自宅で品数を揃えて新年を迎える家もずいぶん減り、おせちはプロが趣向を凝らしたものを買って用意するというご家庭が増えています。なかでも「冷凍おせち」は、気に入ったものをどこからでも取り寄せられるので人気。冷凍食品ジャーナリストの山本純子さんに、年々進化する冷凍おせちについて聞いてきました。
さらにここ数年のトレンドを冷凍食品ジャーナリストの山本純子さんに聞いてみると、「おせちと言えば、和のイメージがありますが、その枠を超え、中華風や洋風おせちなど、バリエーションが顕著に増えていますね。選べる楽しさもありますし、なんといっても、冷凍おせちなら、解凍しなければ、賞味期限が割と長くもち、冷凍庫で保存しておけるのが◎。年末までに届いていれば、元日ではなく、お客さまの多い2日や3日に出すといった調整も可能なのです。また、冷食の多くは旬の時期に食材を仕入れて調理します。おせちを作る時期になるとそれらの食材の価格はぐっと上がりますから、コスパの面でもお得と言えるかもしれません」。そんな冷凍おせちのおすすめを聞いたので、これから頼むという人はぜひチェックを!
目次
おすすめ①『シュガーレディ』
和風三段重 絵馬
無添加かつ産地にもこだわった安全で
優しい味は、実家に送って親といただくのも◎
シュガーレディは、盛り付け済み冷凍おせちの先駆け。とにかく素材にこだわり、安心安全がキーワードです。「そのこだわり方は徹底していて、指定添加物約460品目が無添加です。さらに食材はコスト重視の大量生産ではなく、日本各地に点在している本当においしい食材を厳選しています。これはオホーツク、石垣島の地域食材を生かした商品開発をして、売り上げの一部をその地域の環境保全に役立つよう寄付するという『美しい国から』プロジェクトにもつながっています。そんなこだわりの詰まったシュガーレディは会員制なのですが、幾つかのおせちは通販サイトでも購入が可能なんです。そのなかでも一番の売れ筋が、和風三段重の『絵馬』です。昆布〆やだて巻き、きんとんなどの定番はもちろん、ローストビーフ、ブリ湯葉巻きなどシュガーレディでも人気のメニューが楽しめる全44品が入った豪華三段重です。この品数の多さで30000円はコスパの面でも優秀だと思いますよ。何より素材選びから丁寧なので、どれを食べても優しい味わいだから若い方はもちろん年配の方にもおすすめです」
・シュガーレディのおせちをチェック!
おすすめ②『博多久松』
和洋折衷本格料亭おせち 博多
おせちが苦手な人でも食べられる、
和洋織り交ぜたお重は、だしが絶品!
楽天市場で12年連続グルメ大賞を受賞している博多久松。「1人前から6~7人前のおせちまで、和風、洋風、和洋折衷、創作おせちまで幅広いラインナップが特徴です。もともと福岡のホテルや料亭向けに仕出しを作ってきた企業なので、繊細なおだしの味がおいしく、リピーターが多いのだと思います。一番人気だという『博多』は4、5人前で45品目のボリュームなのに価格は1万円台というコスパも魅力。おせちが苦手な人も食べられるように定番の和メニューからオマールえびのグラタンや、肉料理などの洋メニューがバランスよく入っているのも嬉しいですね。1人前から販売されているので、お試し購入し、気に入ったら翌年大きいサイズを買うという方法も。また、肉尽くしおせちも話題でした」
・博多久松のおせちをチェック!
おすすめ③『安曇野厨房』
中華一段重
化学調味料不使用でもしっかりおいしい!
ごはんのおかずにもなる絶品中華おせち
中華料理店で研鑽を積んだ料理人による手作り冷凍中華が人気の安曇野厨房。「安曇野厨房の中華は、化学調味料不使用なんです。中華で化学調味料を使わないと、味がなかなかだせなかったり、えびは保水剤を使わないと縮んでしまったり、とても難しいのですが、食品本来の特性を生かして料理を作っているメーカー。そんな安曇野厨房の中華おせちは中華飯店のコースさながらのラインナップ。おせちというとつまみという概念が一般的のようですが、最近はきちんとおかずとして食べたいという若年層の要望も強く、この中華おせちは、つまみとしてもごはんのおかずとしても成立するところが万人の胃袋を掴んでいる理由だと思います。3、4人分で12980円(税・送料別)という価格設定も手を出しやすいですよね」
・安曇野厨房のおせちをチェック!
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「冷凍の和食は海外で売れるのではないか」というアイデアから始まったという冷凍おせち。最初に出始めたのは1980年代。その後、袋詰めから重箱に盛り付けた状態で冷凍するスタイルに変わり、解凍したらそのまま食卓に出せるクオリティにまで進化しました。お正月のハレの料理が冷凍食品というと、手抜きに感じる方もいると思いますが、賞味期限が長く、好きなタイミングでいただけるので、おせちこそ冷凍食品という山本さんの言葉には大きく納得しました。ご紹介した各社、予約期間第一弾は終了していますので、ご注文はお早めに。年末年始は帰省する方も多いと思いますが、手土産代わりにおいしい冷凍おせちを贈るというのも良さそうですね!
取材したのはこちら
冷凍食品ジャーナリスト。冷凍食品専門紙の記者・編集長・主幹を34年務めたのちに2015年10月に独立。「冷凍食品エフエフプレス」を立ち上げ、本当においしくて楽しい冷凍食品の情報をお届けすべく活動中。自称“冷凍食品おばさん”。