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【白金台「雨晴」の主人に聞く和の器選び】マットな質感がみそ汁の根菜を引き立てる漆の椀

「木漆工とけし」クスノキ汁椀4.2寸(φ12.5×H70㎝)¥10,800、椿皿(φ13×H3.3㎝)¥7,560、センダン角盆 尺1寸スズ(W33.5×D33.5×H2㎝)¥30,240(全て税込)

大根や里芋、ごぼうにサツマ芋。1年で最も根菜がおいしい季節。夏に旬を迎える野菜よりも水分が少なく、体を冷やさないとも言われていますが、ミネラルやビタミンも豊富で血行をよくしたり、免疫力も高めてくれる効果があると言われています。炊き込みごはんに煮物、天ぷらとさまざまな料理で使われるおなじみの食材ですが、定番はやっぱりみそ汁。寒くなると、毎日食べたくなる献立です。今回はそんな根菜たっぷりのみそ汁をさらにおいしくいただけるお椀をご紹介します。

よりモダンな印象を与えるマットな質感と
柔らかな口当たりが汁椀として最適

手にしたときの軽さや柔らかな質感、口当たりも魅力。毎日のみそ汁のレパートリーを考えるもの楽しくなるお椀です。

「漆器と聞くと特別な器をイメージする方もいるかと思いますが、実は昔から日常の器として親しまれてきたものです。どんな料理にも使える基本の器なので、揃えておくととても便利です」(雨晴主人 金子憲一さん 以下同)。
今回、おすすめしてくれたのは、沖縄の「木漆工とけし」のお椀。
「漆は木の器をより強く、より使いやすくするために塗られているもので、想像以上に丈夫で手入れも簡単なのが漆器の魅力です。温かいものを注いでも器自体が熱くなることがなく、温もりを感じながら食事ができますし、漆が塗られたことで口当たりもとてもよく、まさにみそ汁にはぴったりの器です。木漆工とけしのお椀の魅力のひとつは木目を生かしつつしっかりと漆を塗ったマットな質感。つるつるとして光沢のあるお椀もいいですが、漆器の魅力はそのままに、より日常的に使えるモダンな表情に仕上げられています。例えばサツマ芋のみそ汁を注いでみれば、根菜の美しい色をより引き立て食欲もそそります」

毎日大切に使うことでいい器に育つ
普段のみそ汁からハレの日にも似合う器

漆器特有の凛とした佇まいはそのままに、木目が生かされていることで温もりを感じさせる表情に。漆の質感は使い込むごとに雰囲気がさらに増してくるそう。

木地師である渡慶次弘幸さんと塗師である愛さん夫妻による木漆工とけしは“漆器を日常使いしてほしい”という思いが詰まっています。
「漆の器ができあがるまでには二つの技術が必要です。ひとつが器の形となる木地にまでに仕上げる木地師の技。そして器に漆を塗る塗師の仕事です。木漆工とけしは、弘幸さんがセンダンやデイゴといった沖縄の木を用いて木地を製作し、愛さんが塗り重ね、木目を生かした器を完成させています。当初は長年仕事をされていた輪島から木材を取り寄せていましたが、次第に沖縄の木に注目するように。扱いにくいとも言われる沖縄の木を、弘幸さんはその木を見て何を作るかを考え、良さを引き出す器に仕上げています。そこに愛さんが漆を塗るのですが、その表情を生かした塗りがまたいい。使い込むことで徐々につやが増し、雰囲気が出てきます。漆器は、毎日使うことが最良のお手入れ。日常の食卓からハレの日にも活躍する漆器は、一生ものとして、ぜひ揃えてほしいですね」

みそ汁用として活躍する汁椀は3.8寸(直径11.4㎝)、4寸(直径約12㎝)、4.2寸(直径約12.5㎝)、そして直径約14.5㎝の大椀の4種類から選ぶことができます。色は黒、赤、内側が赤の黒の3種類。どれも日常からハレの日にも活躍してくれます。

将来に残る琉球漆器を作るのが夢
木地師と塗師、二人三脚で作る漆器

沖縄出身のお二人は、沖縄県工芸指導所輪島で学んだ後、石川県輪島市で技術を磨きました。
「弘幸さんは桐本木工所に弟子入りし、愛さんは福田敏雄氏に師事し、その後福田敏雄氏、赤木明登氏の両工房にて勤めています。新しい輪島の漆を作ろうという方々のもとで技術を身につけられました。実は沖縄には漆の木がないのに古くから琉球漆器があり、将来に残る琉球漆器を作るのがお二人の目標だそうです。常に素材と向き合い製作されている、その自然との真摯な向き合い方が作品に現れています」

毎日の食卓に映えるモダンで温もりのある佇まい。その一方で手仕事の美しさが際立ちハレの日にも使いたくなる凛とした表情の木漆工とけしの漆器。まずはこの季節ならではの根菜たっぷりのおみそ汁を楽しんで、正月にはお雑煮を盛り付けてみるのはいかがですか?

(撮影/大場千里)

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