除が済む
「洗浄力が高い上に、家中のさまざまな汚れを速やかに落としてくれる重曹は、掃除の用途によって洗剤を買い込む手間が省けるので、ミニマリストの方にも◎」
・お財布にも優しい価格帯も魅力
「スーパーやドラッグストア、100均などでも手軽に買える重曹。おすすめの食用重曹でも500グラム200円程度。だから無理なく節約することができます」
4.重曹の凄さを体験したいなら
まずはここの掃除から!
☑マグカップのコーヒーシミを落とす
「重曹は柔らかい結晶でできているので、ソフトなクレンザーとして利用できます。コーヒーカップの内側についたコーヒーシミも、水を加えてペースト状にした重曹でこすればきれいに落ちます」
☑生ゴミの嫌なニオイを消す
「重曹の弱アルカリ性成分は、悪臭も取り除いてくれます。生ゴミに直接ふりかけるだけで悪臭取りに。下駄箱や冷蔵庫にも使えます!」
☑バス小物の湯あかを落とす
「重曹を水で薄めた水溶液に、石鹸ケースなどの小物類を浸けおき。1時間ほどでつるつる&ピカピカに」
☑鍋の汚れを取る
「鍋全体を湿らせ、重曹をふりかけます。水と馴染ませてペースト状にし、指でこすると簡単に汚れが落ちます。頑固な汚れはラップをして約1時間パックをするとつるつるに」
☑観葉植物の葉をつやつやに蘇らせる
「重曹水(重曹を水で薄めたもの)で湿らせた布巾で葉を一枚ずつふいていきます。生き生きとした生命力のある葉に戻ります」
☑洗濯の洗浄力をアップさせる
「重曹には水そのものの洗浄力を高める作用が。洗濯時、衣類に重曹をふりかけ、後はいつも通り洗濯するだけですっきり仕上がります」
5.研磨作用があるからジュエリーや
アルミなど傷が気になるものにはNG
「アルミ製品の鍋に使うと、黒ずんでしまうことがあるので、鍋に使用するときは素材をチェック。! クリスタル製品や漆器、パールなどのデリケートなものに使うと表面を傷つけることがあるので、こちらもおすすめしません!」
6.石鹸やお酢と併用することで
さらに洗浄力がアップします!
「身の回りの大半の汚れは落とせますが、“酢”や“石鹸“を加えることで、重曹だけでは落としきれない汚れまですっきりきれいに落とすことができます。『今日は掃除を頑張るぞ!』というときは併せて使ってみてください。お風呂の鏡や蛇口についた水あかなど、結晶性の汚れには“酢”が最適。汚れをゆるめて落ちやすくする作用があるので、頑固な汚れに◎。“石鹸”は成分表示に「純石けん」「石けん素地」「脂肪酸ナトリウム」などと表記されたものを選びましょう。液体石鹸でも固形でもどちらを使用してもOK。石けんには汚れを浮かせて包み込む作用があるので、重曹と併用すると洗浄力が各段にアップします」
さまざまな汚れや臭いの除去に力を発揮する重曹。使い方もシンプルなので、ぜひ日常的に活用したいところですね。岩尾さん曰く「目についた汚れを逃さずその場で掃除できるように、キッチン、トイレ、洗面台、お風呂には重曹を常備しておく」ことが重曹をうまく使いこなすコツだとか。気軽に試せて、そのうえ家中をピカピカにする重曹。あなたなら、どの場所の汚れから試してみますか?