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その不調「春バテ」かも。季節の変わり目は寒暖差に注意

ある調査では約7割の人が「春バテ」を経験しているという結果が。これはなぜ起こるのか、一般社団法人睡眠body協会代表で理学療法士の矢間あやさんが解説します。

目次

「春バテ」の大きな原因の
ひとつが「寒暖差」

春バテの主な症状としては、だるさ・気分が落ち込む・疲労感・イライラする・倦怠感・眠れないなどがあげられます。春は、昼間は初夏を思わせる程暖かくなる反面、夜になるとコートが必要な程寒くなることもあります。この昼と夜の気温の差が10℃以上になるのが3月4月頃の特徴です。

気象庁 過去の気象データを基に作成

人の体は、私たちが意識しなくても自律神経によって自動的に体の機能が調整されています。自律神経はさまざまな働きをしますが、そのひとつに体温調整機能があります。春は1日の気温差が大きいため、常に体が環境に適応しようと反応しています。自律神経はいつもよりたくさん働かなくてはなりません。これが自律神経の乱れ、疲労につながり、結果としてだるさを感じたり、疲労感や倦怠感を覚えるようになります。ちなみに、この寒暖差は自然界だけではなく、日頃、私たちが快適に生活するために使用している冷房や暖房の使用による寒暖差からも不調は引き起こされます。

寒暖差の影響を受けやすいのは?

寒暖差による疲労を感じやすい人は、日頃から手足が冷たく感じやすい人や、生活が不規則な人、日頃眠れない問題を抱えている人、お酒の量が多くなりがちな人、運動不足な人、日頃からストレスを感じている人など。こうした人たちは、結果的に自律神経が乱れやすいとも言えます。また、毎年この春の時期に風邪や倦怠感など体調を崩しやすい人も寒暖差の疲労には注意が必要です。

寒暖差による「春バテ」はこれで解消!

まず、寒暖差をできるだけ防ぐために、体を冷やさないことが大切になります。特に体を温めることがおすすめです。

① 入浴

体を温める、最も効果的な方法が入浴です。入浴には、体を温めることで血流を良くする温熱作用、お湯の水圧で全身をマッサージされたような状態になり血流の流れやリンパの流れを良くする静水圧作用、浮力の力を用いて筋肉や関節をゆるめて緊張を解きほぐす効果の浮力作用など、さまざまな効果があると研究の結果からも明らかにされています。お湯の温度は、40℃程度のややぬるいと感じる温度のお湯につかるのがおすすめです。ぬるめのお湯に10~20分つかることで、体の芯まで温めることができ、また、それは自律神経の副交感神経に働きかけリラックス効果も期待できます。

ちなみに、熱いお湯の場合、一気に温かくなりますが、数分で湯船から出ることになります。汗もかき、良いように感じますが、実は温まったのは体の表面だけで、体の芯まで十分に温めることができません。体が冷えるのが早く、せっかくのお風呂の効果が有効的に活用できているとは言い難いのです。

② お湯で手足を温める

また、入浴を毎日することが難しいという場合でも、洗面器にお湯をはったなかに手や足を入れて温める手浴や足浴は、寒暖差の疲労を解消するためにもとても効果的です。

③ 首、手首、足首の「3首」を温める

さらに、外出する際には3首と言われる、首、手首、足首を冷やさないようにすることも効果的。これらを温めることで、温まった血液を全身に効率よく回すことができます。春はストールなど首元を温めるアイテムもたくさんあります。お洒落を楽しみながら健康にも良いまさに一石二鳥のアイテムです。また、カーディガンなどの脱ぎ着が簡単な衣服で温度調節をこまめに行いましょう。

④ 日頃から軽い運動を続ける

寒暖差の疲労を撃退するためには運動もおすすめです。筋肉の働きは、運動するためだけではありません。筋肉には熱を作り出す作用もあります。例えば、寒いとき、私たちはブルブルと体を震わたり、小刻みに体を動かしたりします。これは「熱産生」と呼ばれ、体が熱を作るために自然と行っている行動です。現代社会は動かない社会と言っても過言ではないため、筋肉量が減少している方が多いですが、日頃から軽い運動を継続的に続けることで、血流を改善する他、寒さ対策にもなるのです。

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春は出会いと別れのシーズンでもあります。新しい環境になったり、今までと違う生活リズムになると緊張状態が続くようになります。この緊張が自律神経に作用したり、緊張により無意識に力が入ることで、疲労や疲れにも発展するのが「春バテ」の大きな原因のひとつ。体を温めることは、こうした緊張を緩和することにも役立ちます。いつもよりちょっと体調が悪いなと感じたら、「春バテ」を疑いつつ体を温めてみてください。効果を感じることができるかもしれませんよ。

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