2020年版の「日本人の食事摂取基準」によると、1日の脂質摂取目安量は、健康な成人女性で45~65g程度。男性でも、60~90g程度です。これを1食あたりで考えると、女性の場合、15~22g程度。これは鶏のから揚げだと何個かというと、
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鶏のから揚げ1個の脂質は約5.4g
衣をつけて、さらに油で揚げるから揚げは、高脂質な食べ物のひとつ。1食分の脂質量で考えると、女性なら3~4個、男性なら4~5個は食べてもいい計算になりますね。しかしヘルシーだと思って食べていたのに、から揚げ3個食べてるのと変わらないなんてことだと、頑張っているダイエットもなかなか進みません(笑)。
ちなみに、よく見るこんな朝食の脂質量は?
洋食はなんとなく分かるとして、健康的なイメージの和の朝食も、から揚げ4個くらいの脂質だなんて、ちょっと驚きませんか? 朝からから揚げ4個は無理でも、同じだけ脂質をとっているなんてこともありそうです。ヘルシーに見えても、調理法や食材の組み合わせで脂質が意外と多くなることはよくあるので、ダイエットやメタボ改善に取り組んでいるなら、脂質量はしっかり覚えておいたほうがよさそうですね。
いつも食べているあの食材は、
から揚げ何個分?
◆「牛乳」1杯 ◆
:から揚げ約1.4個分(脂質量7.6g)
牛乳コップ1杯の脂質が、から揚げ約1.4個分と聞くとギョッとする人もいるのでは? 実は牛乳は、乳脂肪分が多く高脂質。カフェオレ1杯(200ml)なら、から揚げ約0.7個(脂質量3.8g)分。朝食にいつも牛乳たっぷりのカフェオレを飲む習慣のある人は、要注意です。ちなみに豆乳に代えると、から揚げ約0.8個分と牛乳の半分強に。牛乳よりは低脂質ですが、豆乳にも意外と脂質があります。
◆「アボカド」1個 ◆
:から揚げ約4.1個分(脂質22.4g)
森のバターの異名を持ち、アボカドオイルの原料ともなるアボカド1個の脂質量は、女性が1食でとりたい脂質量とほぼ同等。しかし、アボカドに含まれる脂質のオレイン酸は、血中LDLコレステロールの値を下げることでも知られています。また、体の酸化を防ぐビタミンEも豊富に含まれているため、エイジングケア効果も期待できる美容食材。食べる量を半分にするなど、バランスよく取り入れたいですね。
◆「シーザーサラダ」1皿 ◆
:から揚げ約3.2個分(脂質17.4g)
サラダのなかでも高脂質な、シーザーサラダ。レタスに脂質は含まれませんが、油をたっぷり使ったドレッシングや油で炒めたベーコン、チーズが入るため脂質量が多くなります。サラダを食べる際には、ドレッシングに含まれている油にも気をつけましょう。ノンオイルのものを選ぶ、使う場合は良質なアマニ油やナタネ油を使ったドレッシングを選ぶとよりヘルシーに。
◆「クロワッサン」1個 ◆
:から揚げ約2個分(脂質10.7g)
バターをたっぷり加えて焼くクロワッサンは、パンのなかでも高脂質の部類。一方で、脂質が少ないのがフランスパン(2切れ50g)で、から揚げ換算すると脂質は約0.1個分(0.7g)。また、食パン(1枚70g)はから揚げ約0.5個分(脂質量2.9g)。パンは、種類によって脂質量に大きな差があるので要注意。
◆「サバの塩焼き」1切れ ◆
:から揚げ2.1個分(脂質11.5g)
魚類のなかでも脂がのっているサバは特に高脂質な食材ですが、サバをはじめとする青魚にはEPAやDHAといったn-3系脂肪酸も多く含まれています。EPAには血液をサラサラにする効果、DHAには脳を活性化する効果も。体にも良い脂質なので、量やバランスを考えて食べるといいでしょう。
◆「納豆」1パック ◆
:から揚げ約1個分(脂質5g)
ヘルシーに思える納豆1パックも、実はから揚げにすると約1個分の脂質量が。納豆の原料となる大豆は脂質の多い食材のひとつ。ただ、大豆の脂質にはリノール酸やαリノレン酸が含まれており、悪玉コレステロール値や血圧を下げるなどさまざまな効果が。乳製品や油もの由来の脂質を減らすなどの工夫をして、納豆も食べるほうが健康的とも言えます。
◆「ひじき煮」小鉢1杯 ◆
:から揚げ約1.2個分(脂質6.3g)
ひじき煮の脂質量は、入れる具材によって変動します。ひじき自体は低脂質で低カロリーな食材ですが、大豆や油揚げを入れ、炒め煮にすることで脂質量がUPします。カロリーや脂質を抑えたいなら、具材から大豆製品をカットしてみてもいいでしょう。
◆「ベイクドチーズケーキ」1切れ ◆
:から揚げ約3.6個分(脂質19.1g)
生クリームが上にのらないため低脂質と思っている人もいるかもしれません。しかし、生地にチーズや生クリームを多く使っているため意外と高脂質なのがチーズケーキ。レアチーズケーキ(1切れ90g)だとから揚げ約4.7個(脂質量25.2g)と脂質が増えるのは、クリームチーズや生クリームなどの比率が高くなるから。ちなみにイチゴのショートケーキ(1切れ120g・320kcal)だと、から揚げ約2.4個(脂質量13.1g)分。紹介した3種のケーキのなかで、生クリーム感たっぷりのショートケーキが最も低脂質というのには、驚く人もいるのでは?
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普段食べている食事メニューをから揚げの個数に換算すると、その脂質量の多さにびっくりするものもありました。アボカド1個は、ベイクドチーズケーキよりも脂質は多いんですよ! だからといって「これらの食材を食べないようにしよう」というのは間違い。脂質も体にとっては必要な栄養素なため、肉や魚、乳製品、植物油とさまざまな種類の食べ物からバランスよく摂取するのが理想です。脂質の多い食べ物を食べるときは、取り入れる際の量を工夫して、1日、1週間のなかで栄養バランスを調整するといいかもしれません。
※カロリーや栄養の内わけは、文部科学省「食品成分データべース」を基に算出しました。