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お金が貯まらない最大の敵「無意識の出費」とは?

世帯年収1036万円の全然貯金ができない人が、「意識していない無駄な出費=無意識の出費」を見直した結果100万円以上の節約ができました!

総務省の2018年の家計調査によると、1世帯あたりの1カ月の平均実収入(2人以上の勤労者世帯)は、55万8718円で、平均支出は41万8907円。この数字だけ見ると、プラス家計の世帯も多いはずなのに、実際はそうなっていない人も多いと思います。「実は家計のなかには使わなくても効果の変わらない意識していない無駄な出費というものが潜んでいます。」(ファイナンシャルプランナー 福島えみ子さん・以下同)。この意識しない無駄な出費=無意識の出費を洗い出すことで、年間約100万円の節約効果は目指せるかもしれません。

目次

ある程度収入があるのに貯金できない人は
「無意識の出費」に問題がある場合が多い

どのような生活をしたいかを基本として、自分にとっての無意識の出費が何かをチェックして。

日常的にかさんでいる無意識の出費
・待ち時間をつぶすために入ったカフェ代金
・付き合いで行った2軒目の会費
・必要ないのにセールだからとつい買ってしまったもの
・ATMの時間外手数料
・スーパーなどの有料バッグの購入

引き落としで気がつきにくい無意識の出費
・スマホとプロバイダーが別々の通信費
・保障内容を重複してかけている保険
・活用できていない資格の年会費
・利用頻度の低いスポーツクラブなどの会費
・使用していないカードの年会費
・ほとんど使用していないアプリの課金

日々の生活でこれらにあてはまるものがあるかどうかを、まずはチェックしてみてください。日常的に使いがちな無意識の出費から見ていくと、「時間があるからといって、目的を持たずにフラッと入るお茶代は、使っても使わなくてもよかったお金かもしれません。毎回同じメンバーでの飲み会なら、2次会まで行くのは費用対効果が薄いといえるのでは?」

次に、引き落としにしているため見逃しがちな無意識の出費を見ていくと、取得した資格を活用しているのであれば、会費を払う意義はありますが、休眠状態であれば年会費がかかるだけ。「スポーツクラブも利用頻度が低い場合には、ドロップインや回数券、週末だけの会員へ変更するなど見直すことで、正会員料金の2~3割減になります」。通信費については、子供は格安スマホへ変更し、スマホとプロバイダーの通信会社を統一する、有料チャンネルを解約するなどで、1カ月で約1万円減になるそう。「保険は、すすめられて入ったという人も多いので、保障が重複していたり、無駄な保障で保険料が高いケースもよくあります。まずは、契約時書類を確認し、保障内容を全て洗い出してみましょう」。家計フレンドリーで、ライフプランに合った必要な保障と保険料のバランスが取れているものを選び、家計の断捨離をしっかり行いましょう。

世帯年収約1000万円のリスミカ家を例に
家計の見直しをシミュレーション

豊かなものや、いいものにはお金を惜しまない世代だからこそ、優先順位を考えて、家計に緩急をつけて。

〈リスミカ家 プロフィール〉
世帯年収は約1000万で、小学校3年生の子供がいる3人家族。メーカー勤務の夫と派遣社員の妻は共にアラフォー。独身時代にしっかり貯蓄をしていたご夫婦は、互いの貯蓄を合算した頭金で、2009年に新築マンションを世田谷区に35年ローンで購入。昨年マイカーを国産車から輸入車のセダンに買い換え。現在の家計の悩みは想像以上に塾代や交際費など子供への出費がかさんでいること。これからの将来を見据えて、家族で貯蓄体質にしたいと切に願っています。この一家の家計を検討してみると…

