我が家を注文住宅にすると決めたとき、真っ先に考えたのは「ハイドア」を採用することでした。部屋をすっきりさせたい、解放感がほしいという希望に天井までの高さがあるハイドアはかなり有効な手段。今回は実際に導入してみて感じたハイドアの魅力についてご紹介します。
ハイドアとは天井まである背の高い扉のこと。ドアは内装計画において地味な部分と思われがちですが、ドア、特に天井まで伸びるハイドアは空間の印象を大きく変えてくれます。
目次
普通のドアよりもいいことがたくさん!
ハイドアの魅力とは
写真右が通常の扉、左がハイドアです。一般的には2.4mほどある住宅の天井に対し、2mの室内ドアが取り付けられるため、ドア上部に40㎝の「垂れ壁」ができます。一方、左のハイドアは「ドアの高さ=天井高」で、垂れ壁はありません。まだまだ一般的ではないハイドアですが、実は良いところがたくさんあるんです。
ハイドアの魅力①
とにかく部屋がすっきりと見えます
ハイドア最大の魅力はそのすっきりした見た目。一般的な室内ドアや引き戸には必ずドア枠が存在し、そのせいで空間に線や凹凸ができてしまいます。ハイドアの枠は基本的に外に見えない造作になっているので無駄な凹凸がなく、シンプルな空間構成を可能にしています。
ハイドアの魅力②
天井が高く見えて開放的たっぷり
二つめの魅力は、天井を高く感じ開放的に見えること。先述したように、通常の扉には垂れ壁が存在するので、それが圧迫感となり天井が低く見えてしまいます。ドアの数が多い部屋ほどその傾向は強くなると思います。これがハイドアなら写真のように、ドア部分も天井までひとまとまり。これが天井を高く見せ、部屋全体に開放感をもたらしてくれるんです。
ハイドアの魅力③
隣室との扉を開けると、ひとつの部屋のよう!
よくあるタイプのリビングとつながる和室。ここに垂れ壁のある引き戸を設置すると天井の仕切りのせいで、扉を開けていても、どうしても区切られた部屋に見えてしまいます。一方ハイドアなら、リビングと和室に一体感が生まれ、ひと続きの空間として広がりをもたらしてくれます。太陽の光もさえぎられずに奥の和室まで届きやすくなり、部屋全体も明るく開放的な印象になります。
我が家のハイドア、自画自賛の
お気に入りはこの3カ所
ここからは、我が家のインテリアで採用したハイドアのなかでも特に成功だったと感じたポイントを実例として三つご紹介します。取り入れやすく、空間のデザイン性も高められるのでぜひ参考にしてみてください。
オーダーで作ったオーク材のハイドアは
我が家のリビングの象徴です
リビングのメイン扉だけはオーダーで、オーク材で作ってもらいました。床にも無垢のオーク材を使用しているため統一感があります。温かみのある木の質感を生かしつつ、マットな黒いスチール取手もスタイリッシュでお気に入り。オーダーなのでお金はかかりましたが、家族が集まるリビングに象徴的な扉ができたのは良かったと思っています。
部屋をつなげて開放的にできる
天井までの間仕切り引き戸
我が家では、リビングとそこにつながる和室の間に、天井高サイズの間仕切り引き戸を設置しています。引き戸を開けたときの解放感はハイドアならでは。垂れ壁の邪魔もなく部屋が広く見え、太陽の光も均一に差し込み明るく開放的です。また引き戸を開け放つと、ひとつの連続した空間として広々使うこともできます。
シンプルなハイドアで
清潔感を演出したトイレ
トイレは無機質でクールな印象にしたかったので、シンプルなオールホワイトのハイドアを採用しました。閉じた空間だけにハイドアのミニマルさが際立ち、狭い空間の圧迫感を和らげてくれます。また白いドアには清潔感もあり、ベースをシンプルに仕上げておくことで、お気に入りの絵やお花を飾っても引き立ちます。
ハイドアにするデメリットは?
ハイドアにするデメリットがあるとすればコスト面。多くの住宅メーカーでは、通常のドアが標準仕様となっています。そのためハイドアにすることでオプション価格として上乗せになり見積もりがアップしてしまうことがほとんど。とはいえハイドアにしても一般的には、1枚につき1万円ほどアップするだけ。交渉やドアの枚数次第では数万円プラスになる程度で収まることもあるようです。ぜひ住宅メーカーに相談してみてください。
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そもそも私がこんなにハイドアにこだわったのは、インテリアコーディネーターの仕事をしていくなかでハイドアの魅力に気づかされたから。自宅には絶対ハイドアを採用しようと思っていました。間取りや素材に比べて後回し感のある室内ドア。実は部屋そのものの印象を大きく左右する重要な要素なので、必ず注目してもらいたいポイントです。ハイドアにするという選択肢で、これまで感じたことのない開放感やすっきりした空間を体感できるでしょう。今後、新築やリノベーションを検討される方は、ぜひ参考にしていただければと思います。