「オキシクリーン」ブームを機に注目を集めている酸素系漂白剤。今では「オキシ漬け」という言葉もかなりメジャーになり、フリマアプリではオキシクリーンで洗浄したことを表す「オキシ済み」という言葉も飛び交っています。「洗剤と漂白剤、どちらも汚れを落とすためのものですが、落とす作用に違いがあります。洗剤は界面活性剤が汚れを引きはがして汚れを落とすもの。一方、漂白剤は汚れ自体を破壊することで汚れを落とします。過炭酸ナトリウムが主成分の酸素系漂白剤は、塩素系の漂白剤ほど強力ではありませんが、色柄ものにも使えたり、ツンとくる嫌な臭いや手のぬめりが少なく扱いやすい点が支持されている理由だと思います」(洗濯ソムリエ・松延友記さん 以下同)。また、酸素系漂白剤にも“粉末タイプ”と“液体タイプ”の2種類があって、どちらがいいのかドラッグストアで迷うことがありますよね。「粉末タイプはしゅわっと溶けて発泡するときに洗浄効果が高まるので、漂白力や除菌力は高く、浸け置きにも向いています。液体タイプは粉末よりも漂白力は弱いですが、手軽に普段のお洗濯に加えて使え、より扱いやすいというメリットもあります」。既に欧米では、酸素系の漂白剤が主流なのだそう。その最大の魅力は使いやすさと汎用性の高さ。掃除など洗濯以外にも使えるということで、今では日本でも徐々に主流となりつつあります。
目次
〈使い方①〉
生乾き臭を放つタオルや衣類は
お湯に溶かして30分〜1時間浸け置き
酸素系漂白剤は毎日の洗濯の際に、洗剤と併せて使うことで消臭することもできます。しかし、それでも落ちない頑固な生乾き臭には、酸素系漂白剤を使った“浸け置き”がおすすめ。「冷水よりも40〜60℃程度のお湯を使うとより効果がアップ。粉末でも溶けやすく、臭いの原因となる皮脂汚れも落ちやすくなります。浸け置き時間は30分〜1時間を目安に長くても6時間が限度。それ以上は漂白効果がなくなり、生地が傷むだけなので意味がありません。浸け置き後はすすぎ洗いだけでも十分ですが、洗濯機にかけるとよりきれいに仕上がります」
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〈使い方②〉
頑固な襟や袖の黒ずみ汚れは
ペースト状にしてこすり洗い
洗濯だけではなかなか落とせないシャツの襟・袖の黒ずみ汚れや、うっかり付けてしまった染み汚れも、酸素系漂白剤が解決してくれます。「まずはお湯に溶かして浸け置きを。それでも落ちない場合は、お湯を少し混ぜてペースト状にした漂白剤を塗ってみてください。少し置いてからブラシでこすれば、繊維の奥から汚れをかき出すことができますよ」。洗濯前の予洗いとして取り入れて。
〈使い方③〉
洗濯以外でも、いろいろな場所の
除菌や黒ずみ汚れ掃除に使えます!
「次亜塩素酸ナトリウム」を主成分とした塩素系漂白剤はアルカリ性が強く、タンパク質を分解するため素手で触れるのは危険。また酸性のものと混ざって有毒な塩素ガスを発生したりと、取り扱いには細心の注意が必要。かわって酸素系漂白剤は「過酸化ナトリウム」が主成分。過炭酸ナトリウムは水に溶けると過酸化水素と炭酸ソーダに分解し、発生した酸素の力で漂白効果を発揮します。炭酸ソーダは自然界に存在する成分であり、また過酸化水素は酸素と水に分解されるため、人体や環境への負担が少ないのが特徴。塩素系に比べてアルカリ性も弱く、ツーンとした嫌な臭いもないため、キッチンやお風呂場など口や体に触れるものにも安心して使用できるのが魅力です。浸け置き中など酸素系漂白剤に直接触れる際は、念のためビニール手袋を着用するようにしましょう。
・洗濯槽クリーナーとして活用
「洗濯槽は生乾き臭の原因となるモラクセラ菌や黒カビなど多くの雑菌が繁殖しています。1〜2カ月に1回は酸素系漂白剤で洗浄し、洗濯物の菌の繁殖を抑えましょう。強力な塩素系は1年に1回の使用がおすすめ。洗濯槽クリーンコースがない場合は、水量を最大量入れて一時停止し、2〜3時間浸け置きにすると効果的です」
・キッチンやお風呂の掃除にも
「酸素系漂白剤なら、臭いが気になる食器洗いスポンジやふきん、茶渋の付いたカップなどのキッチン用品、ガスコンロの油汚れに使っても安心。お風呂場や玄関など、家中さまざまな場所で有効活用してみてください」
※「酸素系漂白剤」を使うときの注意点!
