ハンバーグは、ひき肉と玉ネギのみじん切りをつなぎなどと一緒に混ぜてフライパンで焼くと、工程はいたって単純。「作り方がシンプルだからこそ、タネを混ぜる、フライパンで焼くなどそれぞれの工程を、ポイントを外さずに丁寧に行えば、ふんわりとジューシーなハンバーグはご家庭の調理環境でも実現できます。具体的なポイントは、ひき肉の割合、混ぜ方、焼き目をつけるという3つの段取りと3通りの仕上げ焼きです」(山本のハンバーグ 吉祥寺店・マネージャー山﨑智昭さん 以下同)
目次
シンプルな料理だからこそ、
この3工程を取り入れることで
ハンバーグは格段においしくなる!
★★★ ポイント① ★★★
おすすめ合挽きは牛6割、豚3割。これに
牛脂を1割混ぜるのがジューシー仕上げのコツ
ハンバーグの要とも言えるのがひき肉。合挽き肉を使う方が多いと思いますが、牛・豚の割合と牛脂を加えるとジューシーさが格段に上がるのだとか。「ひき肉自体はスーパーに売られているもので全然OKです。ただひとつこだわるならばその割合を牛6割、豚3割にしてみてください。脂身のバランス、残りの1割には牛脂を細かく刻んだものを入れてみてください。意識的に油をプラスすることで格段にジューシーさがアップするんです」
★★★ ポイント② ★★★
ひき肉は粘り気が出るまでしっかり混ぜる。
その際、手は冷やしておくことが大切
一般家庭のハンバーグが、硬いとかジューシーさに欠けるといった大きな要因は、ひき肉と玉ネギを混ぜる工程で、圧倒的に混ぜ足りていないことが考えられます。「ひき肉の中に玉ネギが満遍なく混ざればOKと思いがちですが、ふわっとジューシーに仕上げるためにはタネ全体に粘り気が出るぐらいまで混ぜましょう。粘り気が出るまで混ぜることで、ひき肉同士がしっかり合わさりふわっとした焼き上がりにつながります。 その際注意したいのが温度の変化。玉ネギを炒めてから混ぜる方もいらっしゃると思いますが、フライパンから直接ひき肉のボウルに入れていたりしませんか? それはもったいないです! 肉に余計な熱を与えると油が浮き出てしまいジューシーさが欠ける要因になります。肉は思っている以上に繊細なので、実は混ぜる手の温度も影響するんです。だから混ぜる際は氷水で手を冷やしてからを意識してみてください。炒めた玉ネギを入れる際も、できるなら冷蔵庫で冷ましてから入れるほうがおいしさはキープできますよ」
★★★ ポイント③ ★★★
片面5分が目安。ハンバーグの
表面に焼き目をしっかりつけることで
うま味を閉じ込める
ハンバーグを焼く工程は、しっかり中まで火を通すために焼きすぎてしまったり、逆に周りは焦げてるのに中は半生などトラブル続出ポイント。そもそもフライパンで一度に焼いて仕上げようというのが間違い。「おいしく焼き上げるためには2段階工程を踏んでほしいです。まず1段階めがフライパンで両面にしっかり焼き目をつけること。中火で片面5分程度焼き、写真のようにハンバーグの表面を固めるようにしっかり火を入れます。ご家庭だと焼けたかな?と頻繁に裏返したり触ってしまいがちですが、いったんフライパンに入れたらじっと待機。5分を目安にひっくり返して焼いてください。そして2段階めに移ります」
おいしさのコツは2度に分けて焼くこと。
おすすめ仕上げ焼きは3種類
1段階めの、両面を中火で10分焼いただけだと、中は赤みが残った状態です。2段階めの工程でうま味を逃さずにふんわり仕上げていきます。「ご家庭でできるおすすめの仕上げ方法は3つです。どれもひと手間挟みますが、格段にジューシーさは増すのでお試しください」
- 仕上げ焼き① :オーブンで焼く~250℃のオーブンで片面3分程、全体で7、8分焼く。
- 仕上げ焼き②:ワインで蒸し焼き~1段階めで焼いたフライパンに赤ワインを少し入れてふたを。弱火〜中火で7、8分蒸らす。
- 仕上げ焼き③:湯煎にかける~ジップロックなどにハンバーグを入れ沸騰したお湯に浸す。ふたをして15分待つ。
こんなふうにして、ふっくらジューシーなハンバーグは完成します。オーブンで焼くバージョンを実際に見させてもらいましたが、火にかけたら余計な手は出さずにじっと待つのもポイントだなと私は感じました。
主婦歴20年が山本流に挑戦。
想像以上にうまくいって感激!
湯煎仕上げに挑戦!
料理は得意なほうで、ハンバーグは今までなんども作ってきた定番レシピ。ですが、硬くなることもあり「もう一声!」な出来栄えだったので、山本流の牛脂を混ぜる、仕上げは2段階などの方法は目からウロコの情報で我が家のハンバーグもブラッシュアップできるかもと期待。オーブン焼きやワイン蒸しはやったことがあったので、今回は湯煎にトライしてみました。鍋にお湯を沸かすという手間はあるものの、洗い物が増えるわけでもなく、ジップロックに入れて鍋に移すだけなのでとても楽ちんでした。
出た肉汁もソースに使いました
15分湯煎にかけて取り出したのがこちら。出た肉汁は1段階めで焼いたフライパンに戻してソースを作りました。実際に子供たちに食べてもらいましたが、今までのハンバーグはなんだったのかというぐらい肉感が口いっぱいに広がりつつも、ジューシーで柔らかいと大絶賛。私も今まで柔らかくするためにつなぎを工夫したり、あれこれ手間をかけていましたが、牛脂を1割加えて、混ぜ方、焼き方を意識するだけでこんなにもふわっと仕上がるなんてと大感動でした。これからは我が家のハンバーグは山本流で行こう!そう決意しました。
完成!
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自宅ではおいしいハンバーグは作れないと諦めている人、ぜひ一度山本流を試してみてください。あれ、レストランのハンバーグ?と錯覚するぐらいジューシーでふんわりおいしく仕上がりますよ!