ご多分に漏れず、家事と育児に振り回され睡眠不足は日常茶飯事の私ですが、睡眠で十分な休養がとれていると自信を持って答えられる主婦の方ってあまり多くはいないのではないでしょうか? 忙しくて眠れない→翌日の家事効率が下がる→また寝る時間が遅くなる…そんな悪循環から脱却するべく、「知的家事スタイルの会」が主催する「睡眠改善セミナー」に参加してきました。今回の講師は、日本栄養睡眠改善協会で代表理事を務め、睡眠を含め食生活・健康に関する多数の著書を持つ村井美月さん。村井先生いわく、質のいい睡眠を得るには
●①睡眠のリズムを知る
●②睡眠日誌をつけてベストな睡眠時間を探る
●③寝る前の行動を見直す
ことが重要だといいます。睡眠改善をするにあたり知っておくべき三つのポイントを早速見ていきましょう。
目次
①レム睡眠とノンレム睡眠の周期に
合わせて、起きる時間から
寝るべきタイミングを逆算する
睡眠は深い眠りのノンレム睡眠と眠りの浅いレム睡眠とを約90分ごとの周期で一晩に4~6回繰り返しています。「ノンレム睡眠時にたっぷりと出る成長ホルモンが疲労回復を促してくれるのですが、図を見ても分かる通り、睡眠の後半には、深い眠りに達しなくなり、浅い眠りのレム睡眠の時間が長くなってきます。夜更かしすると周期がずれてしまい、起きなくてはいけない時間に深い眠りのタイミングにあたってしまい起きるのがつらくなるのです。ですから起きる時間を定めてそこから逆算してレム睡眠とノンレム睡眠が4回繰り返せるタイミングで眠りにつけるようベッドに入る時間を定めましょう」(日本栄養睡眠改善協会 代表理事・村井美月さん 以下同)
②何時間眠るのが自分に最適なのか
まずは1週間分の睡眠日誌を
つけて探りましょう
一般的には、6時間から8時間の睡眠が必要だと言われていますが、人それぞれ快適な睡眠時間は異なるとか。「翌朝すっきりと起きることができる睡眠時間こそが、その人にとっての正解です。寝ているのになんだかすっきりしない、自分のベスト睡眠時間が分からないという人にこそやってほしいのが、睡眠日誌をつけること。毎日の睡眠を記録することで、睡眠の過不足や体調の変化を把握することができます。写真のような表に就寝時刻と起床時刻、翌朝目覚めたときの体調を付けるだけでOKです。継続的に記録していくことで、自分にとっての理想の就寝時間が見えてきます。余力があれば1日の行動も記録してみると、思わぬことが睡眠に影響を与えていたなんていう発見があるのでおすすめです。まずは1週間記録をして自分の眠りを俯瞰してみてください」
③そもそも夜に睡眠導入を邪魔しない
行動パターンを確立させて!
● 寝る1時間前にテレビもスマホも終了
「スマホから大量に発せられるブルーライトには、睡眠ホルモンであるメラトニンの生成を分泌させてしまったり、脳を覚醒させてしまいます。また、就寝前のSNSやメールチェックも、脳を興奮させる要因につながります。返信しなくちゃならないという強迫観念から、考え事や悩み事が沸き上がりスムーズに眠りに入ることができないのです。就寝前は、スマホの電源をOFFにして自分自身の意識もOFFに。メールの返信などは、翌朝もしくは、日中の空き時間にする習慣づけを」
● 就寝前は、熱いお湯に浸からない
質のよい睡眠のために湯舟につかって体を温めてリラックスさせるのは良い習慣ですが、温度が高いと逆効果になることも。「就寝前に40℃以上の熱いお湯につかると、血圧が上がり、脈も速くなり、筋肉は硬直します。結果、交感神経が高ぶり、心身が興奮状態に。とてもこれから眠るという状態ではなくなってしまうのです。これはランニングなどの激しい運動も同様です。寝る前のお風呂は38℃程度のぬるめで就寝1時間前までに。理想の睡眠時間をキープするためには、事前に入浴する時間を決めて、その時間までにやるべきことを終わらせるようタイムマネジメントしていくことも大切です」
● 夕食は寝る3時間前までに
仕事や子育てに追われていると自分の夕食時間がどんどん遅くなって寝る直前!なんて人も多いのでは?「就寝直前に食べると、睡眠中も内臓がフル稼働して体が休まりません。仕事の終わる時間が遅い場合でも夕方早めの時間に軽食をとるなど、寝る3時間前以降は食べ物を口にしないようにするべきです。夜のコーヒーも同様です。カフェインの覚醒効果は摂取後30分~4時間以上続くと言われ、さらに利尿作用もあるため夜中に目が覚めてしまう原因にも。また、睡眠中に急速にアルコールの血中濃度が下がることで夜中に目が覚めてしまうこともあるので快眠のためにはアルコールも避けるのが理想です。逆に積極的にとりたいのがビタミンB群。心の安定に良いとされているので快眠のサポートになりますよ」
● 時短家事で睡眠時間を確保
家事が睡眠時間を圧迫しているという方も少なくないと思います。何を隠そう私もそのひとりですし、話を聞いていたら村井先生も講演や執筆、会社経営にと膨大な量のタスクに追われていたと言います。「丸っと翌朝に持ち越すことはできないにしても、いつもの家事を時短にシフトして少しでも自分の睡眠時間にあてるようにしてみるのはどうでしょう。夕食の準備をほったらかしOKの簡単メニューにしたり、調理、お皿、保存の三つの役割を果たす見栄えのいい保存容器を使って洗い物を減らすなど、方法はさまざまです。ほんの数分の手間でもいくつか時短にできれば数十分でもまとまった時間ができるので、自分のやりやすい方法で寝る前の家事時間を減らしてみましょう」
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自分の睡眠サイクルと目覚め時の体調など、現状を知るのが快適な眠りを得るための第1歩ということが分かりました。記録することで眠りだけに止まらず、生活全体が俯瞰して見られるので健やかな暮らしを送れそうです。元気に過ごすためにも休息である眠りは大切。今一度、ご自身の眠りの質を振り返ってみませんか?
〈おまけ〉
10項目をチェックするだけで分かる!
質のいい睡眠がとれているかTEST
結局のところ、私の睡眠っていいのか悪いのか、足りてるのか足りてないのかもよく分からないという人のために、チェックシートをご紹介します。以下の10問中2つ以上の項目に☑が入った人は、自身の睡眠を見直してみてもいいかも。その場合は睡眠日誌をつけることから始めてみてくださいね。
□1.朝、寝床から出ることがつらい
□2.目覚まし時計をかけても起きられないことがたびたびある
□3.朝、起きたときに疲れが残っていると感じる
□4.午前中は、ボーッとしている
□5.日中眠くて仕方がないことがよくある
□6.やる気がない。パワーがないと感じる
□7.日頃、イライラすることが多い
□8.最近、集中力がないと感じている
□9.決断力・判断力が衰えていると思う
□10.作業などの段取りがうまくいかないことが多い
次回の知的家事スタイルの会のセミナーは3月に開催予定。テーマは「整理収納」。ぜひお申し込みしてみてくださいね!