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毎日の行動に落とし穴が。【眠りの質】を落とすNG行動って?

「睡眠の質の低下は美容の大敵でもあるんです」と語るのは、睡眠コンサルタントの友野なおさん。ご自身も、睡眠改善に取り組んだことによって身体の調子が整い、なんと15kgものダイエットに成功した経験があるそうです。「睡眠不足が肥満につながるというのは、コロンビア大学の研究グループの調査など、数々の研究結果から明らかになっています。睡眠が足りている人に比べて“食べたい”という欲求が強く、満腹というシグナル自体も弱めてしまい、ホルモンの影響からジャンクフードを求めてしまうんです」(友野さん・以下同)。睡眠の質が悪いとホルモンバランスや免疫力などさまざまな不具合のもとになり、体調不良につながることもあるので注意が必要なんだそう。眠りの質を向上させる手段は、いろいろありますが、手っ取り早いのは快適な睡眠を邪魔するNG行動を避けることです。

目次

NG! 就寝直前までスマホを見る

ブルーライトで脳が昼間と勘違いする

「寝る直前にスマホを見るのは、快適な眠りにとって一番の敵! スマホのブルーライトを浴びると、脳が“今は昼間だ”と勘違いしてしまいます。カリフォルニア大学で行われた研究によると、スマホの画面を見る時間が長くなると、睡眠の質は低下し、とりわけ、スマホを就寝間際まで使用しているときに睡眠が妨げられていたことが判明しました。できれば寝る1時間前から見ないように、難しければ30分前には手放しましょう。また、せっかくスマホを見ないようにしていても、寝室に入ってから目覚ましのアラーム設定をするだけでも影響があるのでご注意を。身体が睡眠モードに入っていくのを妨げないよう、アラームは帰りの電車の中で済ませるなど、時間を決めてあらかじめ設定しておきましょう」

NG! 寝室の照明をつけたまま寝る

睡眠ホルモンの分泌が減少してしまう

「日本人を対象にした研究で、就寝中のごくわずかな光でも肥満リスクを高めることが明らかになっています。まぶたを閉じていても光は感知できるため、睡眠ホルモンである「メラトニン」が減少し、眠りが浅くなる原因にもなります。就寝前からやや暗めの環境をつくり、いざ寝るときには真っ暗な状態にするのがよい睡眠への第一歩です。ただ、夜中にトイレに起きる人や、暗闇が怖くて緊張してしまう人は無理をしないように。光源が直接目に入らないよう、ベッドの下に暖色系の照明を置くだけでも穏やかに眠れるはずです」

NG! 部屋着と寝間着が一緒 

寝返りがしづらく、睡眠中のストレスに

「就寝時はパジャマの着用がマストです。ジャージやスウェットは本来外で運動するときに着る服。例えばスウェットは厚手の生地が使われているため、吸湿性が乏しいし、布団との間に摩擦がおこって寝返りがうちにくいもの。フード付きの服やモコモコした素材の女性らしい部屋着も同じく寝返りを妨げてしまいます。また、ワンピースタイプの部屋着は、スカートが脚にからまったり、めくれ上がって下半身を冷やすためNG。一方パジャマは寝床内の温度や湿度の安定、吸汗性や保湿性など、寝ているときの私たちの体を最適に保つために作られています。あくまで部屋着はお風呂に入るまで。入浴後はガウンや寝るために作られた服、パジャマに着替えましょう」

NG! 湯船につからずシャワーだけで済ませる

眠りを促す副交感神経が優位になりにくい

「入浴と快眠はセットです。シャワーだけで済ませると体がしっかりと温まりません。お風呂はリラックスして副交感神経を優位にし、安眠をもたらすのに効果的! ただし熱いお湯だと交感神経が高ぶってしまうので、38~40℃のぬるめのお湯につかるのがベスト。さらに入浴する時間にもご注意を。人間には体の中の熱が外に出ていくと眠くなるメカニズムなので、就寝する60分~90分前にお湯につかるとお風呂から上がって自然と熱を放出していくことで徐々に眠くなってくるんです。夏はついシャワーで済ませたくなりますが、快眠のためにはきちんと湯船につかる習慣をつけたほうがいいですね」

NG! 夕食後にお茶やコーヒーを飲む

覚醒効果は思っているよりも長時間続く

「寝る直前にエスプレッソを飲んでも爆睡できる人などもいますが、一般的には夕方以降のカフェインの摂取はおすすめできません。個人差はありますが、カフェインを飲むと30分ほどで効果が出始め、若い世代では3~4時間、高齢者ではさらに長時間覚醒効果が続くので、大切な夜の睡眠を妨害してしまいます。夕方以降に飲み物を口にするときは、ハーブティーや麦茶など、カフェインの含まれていないものを選ぶようにしてください。ちなみにカフェインというとコーヒーが代表的ですが、日本茶、紅茶、烏龍茶、栄養ドリンクなどにも含まれますので注意してくださいね」

NG! 夜遅くにコンビニに行く

睡眠につながるリズムが遮断される

「夜21時以降の体は体温が下がり始めて睡眠モードに向かいます。それなのにコンビニの明るすぎる照明を浴びてしまうと、脳は昼間と勘違いして覚醒方向へ。さらにコンビニは私たちにとって誘惑も多い場所。ついついおつまみやスイーツなどを買って帰りたくなりますよね。夜遅くに食べてしまうと、就寝後も胃が消化活動をするために働き続け、内臓が休めなくなることで睡眠の質が低下しがち。肥満の道へまっしぐらにならないためにも、誘惑の多い場所に行かないにこしたことはありません」

NG! 寝酒を習慣にしている

中途半端な時間に目を覚ましてしまう恐れが

「寝酒は総合的な睡眠の質を悪くします。飲酒した直後は血流がよくなり、ポカポカして眠くなるのですが、アルコールの血中濃度が下がる午前4時くらいにパッと起きてしまったり、利尿作用で夜中にお手洗いに起きるなど、朝まで継続的な睡眠を妨げることになりがち。アルコールは耐性と依存性があるため、寝酒をしないと眠れない身体になってしまっては大変! 寝酒ではなく楽しむためにお酒を飲む場合は量を控えめにして、就寝2時間前までに飲み終わることを心掛けて。そうすればアルコールの睡眠への影響は最小限で済みます」

NG! 遅い時間にジョギングをする

過度な運動は、心身を興奮状態に

「適度な運動はよい睡眠にとって重要ですが、時間にはご注意を。21時以降は体温が下がって体が寝る準備に入っているので、夜遅くにジムに行ったり、近所をジョギングして体温を上げてしまうのは逆効果。疲れたからすぐに眠れるかと思いきや、心身を興奮状態に導く交感神経が優位になってしまい、スムーズな入眠ができなくなるのです。運動するなら前日の睡眠はじめの時間から19時間前後(24時に眠りについたのならばば翌日19時前後)に30分程度がおすすめです」

この項目すべてに当てはまるという人もけっこう多いと思います。普段当たり前のようにやっていることばかりなので、なかなかすべてをやめることは難しいかもしれませんが、睡眠に悩みを感じているなら、できることからトライしてみてはいかがでしょうか?

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