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太りやすい人は要注意! 睡眠不足が食欲を刺激する

コロナ禍で体重が増加した人が増えたそうですが、ダイエットをする際に真っ先に思いつくのは、運動や食事制限ではないでしょうか? しかし、いちばん初めに取り組んでみてほしいのは「睡眠」なんです。“太りやすさ”に睡眠が深く関係していることは、多くの研究で明らかになっています。

睡眠不足が食べたくなる原因⁉

アメリカのある研究で面白い実験を行いました。

健康な男女36人を、「9時間眠るグループ」「5時間眠るグループ」「平日(月〜金)は5時間睡眠、週末は好きなだけ眠る」の3グループに分けて、10日間経過後の体重の変化を調べました。

結果は、「5時間眠る」、「5時間+週末は好きなだけ眠るグループ」は、夕食後に間食をしており、研究中に体重が増えていました。研究者は、「私たちは睡眠が不足すると、体がより多くのカロリーを燃焼すると過去の研究からも明らかであり、より多く食べる傾向があるのだ。睡眠不足は必要以上に食べてしまい、体重増加につながるのです」と述べています。言いかえれば、睡眠が不足すると、多くの食べ物を体が求め、食べ過ぎの傾向になるということ。
(出典:CNN health「Weekend sleep-in might ruin your waistline and your health, study says」)

では、なぜそもそも太るのでしょうか?

私たちの体は、200万年前の狩猟採集生活をしていた頃と、実はあまり変わっていません。
人類は進化の過程で常に飢餓と戦ってきました。狩りをしたり、野生の木の実や果実を採ったりして生きていましたが、必ず食料を手にできるとは限りませんでした。そのため、私たちは余分なエネルギーを摂取すると、それを脂肪として蓄えて次の飢えに備えて生き延びるシステムを身につけたのです。しかし、食べ物があふれている現代においては、この「脂肪としてストックする」というシステムが肥満を増大させる原因となっているのです。

睡眠不足が続くと
食欲を増すホルモンも活発に

さらに、私たちの体内ではさまざまなホルモンが分泌されおり、これらのホルモンのバランスが正常に働いているおかげで、問題なく日常生活を送ることができますが、睡眠が不足すると、ホルモンのバランスにも影響し、いろいろと問題を発生させます。

ある研究では、4時間未満の睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減少し、反対に食欲を増やすホルモン「グレリン」が増加することが分かっています。レプチンホルモンは体に蓄積された脂肪細胞から分泌され、レプチンホルモンが分泌されると脳の視床下部へ「満腹」のサインを送ります。レプチンホルモンが正しく働き脳に作用すると「おなかいっぱい」をきちんと感じることができるので食べ過ぎることがありません。グレチンホルモンは胃から分泌されるホルモンで、「満腹」のサインを送るレプチンホルモンに対してグレリンホルモンは「空腹」のサインを脳へ送り食欲を増進させます。この二つのホルモンがバランスよく分泌されることで、食欲はコントロールされているのです。しかし、睡眠不足になると、このバランスが崩れ、研究のように食欲を増やすホルモン「グレリン」が増加してしまい、空腹ではないのに、つい食べてしまったり、食後に間食をしたりと、体重増加につながってしまうのです。(出典:厚生労働省e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」)

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コロナ禍の今、自宅から一歩も出ずに1日が終わることも珍しくないかもしれません。在宅勤務で、朝起きてからメリハリなく仕事を始めて不規則な時間管理になっているかもしれません。生活リズムの乱れが夜更かしにつながり、それが食欲の刺激、耐重の増加につながることもあります。最近太り気味だと感じたら、まずは、睡眠時間の見直し、そして、太陽の光を浴びて積極的に動くことが、良い睡眠にも、精神的なダメージにも、ダイエットにもつながっていきますよ。

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