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開放的な間取りで愛猫にも心地よい武蔵野の家②  “ペットと暮らす”リノベーション

猫たちの休憩場所は、リビングや仕事部屋など数か所に準備。

Uご夫妻のお宅には、現在3匹の猫が暮らしています。10年以上前、野良猫だった「にゃんこ」と仲よくなったところから、ご夫妻の猫との生活がはじまりました。ある日「にゃんこ」は突然子どもを産み、その一匹が「みけ」、そして「みけ」が産んだ豆大福のような「まめ」。この三世代の猫がU邸で一緒に生活しています。「うちの猫たちには暗黙のルールがあって、お互いに近寄らず、行きたい場所に先客がいると遠慮するんです(笑)」(Uさん 以下同)。そんなお互いのプライバシーを守りながら生活している、3匹の猫のために考えたリノベーションの工夫を見ていきましょう。

移動通路をしっかり確保し猫専用扉も。
家と外を自由に行き来できるように

三匹のなかでは孫にあたる「まめ」。現在10歳で、いちばん活動的で人懐っこい。

「もともと一匹目の『にゃんこ』が野良猫だったので、外に出られない生活を強いるのは難しいですし、閉じ込めてしまうとストレスになります」。最初から、屋内から外へ出入りするための導線は考えていたそうで、猫専用出入り口を取りつけたり、2階のベランダまでの通路も、雨どいの位置や堀の上に板を渡すなど、猫の行動を想定して考えたそうです。「こんなふうにのぼってこられたらいいかな、という予想のもとに設計したところもあるのですが、実は猫は人の思い通りにはなかなかしてくれなくて(笑)。意外な場所を足がかりにしていたりするので、それをこう使うならもっとこうしてあげたらよかった、みたいなことはあります。でも逆に言えば、猫にはその場にあるものを使いこなす器用さがあって、それに救われています。ご近所の方がおやつをくださったり、温かく見守ってくださったりしているので、猫にとっても僕たちにとってもありがたい環境です」

 

2階にあるリビングダイニングには、木の天板が美しい『イケア(IKEA)』のシステムキッチンが。この窓を開けていると、隣のお宅の屋根伝いに猫がジャンプして飛び込んでくることもあるのだとか。

居場所は自分で決めるのが猫だから
屋内の複数の場所に寝床やえさ場を用意

室内のひさしや梁を使って猫が向かうのは、ロフトの上。秋冬は床暖房で暖まった空気が天井に上がっていくので、猫たちはよくロフトで過ごしているそう。「窓枠も猫たちのお気に入りの場所です。窓からは、よくおやつをくれるお隣の方が見えるので、いつもこの場所からお隣を見ています。窓枠を大きくしたおかげで、猫が過ごせるスペースができました」。猫たちは、それぞれのその日の気分や天候などによって、自分が最も心地よい場所を見つけます。
「寝室やワークスペースなど、さまざまな場所に猫の寝床を準備したので、好きなところに行って休むことができます。食事についても同様。いろいろな場所にえさ場を作りました。お互いのプライバシーを尊重する我が家の猫たちなので、それぞれが好きに活動できる適度な距離を保てる空間作りを大事にしました。この広さだからこそできたリノベーションですね。野良猫は事故なども多く、寿命が短いと言われているなかで、『にゃんこ』は推定12歳くらい。ストレスフリーで気楽に過ごせているのではないかと思うので、もっともっと長生きしてほしいですね」

古い家のパーツやアンティークを織り交ぜて、自分好みの空間にリノベーションされたUさん宅。そこには3世代の愛する猫たちと自分たちがともに心地よく暮らすためのたくさんの思いやり溢れる工夫がありました。

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