毎日の料理に欠かせないフライパン。そろそろ買い替えようかなと思いつつも、何を基準に選ぶのかも決まりません(笑)。ここは、プロの料理人も足を運ぶ合羽橋の専門店に聞いてみようと思い立ち、創業111年の老舗料理道具の店「釜浅商店」の扉を叩いてみることにしました!
フライパンといっても、アルミ、鉄、銅、ステンレスなど素材はさまざま。最近では焦げにくくするためにテフロン加工やフッ素加工、〇層構造など、オプションもバラエティに富んでますよね。でも、これらのフライパンにそれほどの優劣があるのか、常々疑問に思っていました。古くから料理道具を扱い販売している釜浅商店の広報、百合岡さんに聞いてみたところ、「素材の違いによって適する料理や使い勝手は多少変わりますが、基本的に今世の中に出ているフライパンでこれが特別にいいとか、このフライパンはダメというのはありません。ご自身の使いやすさで選ぶのでOKです。ただ、最近世の中のトレンドとしていいものを長く愛するという風潮がありますよね。そのムードはうちに来店くださるお客さまにも感じます。一昔前までは焦げつきにくいフッ素加工がしてあったり、軽いものが好まれましたが、最近は料理人が使うようなものを手入れしながら自分色にしていく…という方も増えたように思います」
目次
プロ仕様のフライパンを扱う
釜浅商店に聞いた
「大切に長く使ってほしい」3枚
1.『KOINU』の
セラミックコーティングフライパン
スーパーセラミックコーディングで
プロユースながら使い勝手も抜群です
「ハードユースに耐えうる耐久性とシンプルでインテリアの雰囲気も壊さないスタイリッシュなデザインが揃う『KOINU』はプロの料理人にも愛用者が多い厨房製品ブランドです。ステンレス加工が世界的に知られる燕三条で作られるこのフライパンは、凹凸のあるセラミックコーティングがされていることで食材がくっつきにくく調理がしやすいんです。また、凹凸があるおかげで油が1カ所にたまらないためフライパンの表面がべたつかないのも特徴。熱の回りもよく、少量の油でOKなので時短で調理を済ませたいときや油を控えた調理におすすめです」
2.『ウルシヤマ金属工業』の
クワトロIHフライパン
テフロン加工&4層構造で多くの料理を
カバーするオールラウンダー的使いやすさ
「鉄製のフライパンは錆びさせてしまいそうで心配という方は気軽に使えるテフロン加工のフライパンを選ぶというのも手です。なかでもウルシヤマ金属工業さんのクワトロIHフライパンは、蓄熱性の高いステンレスと熱伝導性の優れたアルミニウムの4層構造でできているので熱回りがよく、でも取っ手は熱くなりにくいので初心者にも安心です。ガスはもちろん、ほとんどのIHコンロでも使えることも人気の理由。テフロン加工のフライパンはテフロン加工の劣化による買い替えが必要にはなりますが、高温調理や空焼きをしない、急冷却をしないなど、気をつけると長持ちしますよ」
3.『釜浅商店』のオリジナル鉄製フライパン
手入れは多少必要だけどこれぞプロ仕様!
使うたびに味が出て愛着も湧いてきます
「現代のキッチンシステム事情やお客さまの声を反映した鉄製フライパンをオリジナルで出したところ好評いただいています。鉄は高温調理に最適なので、野菜炒めや肉を焼くなどいわゆる家庭料理作りに向いています。鉄はさびが大敵なのでそれなりの手入れと手間がかかりますが、それが最近の、“ひとつのものを長く使う”というムーブメントにマッチしているようです。ちなみに鉄製フライパンは使う際はしっかり油を敷いてなじませ、使い終わったら洗剤なしで洗いきちんと乾かすことが絶対。使い込むほどに味が出てくるのは、鉄製ならではの魅力だと思います」
〈フライパン番外編〉
卵焼き器は『丸新銅器』が
ムラなく焼けておすすめ!
毎日のお弁当作りがマストの筆者。何十年と作り続けている卵焼きですが、いまだに失敗することも。上手にできる卵焼き器があるなら知りたい!と百合岡さんに相談。「卵焼きは熱のムラが味ブレにつながるので、それが起こりにくい材質であることが大切です。それをクリアにしてくれるのが熱伝導のいい銅製。丸新銅器の卵焼き器は均一に熱が広がりふっくらとした卵焼きができるんです。使い込んでいくと銅の部分が黒ずんできますが、性能に変わりはないのでご安心を。銅製のものは基本的に洗剤は使わずお湯で洗うか、キッチンペーパーで拭くだけでOKです。どんどん使って油をなじませて行くとより使い勝手が良くなりますよ」
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手入れの手間はかかるけど、その時間すらも楽しめる鉄製か、お洒落な見た目や機能性も加味して選ぶか、自身のライフスタイルに合わせて「長く愛せる良品」を見つけてくださいね!
取材したのはこちら
明治41年創業の合羽橋を代表する料理道具店。釜、包丁、南部鉄器、フライパンなどプロの料理人からも愛される質の良い料理道具が揃う。2018年にはパリのサンジェルマンに初の海外出店も果たし、日本の精巧な技術を世界に広めている。
東京都台東区松が谷2-24-1
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