塩素系に比べて扱いやすい酸素系漂白剤ですが、どんな使い方をしてもいいというわけではありません。使用方法や表示をきちんと読み、洗濯トラブルを防ぎましょう。
・使用前に必ず「洗濯表示」を確認する
色柄ものに使えるといっても、ウールやシルクなど素材によっては漂白処理自体できないものもあります。「洗濯表示は2016年12月に改正され、世界共通になりました。それまでの日本の漂白処理表記は、塩素系漂白剤についてしか分かりませんでしたが、現在は酸素系が使えるかどうかも表記されています。日本でも酸素系漂白剤が一般的になったということですね」。まずは漂白前に必ずこの表記の確認を忘れずに! また、お湯に溶かして浸け置きする際は、上限温度の表記もチェックしましょう。
・決められた分量はきちんと守る
「洗剤も柔軟剤も同じですが、臭いなどが強いからといってたくさん入れても効果が上がるわけではありません。むしろ、入れすぎることで漂白効果が落ちてしまうこともあります。記載されている分量は、最も効果が高まる分量であると覚えておいてください」
・長時間放置しすぎない
「浸け置きする時間も長ければよく落ちるわけのではないので、パッケージに記載された時間を守りましょう。長時間放置しすぎると、生地が傷みやすくなります。何事も表記通りがいちばんです!」
洗濯ソムリエ松延さんおすすめの
粉末タイプ「酸素系漂白剤」をチェック
『オキシクリーン』
酸素系漂白剤ブームの火付け役
強力な洗浄力で、頑固な汚れも臭いも酸素パワーでしっかりと除去。漂白成分のみの日本版(中国製)と比べ、アメリカ製は洗剤成分も入っているのでより強力。毎日の洗濯や掃除に使用するなら、大容量タイプがおすすめです。
『シャボン玉石けん 酸素系漂白剤』
各サイトでもレビュー評価が高い!
界面活性剤が入っていない過炭酸ナトリウム100%の製品で、粒子が細かく溶けやすいのが特徴。ナチュラルクリーニングのアイテムとして、衣類やキッチン、ベビー用品まで幅広く活用できます。
『フレディ レック・ウォッシュサロン オキシクリーン』
1回使いきりの便利な個装タイプ
「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」にて一緒にイベントを開催したことがきっかけで誕生したこちらのダブルネームのオキシクリーンは、1回使いきりのパックタイプ。成分は過炭酸ナトリウムと炭酸ナトリウムで、日本版オキシクリーンと同じ。浸け置きはもちろん、普段のお洗濯に混合して使うこともでき、旅行などに持っていくことも。30g入りの1パック単体発売に加え、10パック入りと20パック入りも発売予定。これからホームページから購入できるようになるそうなのでしばしお待ちを! 1P 110円、10P 990円、20P 1,980円(以上税込)
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既に日々の洗濯に取り入れている人も多い「酸素系漂白剤」ですが、洗濯表示を確認せずに使ったり、過度な量を入れていた人もいるのではないでしょうか。正しく有効的に使い、衣類や家を1年中清潔に保ちましょう。
(撮影/石田純子)