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「寝相が悪い」ほうが体にいい? 睡眠時に大切な寝返り

よく「私は寝相が良いので寝ている間は動かないです!」と言われる方がいます。寝相がいいことは、行儀がいいようなイメージがありますが、逆にあまりにも寝相が良いことは、必ずしも体にいいわけではないそう。寝返りの必要性について、一般社団法人睡眠body協会代表で理学療法士の矢間あやさんが解説します。

目次

快適な睡眠を得るためには
いかに「寝返りがうてるか」が大切

ひと言で「寝返り」と言っても、さまざまな動きをしています。下半身から寝返る動き、上半身から寝返る動き、体を伸ばして寝返る動き方など、動作の視点から見ても寝返りは、とても複雑な動作の組み合わせが行われています。この動きによって、人は、睡眠中に同じ体の部位が圧迫され続けるのを防いだり、体温を調節したり、寝床内の温度を保ったり、熱や水分の発散を調節しているのです。さらに、最近では、寝返りが睡眠中の浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を切り替えるスイッチの役割があると言われています。

寝返りがスムーズに行えないと

寝ていても疲れがすっきりとれない
熟睡した気がしない
朝起きたら体が痛い

こうした症状の原因に。睡眠というと、ふとんや枕、夜の行動に注目が集まりやすいですが、実は、快眠のためには、眠っている間の動作=寝返りはとても重要なことなのです。

こんな人は寝返りが苦手⁉

長時間、同じ姿勢で仕事をしている
肩こり、腰痛がひどい
猫背、姿勢が悪い

日頃から体を動かさない、一日中同じ姿勢で仕事をしている人は、筋肉が凝り固まり、体の動かせる可動域(動く範囲)が狭くなっていることが多く、寝返りがうちにくくなっている可能性があります。また、肩こり、腰痛などがある人も、痛みや不調のある周辺の筋肉が硬くなっていて、本来必要な寝返りの動きが十分に行えないことが多く、注意が必要ですさらに、姿勢が悪い人も要注意。姿勢が悪いということは、本来動かさなければならない筋肉が正しく動いていなくて、動かさなくてもいい筋肉を動かしている場合が多いからです。姿勢の悪さは、体の動かせる可動域(動く範囲)を狭めます。

快眠のためには「眠れる体」に
整えることがとても重要

では、寝返りができる体を作るにいはどうしたら良いのでしょうか。それはずばり、体を動かすことです。こう言うと、いきなり激しい運動を始める方がいますが、この場合、「体を動かす」とは、激しい運動をすることではありません。「運動」と言っても大きくわけて2つの考え方があります。「コンディショニング」と「トレーニング」と言う考え方です。

正しく動けるようになるためには、いきなりトレーニングを行う前に、体の調子を整える運動が必要なのです。ではどんな運動をおこなうのが良いのでしょうか。

まず、コンディショニングするべきは
肋骨から骨盤まで

私たちのおなか周りは肋骨から骨盤までは、背骨でしか体は支えられていません。この骨に覆われていない部分、特に体の奥の筋肉を私は「天然のコルセット」部分と呼んでいます。
このコルセットになる部分が安定して動くことが、寝返りには大切です。また、腕(手)や脚がきちんと動くためには、股関節と肩甲骨の動きが大変重要になってきますが、おなかの奥のコルセットになる部分が安定することで、体の動きが安定し、股関節や肩甲骨の動きにもつながってきます。今回はおなかの奥のコルセットになる部分のエクササイズと肩甲骨のストレッチをご紹介します。

おなかの奥のコルセットのエクササイズ

仰向けになり膝を立てます。おへそを挟んで手を上下に置きます。ゆっくり息を吸いながら下の手のおなか(下腹部)を膨らませます。そして、ゆっくり下の手が床に近づくようにお腹をへこませます。始めはおなかを膨らませるところから少しずつスタートし、吸う、吐くが1回できたらお休みしましょう。慣れてきたら、吸う:吐くを1:2の割合でゆっくり連続で行ってみてください。

肩甲骨のストレッチ


肩に手を乗せます。肘を前⇒上⇒後ろ⇒下⇒前の順番に肘で大きな円を描くようにゆっくり動かしていきます。何回も行うより、1回でかまいませんのでしっかり前上後下と動かしていきましょう。うまくできると肩甲骨周りや肩がポカポカしてくると思います。

コンディショニングとしての運動を継続させるポイントは、日常生活のなかに組み込むことです。エクササイズのために特別に時間を作り、数回やるよりも、例えば、横になったときに呼吸を1回やる。トイレに行った後に必ず1回肩のストレッチを行うなど1日を通して数回できるほうが継続もしやすく、また効果的です。

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たかが寝返り。されど寝返りです。枕やベッドを買い替えるよりも、きちんと寝返りができるようになるだけで、よく眠れるようになるかもしれませんよ。

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