3兄弟で横浜のクリーニング店「リブレ ヨコハマ」を営む通称“#洗濯ブラザーズ”は、国内外のトップアーティストからのクリーニング依頼も請け負う職人集団。その彼らが、伊勢丹新宿店で一般の方向けにセミナーを開催しました。そこで聞いてきた、生地を傷めずきれいに自宅で洗濯するコツをチラッと紹介します!
#洗濯ブラザーズの理念は、大切な衣類を長くきれいなまま着てほしいという思いが原点。洗うほどに新品の輝きを取り戻す、服のアンチエイジングがテーマです。その際に最も大切なのは洗濯方法。クリーニング店でのノウハウを生かしつつ、自宅の洗濯に応用可能なテクニックを紹介するのが、伊勢丹新宿店で行われている「センタクノシカタ」セミナー。今までの洗濯方法をすぐに改めたくなるお話が満載でした!
目次
洗濯ムラなくきれいに洗いあげるコツは
先に洗剤と水を混ぜ合わせて
最後に洗濯物を投入すること!!
正しい洗濯のポイントは、まず洗剤と水を先に混ぜること。「日本の水は軟水のため、衣類に浸透しやく洗浄力が高い分、ダイレクトに繊維の奥まで入り込み、それが色落ちや縮みの原因になることもあります。先に水と洗剤が均等に混ぜ合わさった状態を作ると、洗濯する際の洗剤ムラがなくなり、衣類の汚れを動かして水側へ移動、そして衣類上に洗剤分を残さないようにするため、服のダメージも抑えられます」(#洗濯ブラザーズ 今井良さん・以下、今)。
洗濯のプロセスを簡単にまとめると・・・
①水量は手動設定〈水量多めに〉する。
(※できれば水量は設定値の最大水量にする)
②先に水と洗剤を混ぜる。
(※洗剤量の目安は、水 60L~50Lで40ml、50L~35Lで30ml、35L~20Lで20ml)
③洗いに設定し、スタートボタンをオン。3分程度は洗濯物なしで運転して、水と洗剤をしっかり混ぜ合わせる。
(※ドラム式の場合は、洗剤ポケットに洗剤を投入する前に、洗剤1:水1の溶剤を作り、それを洗剤ポケットへ投入する)
④水と洗剤が完全に混ざっている状態で、最後に洗濯物を入れる。
(※洗浄時間は12分~15分くらいが目安)
⑤すすぎは1回。脱水は3分で十分。
(※白物のすすぎは場合によって2回。厚手のものの脱水は5分程度)
洗濯で大事なのは、洗濯機の自動設定だと水量が圧倒的に少ないので、水を多めに設定すること。「洗濯の際に水が少ないと、すすぎのときにせっかく落とした汚れなどがしっかりと排水されないので、洗濯物へ汚れが戻りやすくなってしまいます。特に少ない水で洗うドラム式は、設定水量を最大にして、泳がすように洗うのが理想です。脱水もやりすぎると色が飛ぶ原因になるので気をつけてください」(#洗濯ブラザーズ 茂木貴史さん・以下、茂)。水と洗剤が混ざった後で、最後に洗濯物を入れると聞いてびっくり。洗濯物の重さを計って水量を決める自動コースへの信頼度が根底から覆されました。えりなどの汚れのひどい部分は、スプレーボトルに洗剤1:水1を混ぜ合わせた前処理剤を作りスプレーし、ブラシで軽くたたいておくと汚れが落としやすいそうです。
こんな人は要注意!
臭いや汚れ落ちの不満は
洗濯槽が汚れているせいかも⁉
☑柔軟剤を使っている
☑洗濯槽を掃除したことがない
☑洗濯物が臭い
☑洗濯槽から嫌な臭いがする
この項目にひとつでも該当項目があれば要注意! 洗濯槽が黒カビまみれの可能性があります。「洗濯を始める前に大事なのは、まず洗濯槽の掃除をして、洗濯環境を整えること。正しい洗濯をしても、肝心の洗濯槽が汚れていては、その効果は期待できません。洗濯槽の裏側に残りやすい柔軟剤やジェルボールタイプの洗剤などは黒カビを覆ってしまい、洗濯槽にこびりついて洗濯する環境を悪くしてしまう可能性があります。一度に大量の衣類を詰め込んで洗濯をすると洗濯槽が汚れてしまいます。また、洗濯が終わったら洗濯機のふたを閉めっぱなしにせず、あけておくことも大切です。閉めきってしまうと空気の流れがなくなり雑菌が繁殖しやすくなります。」(今)。黒カビ除去には温度が高い水のほうが有効なので、きれいな残り湯も活用できるそうです。
生地に優しく、しっかり汚れが落ちる
自慢のオリジナル洗剤も作っています!
彼らはこれまでに培った経験と知識をもとに開発したオリジナル洗剤も作っています。「クリーニング店で扱うライブ衣装は細かい装飾が多く生地も繊細。石油の溶剤を使うドライクリーニングだと、こだわりの衣装の風合いやツヤが失われがち。生地を傷めずハードな汚れを落としたいと試行錯誤の末、ナチュラル成分なのに洗浄力が高く柔軟剤いらずの理想的な洗剤を作りました」(茂)。#洗濯ブラザーズが開発したオリジナル処方の洗剤「リブレヨコハマ ランドリーディタージェント」は、服や肌に優しいナチュラルな成分でありながら、汚れもしっかり洗浄。また保湿・柔軟成分配合により、柔軟剤なしでもふわふわに仕上がるそう。ドライクリーニングに出すと失われがちなツヤや風合いを、毎日の洗濯でキープできます。
正しい「センタクノシカタ」を実践して
服のアンチエイジングを目指します!
洗っても臭うから部屋干し用の洗剤に変える、柔軟剤の量を多めに入れる、お気に入りの服はドライクリーニングに出すなど、残念ながら、今回伺ったNGワード全てに心当りがありました(汗)。間違った自己流洗濯生活はもう卒業。これからは正しい「センタクノシカタ」を実践して、大事な洋服のアンチエイジングを心掛けようと思いました。
取材したのはこちら
11月27日(火)まで伊勢丹新宿店でポップアップ開催
#洗濯ブラザーズが開発したランドリーディタージェントは、11月27日(火)まで伊勢丹新宿店本館6階=時の場で販売中です。一部商品はメンズ館8階=イセタンメンズ レジデンスと伊勢丹オンラインで引き続き購入できます。
伊勢丹新宿店
監修
横浜のクリーニング店「リブレヨコハマ」を営む3兄弟。シルク・ドゥ・ソレイユの舞台衣装をはじめ、国内外のトップアーティストの衣装クリーニングを手掛けてきた経験をもとに、プロユースの洗濯用洗剤を開発。各地でポップアップイベントやセミナーを行い、正しい「センタクノシカタ」を発信中。