部屋を広く見せるなら「観葉植物を床に置く」のはNG!?

リラックスできる部屋作りに、観葉植物は大切な要素ですが、いざ取り入れるとなると、圧迫感があったり部屋が狭く感じるかもしれないと不安になることも。そんな心配を、これまでのインテリアコーディネートの経験でしっかり解決します。端的にまとめると、それは「床に置かない」こと。

観葉植物は空間に居心地よさを演出しますが、置き場所に悩むことがあると思います。広く見せたいときや狭い部屋の場合、植物を床置きしてしまうと圧迫感が出てしまうので、床面積を使わないのが鉄則です。私がよくお客さまに提案するのは、以下の4項目。

  1. 窓枠部分などのニッチ
  2. 棚やテーブルのデッドスペース
  3. 天井からつるす
  4. 壁面を利用する

目線の先にフレッシュなグリーンがあると癒やし効果も得られますし、葉が風に揺らぐことで空間に動きも生まれます。各スペース別におすすめの観葉植物とその飾り方を紹介します。

目次

窓枠から床に垂れるつる系植物が
視覚的広さと癒やしを空間にプラス

階段脇の窓枠に、ハート形の葉が特徴の「ハートカズラ」を。窓枠から床下に垂れ下がる葉の縦ラインを効果で、高さや広さが強調されて感じられます。

窓枠の幅で置ける観葉植物は限られてきますが、部屋の雰囲気がワンランクアップするので有効活用したいところ。キッチンにはミントやイタリアンパセリなどのハーブ系を、洗面所にはアイビーやポトス、シュガーパインなどのつる系植物を設置すれば、窓から差し込む光の演出もあって爽やかな空間に仕上がります。植物を設置するときは、直射日光がよく入る窓辺なら葉焼けに注意。また、窓周りにカーテンやブラインドなど設置してある場合は、鉢が邪魔になるのでその辺りも考慮してください。

棚やテーブルに置くときは、複数の植物を
置いたり、小物を合わせて高低差をつけて

冷蔵庫の隣にある棚の上にパキラなどの観葉植物とスピーカーを絡めて設置。観葉植物のグリーンが入ることで家電製品の無機質な雰囲気がぐっと柔らかな空気感になりました。

キッチンカウンターやテレビボードなど棚の上を活用する場合は、種類や高さが異なる植物を複数置くと空間に立体感&リズムが生まれ、和やかな雰囲気にまとまります。小物を合わせるときは、鉢の色や素材を考慮したフォトフレームや花器、置物、数冊重ねた洋書がいいと思います。棚上は植物の土が丸見えになってしまう場合があるので、直接見えないように、ウッドチップやココヤシファイバーで目隠ししたり、クロッカスやヒヤシンスなどの水耕栽培を選ぶと良いでしょう。私はアイビーの水耕栽培をしていますが、アイビーの茎を一部分切って、好きな花器に葉とカットした茎部分を水に浸すだけでとても簡単に雰囲気作りができるのでおすすめですよ。

デッドスペースになりがちな
リビングのコーナーには
つり下げタイプの植物が広がりを加えます

リビングコーナーの天井から観葉植物をつるすと、視線を上方向に向かせることができるので、空間に奥行きが出て広がりが感じられます。

我が家でもリビングダイニングのコーナー天井にフックを取り付けて、鉄製のハンキングポットをつるしています。立ったときに視界にグリーンが入ってくるので、ハンキングポットの高さに合わせてアートを飾ったりすると、とてもお洒落な空間を演出してくれます。ただし、あまり高い位置に取り付けをしてしまうと水やりが大変なので、設置する観葉植物は、乾燥に強めなタイプのぺぺロミア、アイビー、パキラ等にするか、水やりしやすい高さに設置するようにしましょう。

壁面をデコレーションできる
こんなフレームタイプもおすすめ!

写真右が、先日お客さまに提案した、壁面設置型のフレームに植物をセットして飾るピアンタスタンツァの「マイギャラリー」。

壁面を有効スペースとして活用できる、木製フレームに観葉植物が埋め込まれたウォールデコレーショングッズがいろいろなメーカーから販売されているので、それを使うのも手。特に無印良品から販売されている「壁にかけられる観葉植物」シリーズは人気だと聞いています。このタイプはフレームのデザインや大きさ、中に入れる観葉植物によってもリビングの雰囲気が変わります。例えばすっきりしたホテルライクな部屋にするなら、ウォルナット材やブラックのフレームに、濃いグリーンのガジュマルやシダ系がおすすめです。ただし、大きなものになるとしっかりと壁面に取り付けを行わないと落下原因となるのでご注意を。

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床置きせずに飾れるお手入れが簡単な観賞植物を置くことで、空間が柔らかくなり和やかな雰囲気に仕上がります。鉢の色や素材をリビングの雰囲気に合わせることで空間全体に統一感が出てくるので、鉢や鉢カバーにもこだわってみるのもいいですね。ストレスなく空間を楽しむことのできる、観葉植物の飾り方、参考にしていただけると嬉しいです。