家計簿を見直した結果、赤字家計から卒業
【見直し費目】

<毎月の生活費>
食費 8万円→▼4000円/店舗へ行ってから買うのではなく、冷蔵庫の中身を確認して、必要なものを購入するよう見直し
通信費 4万円→▼1万900円/子供のスマホを格安スマホへ変更および家族のスマホ使用料金(3台)と固定電話のプロバイダーの同一契約へ。有料チャンネルの解約
交際費5万円→▼1万円/一部をホームパーティへシフト
美容費 2万円→▼ 4000円/ネイリストの友人へ依頼
子供費5万円→▼ 4000円/必要に応じてあげていたお小遣いは月額制に変更
スポーツクラブ会費2万4000円→▼ 9000円/ご主人の法人会員契約のスポーツクラブへ見直し
生命保険・医療保険料3 万9000円→▼1万5000円/保障が重複しているものを解約し、不要な特約を外す

<ボーナスの生活費>
被服費(夫)20万円→▼5万円/手持ちの服を整理し、購入アイテムの重複を避けてムダなく買い物
旅行&レジャー45万円→▼10万円/旅行(国内・海外・日帰り)のハイシーズンを避け、会社の福利厚生や価格比較サイトなどを活用。
自動車保険 6万円→▼1万2000円/ディーラーで継続していたものから、ネット専用保険へシフト
資格年会費 3万7000円→▼2万7000円/活用していないチーズの資格とワインの資格の年会費をストップ

今までボーナスでどうにかカバーしていましたが、毎月-3万9200円の赤字家計があったリスミカ家。日常で使っていた無意識の出費と引き落としのため見逃していた無意識の出費を見直したことで、約40万円だった年間の貯蓄額が、当初の3倍である約120万円にもなりました。「奥さまが持っているチーズとワインの資格は活用しておらず、会費を支払う効果が見られないのでストップを検討。ご友人とのお付き合いについては、外食の一部をホームパーティにすることもアリですね。 引き落としのため意識していなかった通信費ですが、お子さまは格安SIMへ変更、プロバイダー、固定電話、スマホは1社で契約をして、ケーブルテレビなどご覧になっていない有料チャンネルは解約。保険は保障が重複しているものの見直しと一部の不要な特約を解約することで、各費目とも約3割減できます」。全てをスリム化しようとするとストレスに感じてしまい、長続きしません。どんなライフスタイルを送りたいのかをイメージし、優先順位をつけながらお金をかける費目と調整する費目を決めていくと、見直しはスムーズに行きます。また高額になってしまう旅行・レジャー費は、旅行へ行かないという選択ではなく、トップシーズンを避けるよう工夫するのもポイントです。

スリム化できても、すぐにご褒美ではなく
貯蓄してから賢く使うのが正解!

貯蓄することのご褒美は何かに使うことではなく、貯蓄額をアップして将来への安心も得ることです。

今までの赤字家計を見直したことで、新たに約90万円分が貯蓄に回ると、どうしてもご褒美を期待してしまいます。そこで、福島さんへどのようなアドバイスをしているのか伺ったところ、「基本的には、欲しいものがあれば増やしてから使うことをおすすめします」とのことでした。「しっかりと貯まっていないのにもかかわらず、プラス会計になったからといって、使ってしまうとなかなか貯まりません。もしモチベーションとしてご褒美が欲しいというのであれば、目標を上回った分だけを設定して、その端数をご褒美とするのが良いのではないでしょうか」。例えば、今回の例でいうと、見直し後の年間貯蓄額は約127万円。このうち、120万は継続して貯蓄して、端数をちょっとした贅沢に回すならよいとのこと。いずれにしても、「今の生活を維持しながら無理せず貯める」ことが今回のポイントなので、現在の生活に合った工夫をしながら、賢く楽しく貯め体質を手に入れてみてください。

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今回お話を伺って、私自身「待ち時間をつぶすために入ったカフェ」に入ることが少なくなりました。空き時間ができてしまうと、「お茶をする」のは日常だったのですが、3回に1回は特に仕事をするわけではなかったことに気づきました。一気に全てを変えることは難しいと思いますが、「このお金の使い方で効果が変わるのか」と意識することで、少しずつ家計に変化がもたらされたらいいですよね⁉  新年度が始まった今だからこそ、みなさんも一度意識改革をしてみてください。

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