おうち時間が増えたことで、LDKの中心とも言えるダイニングテーブルは、15〜30万円の“ちょっといいクラス”が人気だそう。インテリア的にも価格的にも存在感が大きなダイニングテーブルの選び方をインテリアスタイリストの窪川勝哉さんに教えてもらいました。
ダイニングテーブルは、一度買うとなかなか買い替えない家具ですが、在宅時間が増えたコロナ禍の今、家族が集まる食卓を改めて見直すという家庭も増えているようです。インテリアスタイリストの窪川勝哉さんいわく、おさえるべきポイントは2点。
- 15万円〜30万円クラスのものを選ぶ~当たり前ですが、素材や加工も量販店で売られている安価な合板ものよりはグレードがはるかに上がります。ダイニングテーブルは家具のなかでも消耗しにくいですが、このクラスなら確実に一生ものとして長く使えるクオリティです。もしライフスタイルの変化で買い替えが必要になっても、ブランドやデザイナーの知名度が確立しているモデルなら、ネットオークションなどで高値でのリセールも期待でき、結局はリーズナブルだったりもするんです。
- 曲線のデザインを選ぶ~家具は気をつけていないと直線のものばかりになってしまって、いつのまにか部屋中がカクカクした堅い雰囲気になってしまいがち。見た目の印象だけでなく、曲線のテーブルはコミュニケーションもとりやすいんです。というのも、四角いテーブルは対面の人とは話しやすいけど、真横の人とは顔が向き合わないから話しにくいんですよね。曲線のテーブルは自然と体の角度が傾くし、イスのセッティングも自由になるから、横の人の顔も見えやすいくなります。
これら二つのポイントを網羅した窪川さんおすすめダイニングテーブルを紹介します。
★★★ カール・ハンセン&サン ★★★
CH337
「住宅のトーンを選ばない秀逸デザイン。
中央の天板で雰囲気を変えられる楽しさは
長く飽きずに使えます」
「デンマークのミッドセンチュリーを代表する巨匠デザイナー、ハンスJ.ウェグナーがデザインした傑作で、楕円を生かしたフォルムが美しく北欧らしさがよく出ています。天板の中央部は別売りオプションのエクステンションで伸ばせるので、大人数が集まったときにも対応できます。このエクステンションは単なるオーク材のナチュラル系だけではなく、モルタル系の変わった色もあるんですが、温かみのある柔らかなトーンなので、最近流行のリノベ住宅によくあるモルタル壁にもマッチすると思います」
★★★ フリッツ・ハンセン ★★★
アナログテーブル
「丸でも四角でもない有機的なフォルムと
内向き設計の脚で
家族が自然と顔を合わせられる空間に」
・公式サイトでチェック
「19世紀から続くデンマークの老舗ブランド。これは真四角でも円型でもない絶妙なフォルムですよね。バランスが非常によく計算されているので、当たり前の四角いダイニングテーブルを置くよりも空間にアクセントをつけられます。サイズ展開が豊富でダイニングの広さに応じて選べるのもポイントです。あと脚が内向きに配置されているんですが、これによってイスが自然と中央を向くようになっているんですよ。全員が真ん中を向くのでコミュニケーションが取りやすくなる。まさにコロナ時代にうってつけのテーブルだと思います」
★★★ E&Y ★★★
ペガサスラウンドテーブル
「狭いダイニングにも圧迫感なく置ける。
ガラストップの天板が空間の広がりを演出」
「ガラストップのテーブルは汚れやすいと敬遠する人も多いかもしれませんが、空間の抜けが良くなるので、狭いダイニングに置いても圧迫感が薄れるという利点があります。ダイニング自体はそれほど広くないけど、テーブルはある程度の大きさがほしいという人はこちらのような丸テーブルを候補にしてみてもいいんじゃないでしょうか。コンパクトですが、直径が1mあるので4人掛けと想定しても窮屈感はありません。脚の曲線もきれいなカーブを描いていて、それがガラスの天板によって際立ち映えるので、インテリアに今までなかったユニークなラインが生まれると思います」
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直線的なダイニングテーブルに慣れていると、曲線のテーブルを使うのには勇気がいるかもしれませんが、実際は使いやすいだけでなく、見た目にも美しいとポジティブな意見が多いそう。これから寒くななり、ますますおうち時間が増える今のタイミングに買い替えを検討してみては?
取材したのはこちら
インテリア&プロップスタイリストとして家具、クラフト、家電まで幅広い知識とセンスを生かし雑誌を始め、イベント時のコーディネートやマンションのモデルルームのなど多くの空間スタイリングを手がける。最近はスタイリングの枠を超えインテリアアイテムの開発にも携わっている。インスタグラムはこちらから