「冷凍食品だからといって特別に何かを加えているとか、特別な処理をしているという考えを捨てていただきたい」と話すのは、冷凍食品のスペシャリストで通称”冷食おばさん”こと、山本純子さん。「冷凍食品は基本的には食品を凍らせただけのもの。保存料などの添加物を入れているわけではなく、下処理して加熱後に急速凍結してあるだけなんです。むしろ葉もの野菜は、生野菜より栄養価が高いこともあるんですよ。価格も一定なので、特に端境期の野菜はは冷凍を活用するのがおすすめです」
冷凍野菜のポイントをまとめると…
●旬の時期に収穫し冷凍しているから年間を通して栄養価が高い
「旬の時期が最も安くたくさん収穫できるので、冷凍食品メーカーもその時期に集中して冷凍野菜を製造食品に加工します。例えばホウレンソウの場合、ビタミンC量が低下する夏場に収穫された生のホウレンソウよりも、旬の冬に加工された冷凍ホウレンソウのほうがビタミンCの値が高いというデータも出ています。しかも採れたての新鮮なものを1日とあけずに冷凍しているので、同じ時期でも収穫されスーパーに並ぶまで数日かかっているものよりも栄養がそのまま残っているとも言えますね」
●ゆでて凍結しているからサッと加熱でOK
「冷凍野菜は緑が濃い!ゆえに、着色料を使っていると疑う人がいますがそれは間違い。緑が濃いのはゆでてから凍結しているから。「ブランチング」という下ゆで作業なのですが、この下ゆでを知らず調理の失敗をしている方が多いと思います。「自然解凍で食べられる」と書いてある冷凍野菜以外、冷凍野菜は8割方火が通っていると考えてOKです。サッと加熱を心がけてくださいね。ちなみにそれでもまだ何か加工しているのではと疑う人は、冷凍野菜のパッケージ裏面を見てみてください。ホウレンソウならホウレンソウ、ブロッコリーならブロッコリーとしか表示されていません。何か加工物などが入っているなら、きちんと表示しないといけませんからね」
目次
買うべき冷凍野菜その①
『ニチレイフーズ』 そのまま使える高原育ちのブロッコリー
「商品名にあるように、冷凍前にボイルし、一口サイズにカットしてあるので解凍後はそのままサラダの付け合せにしたり、シチューに投入したりと使い勝手◎。使われているのは、標高3000mのエクアドルの高原で栽培した、陽光をたっぷり受けて育ったブロッコリーです。標高が高いと害虫リスクが低く、非常に良い環境だと聞いています。もちろん、ブロッコリーの最旬に収穫したものを使っているので、うま味も栄養も凝縮されていますよ!」
買うべき冷凍野菜その②
『マルハニチロ』おひたしサイズほうれん草
「まとめて冷凍されていると、使いたいときに大きなブロックのまま取り分けられず悪戦苦闘しがち。これはおひたしサイズにカットされ、小分けにされているのでとにかく使いやすいんです。おひたしはもちろん、おみそ汁に入れたりソテーしたりと活用の幅は広い。お弁当にも便利ですよ」
買うべき冷凍野菜その③
『ニッスイ』の宮崎県小松菜
「冷凍野菜はゆでてから冷凍してあるものがほとんどですが、そのゆでる水にまでこだわったのが、この小松菜。産地の明記は必須ですが、どこの水を使ってゆでているかまできちんと記してあるので付加価値が高い製品と言えます。電子レンジの他、自然解凍でもOKなロングブランチングの商品。加熱しすぎてベチャベチャにはしたくないですね!おひたしや和え物にしたい場合には特におすすめです」
買うべき冷凍野菜その④
『ニッスイ』のきざみオクラ
「これからの時期食卓で活躍するのがオクラ。ネバネバを食べると元気が出ます! 『きざみおくら』は、冷凍野菜のいいところ満載の商品です。まずは、急速凍結で、風味もネバネバもそのまま。なおかつあらかじめ刻んであるので、包丁やまな板を汚さない。好みの量をすぐに使えます。納豆との相性は抜群ですよ。他にもみそ汁の具や煮物のトッピング、おひたしに。食感も良く、サラダや冷やしうどんなどにも良く合います」
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私も冷凍食品に悪いイメージを抱いていた1人でしたが、山本さんのお話を伺い、正直目からウロコでした。購入時期によっては生野菜を買うより家計にも優しいかもしれない事実も分かり、使い勝手も味も申し分ないとあれば活用しない手はありませんね。