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家の汚れを分析すれば洗剤も断捨離できる!?

食器、お風呂、トレイ、床、窓、壁……、それ専用に作られた洗剤には、もちろんメリットもたくさんあるのですが、気づけば家中が多種多様な洗剤で溢れかえっていませんか? 合成洗剤を使用しない、ナチュラルクリーニングを推奨する本橋ひろえさんによると、「家の中の汚れの種類は大きく分けて、①酸性 ②アルカリ性 ③カビ、雑菌 ④色素の染みの4つ。なので、この4つに効く洗剤さえあれば事足ります」とのこと。要するに、場所ごとの汚れの性質を理解していれば、洗剤の数はかなり減らせるということです。では早速、懐かしい理科の実験気分で、家の汚れについて勉強してみましょう!

目次

基本編:家の汚れを4つに分類

酸性の汚れ
~食べ物などの油汚れ、尿や皮脂、汗など人から出る汚れ

「家の中の汚れの9割は、酸性。さらに大きく分けると①油汚れ、②食品から出る汚れ、③人の体から出る汚れ、の3つに分類されます。酸性の汚れは、食品が傷んだ時の腐敗した匂いなど、すっぱい匂いが特徴です。例えば、食べ物の汚れや体から出た尿や汗、手垢や湯垢などが酸性に分類されます。そうやって分類していくと、家の中のほとんどの汚れが実は酸性になるんです」(本橋さん 以下同)

アルカリ性の汚れ
~水垢、石鹸カス、アンモニア臭など

「水垢は、水道水の水分が蒸発してカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類が白く残ったもの。盲点なのは食洗機や洗濯機。特に乾燥機能を使用すると一気に水分が蒸発するので、水垢になりやすいです。洗剤と水道中のミネラル分が反応すると石鹸カスになります。洗面器や風呂場の椅子など、触るとザラザラするのにこすってもなかなか落ちない、あの汚れが石鹸カスです。最後にアンモニア臭。これは、匂いで判断する汚れ。主に尿の匂いですが、人の体から出た直後の尿は、アンモニア臭がしません。どこかに尿の汚れが付いて、5日から1週間ほど経つと、アンモニアに変化し匂いが強くなるのです。つまり、体から出てすぐの尿は酸性の汚れですが、1週間程放置するとアルカリ性の汚れに変化しますので、毎日トイレ掃除される方は酸性汚れ対策を、週に一度という場合はアルカリ性汚れの対策と使う洗剤も変わってきます」

カビ・雑菌の汚れ
~クローゼット、風呂場、靴箱など湿度が高い場所の汚れ

「20度以上の温度で、水分、エサとなる汚れがたまりやすい場所がカビや雑菌の好む場所。具体的には、浴室、キッチンの調理スペースや食品を扱う場所。また湿気がこもりやすい押入れやクローゼット、靴箱などもカビや雑菌の温床となりやすいですね」

色素の染み汚れ
~茶渋やカーテンなどのファブリックについた染み汚れ

「カーペットや布製製品についた染みや、ティーポットやカップにつく茶渋などの汚れが色素系の汚れ。色素汚れは、内部に染み込んでいる場合が多いので、洗剤を染み込ませるという工程が必要なところが他の汚れとの違いです。ちなみに浴室など水周りにできる黒カビも色素の染み汚れに分類されます」

対策編:家の4大汚れに効く洗剤は?

酸性の汚れには、アルカリ洗剤が効く!

「酸性にアルカリ性を加えると中和されますよね。汚れは中和された状態だと落ちやすいので、酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤が適しています。ナチュラルクリーニングでは、石鹸、重曹、セスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウム(アルカリ性、漂白、除菌)などを用います。軽度の汚れは石鹸でも十分に落ちますが、蓄積された頑固な汚れにはセスキ炭酸ソーダや過炭酸ナトリウムがおすすめです」

重曹

 

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アルカリ性の汚れには酸性洗剤を!

「中和させることで汚れは落ちるので、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤がベストアンサーです。ナチュラルクリーニングでは、クエン酸、お酢などがそれにあたります」

クエン酸

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カビ・雑菌汚れには、除菌効果のあるものを

「カビや雑菌退治に必要なのはとにかく除菌すること。ナチュラルクリーニングでは殺菌効果のあるアルコール、過炭酸ナトリウム(アルカリ性、漂白、除菌)を使用します。アルコールは医療現場でも使われる80%前後のものが◎。揮発性が高く仕上げ拭きがいらないので掃除が楽なのも魅力です」

アルコール

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色素の染みに必要なのは漂白作用

「表面の汚れを落とす茶渋などの汚れに対し、内側の汚れにアプローチしなければならない衣類の汚れは別物に感じますが、落とし方が違うだけでロジックは同じです。色素を抜くためには漂白の一択。ナチュラルクリーニングでは、過酸化ナトリウムを推奨します。難しいのがお風呂の黒カビ。これは③のカビと④の色素の染みの複合タイプに分類されます。だからこの場合の洗剤は、除菌と漂白の両方に効く過炭酸ナトリウムを選びます」

過炭酸ナトリウム

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極論だけど、過炭酸ナトリウムが最強?

ここまでの説明を見る限り、アルカリ性の汚れ以外は過炭酸ナトリウムがあればいいような気がしますが…。「確かに過炭酸ナトリウムで家の汚れのほとんどに対応できると言えます。ただ、過炭酸ナトリウムは漂白効果や金属を腐食させたりする作用もあるので、場所によっては色ムラなどができる心配も。そこでおすすめなのは、毎日のお掃除は二度拭きいらずの重曹で、蓄積した油汚れや、たまにしか掃除しない箇所は過炭酸ナトリウムという使い分けが◎。水の使えない場所や除菌したい場所には、アルコールを35%に薄めたアルコール水での拭き掃除がおすすめです。素材を傷めることなく除菌力も担保できますよ」

応用編:家庭の汚れの分類早見表

汚れについての基本を理解したらお次は家の中の汚れを分類して、現在使っている洗剤を見直してみましょう。以下の早見表で早速チェックしてみて。

世の汚れを分類するとたった4つ!それぞれの汚れにベストな洗剤も分かったし、掃除用洗剤を減らして棚をもっとすっきりさせられますね。そして、実験気分でお掃除を楽しんでみてください!

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