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税理士が指摘「夫婦共働き、お互いの給料を正確に知らない」世帯はお金がたまりにくい

共働き世帯が7割まで増え、夫婦それぞれが仕事をしていると世帯収入はそれなりにあるはずですが、貯蓄がなかなか増えないと悩んでる人も多いようです。「夫婦それぞれが経済的に自立しているため、家計管理の仕方は昔とはずいぶん変わってきたように思えます。貯蓄が増やせないと愚痴をこぼすママ友世帯のほとんどは、自分の収入をそれぞれが管理する“夫婦別財布”で家計を営んでいる傾向にあります」(税理士 大久保なつきさん・以下同)。

夫婦別財布世帯が
浪費体質になりがちな理由とは?

そもそも、夫婦で収入をきちんと把握していないと起こりやすい問題は、

夫婦別財布にしていると、それぞれの財布しか見ていないため、家計全体の流れが把握できず、節約はしにくいんだとか。例えば、大久保さんが、ママ友たちから聞いた、こんなありがちなシーンも「お金がたまらない」結果につながります。

奥さんの誕生日にバラの花束を贈る

世帯全体のお金をお互いに把握していれば
お祝い事の予算も無理がなくなる

フルタイムで働きつつ、保育園の送り迎えなど子供の世話、家族の食事の支度や掃除をひとりで担当しているAさん。ローン、食費、光熱費、保育園代など家族でかかる費用は折半、余ったお金は各自が管理するというスタイル。そんな忙しい毎日を労うためか、Aさんの誕生日に旦那さまが大きなバラの花束を抱えて帰ってたそうです。「素敵な旦那さまですね! と言いたいところですが、旦那さまがお金を使えば家庭全体ではお金が減ります。収入をまとめて管理しておけば、世帯全体の家計状況を夫婦共に把握できるので、奥さまのほうから『今は節約したい時期だから、誕生日のお祝いは控えめでいい』などと伝えておくこともできます。お金を貯めるという目的があるなら、普段ワンオペで頑張っている奥さまの代わりにいつもより早く帰宅して、面倒な排水溝の掃除や換気扇掃除など家事を手伝うなんていうこともお金はかからないけれど嬉しいですよね?  夫婦別財布だと『誕生日だから奮発して…』と、お互いが余計なお金を使う機会が増えてしまいがちです」

夫婦各自で子供の学費をためていく

相手をあてにしてしまうので
目標額に届いていないということも

Cさんは自分の財布から食費や雑費などの変動費を。旦那さまは家賃や光熱費などの固定費を夫婦の共通口座に振り込み、残ったお金はそれぞれ自由に管理しています。お互いそれぞれの買い物や飲食代などお金の使い道も貯金額も知りません。翌年の春に二人いる子供の大学受験と高校受験が重なり、お互いに学費をためていくようにしていましたが、いざ入学が近づいて確認してみると夫婦それぞれがためていた貯金では足りずに、結局実家の両親を頼ることになってしまいました。「お互いの給料や貯金額を確認し合っていれば、子供の学費が足りなくなってしまうという最悪なケースは防げたと思います。男性は頼りがいがあるように見えても相談相手が少なく、お金のことに関してはひとりで悩んでいるケースも多いようです。夫婦同財布を採用するだけではなく、月に一度は家計や貯蓄額について話し合う時間を設けるなど、お金の相談をしやすい環境を作っておくことも、世帯の家計を安定させるために大切ですよ」

貯蓄をしやすいのは「夫婦同財布」ですが
夫婦で役割を振り分けることも大切

毎月の世帯収入や支出を俯瞰して把握でき、何を節約するべきか、いくらなら貯蓄に回せるのかなど夫婦で共有して考えやすいのは断然「夫婦同財布」のようです。ただ、夫婦同財布にすると夫と自分の収入が合わさって、一瞬高収入になった錯覚に陥り、財布のひもが緩みがちに。ここで大事なのが、「財布の中身を把握している人=お金を管理する人」と「財布のひもを絞る人=使用を決定する人」にけて二人共が家計に関わることです。「我が家では家計簿に近い記録を夫がつけ、何か購入する際の決定権は私にあります。例えば夫から『今月は外食費が多かったね』と言われれば、お金の使用を決める私は、来月は外食を控えめにしようとなります。夫に『今日は出前館にしよう!』と提案されたときも『外食費が多いんじゃないの?』とけん制ができます。そうやってお互いがブレーキ役になれば家計の節約につながりますよ」。ちなみに仕事で毎日のように成果を評価されている男性のほうが管理に向いているそう。実際にエクセルで家計を管理している大久保さんの旦那さまは、自らが設定した貯蓄額=成果に向かって猪突猛進中なんだとか。「夫は常に預貯金残高を把握しているので、来月末にはそれを必ず増やしたいと思うようで、もはや貯蓄が楽しみになり、使いたがらなくなりました(笑)」

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夫婦同財布の導入にあたって旦那さまからの抵抗がある場合には、頑張って節約して貯蓄額が増えたら、そのうちの何パーセントをご褒美成果給として支払うという提案するのがいいとのこと。気がついたらお金がないという状況になる前に、夫婦二人で管理する資金を増やして、何事も風通しのいい関係を作り上げてくださいね!

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