自動で部屋を走り回り、床をきれいにしてくれる「ロボット掃除機」は、今や時短家事に欠かせない家電のひとつ。「グローバル家電市場総調査2019」によると、2018年の市場規模は1230万台(前年比25.9%増)とかなり浸透してきました。「ロボット掃除機を使わないひとつの理由に、床置きのものが多く、動かすスペースがないという話をよく耳にします。まずは家具の配置をロボット掃除機が通れる幅にしておくことをすすめています。私はロボット掃除機を愛用して約10年になりますが、その経験をもとに、性能を十分発揮できる“部屋作りのアイデア”をお話したいと思います」(知的家事プロデューサーの本間朝子さん・以下同)
目次
空気清浄機や観葉植物など
重たくて動かしづらいものは
キャスター台にのせておく
本間さんが実際に使っているのは、 空気清浄機をのせている『LAKOLE』のワイヤーバスケットキャスター〈左〉、『イケア』のSOCKERプラントムーバー〈右〉(現在はシルバーのみの販売)。観葉植物用キャスター台はいろいろなメーカーから出ているそうなので、鉢カバーやインテリアに合わせてチョイスして。
大前提は床にものを置かない習慣をつけること！「荷物や衣類を床に置きっぱなしにしないのはもちろん、ラグを敷くのもなるべく避けてフローリングの範囲を広げるようにしましょう」。ロボット掃除機の種類によっては段差を登れずラグをめくりあげてしまう場合もあるそうです。「また、床に直置きしなくてはいけない家具や家電もなるべく動かしやすくしておくこと。 例えば観葉植物や空気清浄機などは、動かせなくはないけれど、掃除のたびに持ち上げて動かすのは面倒です。女性の力で動かしづらいものはキャスター台にのせておくといいですよ。さっと移動できるので、ロボット掃除機もスムーズに働けます」
小さなおもちゃはプレイマットや
収納バッグの上で遊ばせてパパッと移動
プレイマットとしても使える収納袋の上でおもちゃで遊ばせておけば、ひもをぎゅっと引っ張り巾着にすれば片付けも簡単。ロボット掃除機の邪魔にならない場所に動かせます。
レゴなどのブロックをはじめ、ボールやミニカー、電車に人形と、子供のおもちゃは一度広げると、瞬時に片付かないのが難点。仕方ないからとそのままにしておくと、今日も明日も掃除機がかけられないなんて事態に陥りかねません。「小さなお子さんがいるご家庭におすすめなのが、『FlyCreat』のおもちゃ収納バッグです。袋状になるため、移動するときうっかりパーツを紛失させてしまうこともありませんよ」。続きを遊びたくて掃除のたびに駄々をこねるお子さんも、これならすぐに戻せるのでお掃除タイムも納得してくれるはず。
複数あるダイニングチェアの脚裏には
「カグスベール」を貼って動かしやすく
ロボット掃除機が通れる幅にイスを引いて準備しておきます。
イスをテーブルの上にのせて、ロボット掃除機が通れるスペースを作ってもいいのですが、何脚もあるイスの上げ下ろしは結構な重労働。リビングの掃除は毎日のことなので、少しの移動でとにかく楽に通り道を作るのが賢明です。「イスの脚裏に『ニチアス』のカグスベール ビックフリーサイズをカットして貼っておけば、片手で簡単にイスを引けるくらい滑りがよくなります。またフローリングの傷防止にもなるので、家具の配置換えをするときにも便利。とにかく貼って損はありませんよ！また、常に全ての床を掃除するのは大変なので、家具の位置を少しずつずらして、数回で全てを掃除できればＯＫと考えましょう」
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床に障害物が多いからロボット掃除を使うより、自分でやったほうが早いと使うのを諦めていた方も、ちょっとした工夫でロボット掃除機が稼働しやすい部屋に変身させられるかもしれません。かく言う私も、使ってみたいという気持ちが再燃してきました！
〈おまけ〉
今や１万円台でも十分優秀。
ロボ掃除デビューはこれでお試し！
実際にロボット掃除機を導入している本間さんいわく、面倒な床掃除から解放され、空いた時間を何か別のことに有効活用できるから、毎日が効率的に過ごせるんだとか。ここ最近は、ロボット掃除機のレンタルやお手軽価格のものが増えています。まずは、部屋の広さや家族構成、ペットがいるかなどライフスタイルに合った性能を持ったものを使ってみることをおすすめします。
◆『IKIFE』ILIFE V3s Pro◆
ペットの毛やホコリも逃さない
強力な吸引力が魅力
サイズ：H81×W300×D300㎜ 重量：2.2 ㎏ 作動時間：最大 120 分 充電時間：200 ～350 分 実勢価格：17,000円前後
ペットがいる家庭のために設計されたという掃除機は、強力な吸引力と排気量で、ペットの毛やホコリを効率的に清掃してくれます。ブラシレスタイプなので毛のもつれもなく、コードやラグもしっかり乗り越えてくれるので途中で止まってしまう可能性は低く安心。自動清掃・スポット清掃・エッジ清掃の選べるクリーニングモードや、予約清掃、自動充電と機能面も充実しています。
◆『Eufy』RoboVac 11S◆
スリムでパワフルながら驚くほどの静かさ！
サイズ：H72×W325×D325㎜ 重量：2.6 ㎏ 作動時間：最大100分 充電時間：約300～360分 実勢価格：18,000円前後
高さ約7.2㎝の超薄型設計で、家具の下にもしっかり潜って掃除をしてくれます。カーペットやフローリングなどの違いを判別し、自動的にモードを切り替え、Eufy独自のBoostIQテクノロジーでゴミを残さず吸引してくれる優れものです。一般的な電子レンジの動作時と同程度の静かさもいいところ。
◆『ECOVACS』DEEBOT N79T◆
アプリを使えばスマホで遠隔操作可能
サイズ：H78×W330×D330㎜ 重量：3.25 ㎏ 作動時間：最大120分 充電時間：約180～240分 実勢価格：18,000円前後
V型メインブラシとローラーで効率的に多種類のゴミ吸引を実現。壁際清掃や集中清掃モードなど多彩な清掃モードや、落下・衝突防止などの機能も備わっています。エコバックスアプリを使用すればスマホからロボットの全機能をコントロールでき、掃除状況の確認や清掃スケジュールの設定なども可能。
アイデア満載！本間朝子さん著書
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（撮影／石田純子）