インテリアスタイリストから学ぶ「寝室の理想的な目覚まし時計」の条件

「お洒落な目覚まし時計を」という問いに、インテリアスタイリスト窪川勝哉さんの答えはミニマルデザインでした。寝室にふさわしい目覚まし時計とはどんなものか、おすすめを挙げてもらいつつ解説していただきました。

1日の始まりまでもスマホで目覚めるというのはちょっと嫌だな…と目覚まし時計を新調しようと思っても、探し出すとなかなかベッドサイドにしっくりくるものが見つからなかったりします。「寝室は体を休める場所なので、基本的にはリラックスできる部屋作りを考えます。目覚まし時計はちょっとしたアクセントを手軽に添えられるのがいいところです。場所もとらず家具を投入するよりはるかに価格も抑えられる割に頻繁に目を向けるものなので、部屋の印象も意外と左右します。そんな寝室のイメチェンに一役買う目覚まし時計は、無駄のないシンプルなデザインなんだけど、どこか温かみを感じるものを選ぶのが正解。過度にデザインが主張しているものは、落ち着かないので寝室向きではありません」(インテリアスタイリスト・窪川勝哉さん 以下同)

目次

ジョージ・ジェンセン』
HKアラームクロック
洗練されたミニマルで美しいデザインが
とても北欧的な傑作時計

「ジョージ・ジェンセンは時計やジュエリーだけでなく、テーブルウェアや生活雑貨まで幅広く手掛けているブランドで、デンマーク王室御用達としても有名です。これはジョージ・ジェンセンで活躍したデザイナー、ヘニング・コッペルが手掛けたもので、数字もなく、非常にシンプルで抑制されたデザインが特徴。伝統的に使われてきた数字を黒い点で表す手法は1978年の発売当初、革新的な手法として称賛されました。ほぼ同じデザインで腕時計やウォールクロックもリリースされていますが、直径100㎜のこのサイズが、シンプルで機能性の高いこのデザインの良さを引き立てていますよね。ベッドサイドに置いても主張しすぎないのがいい。特にアラーム針だけがブルーをまとっているのが実に北欧らしいアクセントだなと思います」

☑︎Amazonで見てみる
☑︎楽天で見てみる

『ブラウン』BNC010
機能的には現代的ながら、
どこかレトロなデザインが愛らしい

「日本では男性用の電気シェーバーで知られるブラウンですが、実はヨーロッパでは時計メーカーとしても有名なんです。その作品が数多くMoMAなどに所蔵されているインダストリアルデザインの巨匠、ディーター·ラムスが90年代までデザイン監修をしていた経緯もあり、今でも機能美に溢れた製品が数多くあります。さまざまなアラームクロックをリリースするブラウンですが、注目はこれ。1990年に登場したラジオ付きアラーム時計「ABR313」をベースに現代ならではの素材や機能性を高めた、ラジオ機能を搭載したデジタルクロックです。デジタルならではのシャープさがありつつも、角をとったデザインで柔らかさもあるところが、寝室にぴったり。電波機能も備えているのでいつでも時刻合わせの必要もないんです。電池駆動でラジオ付きのなので、災害時などのいざというときのために1台備えておくのもいいですよ」

☑︎Amazonで見てみる
☑︎楽天で見てみる

『アルネ・ヤコブセン』BANKERS
ヤコブセンの名作壁掛け時計を
コンパクトなアラームクロックで再現

「20世紀の北欧デザインを代表する建築家アルネ・ヤコブセン。1971年、彼の最高傑作とも称されている1デンマーク国立銀行の設計を手掛けたときに、家具とともにデザインされた「Bankers Clock」を直径110㎜サイズに落とし込んだのがこの目覚まし時計です。50年ほどの時を経ても古臭く感じないミニマルで美しいデザインはあらゆるテイストにマッチするので、インテリアと喧嘩してしまうかなどと考えずに済む取り入れやすさが魅力です。文字盤に数字はなく、12個のブロックからなるバーインデックスがグラフィカルに時間を指し示しているのも洒落ていますよね。手のひらに収まるサイズ感なので場所をとらないのもいいんです。タッチセンサー式のLEDライトも付いているから暗がりでの時間確認もしやすい」

☑︎Amazonで見てみる
☑︎楽天で見てみる

〈おまけ〉
『QM weather.』のデジタルサイネージ
最新デジタルデザインとウッドの組み合わせで
ベッドサイドに温もりをプラスしてくれます

「時計ではないんですが、ベッドサイドに置いておくと便利だなと思うアイテムがこちら。ネット上の天気予報の情報を集め、翌日の天気と気温の予報を表示してくれるIoTインテリアアイテムです。目覚ましは要らないという人もインテリア的にこんなものはどうですか? 現在の天気が点灯、予報が点滅で表示され、ライトの色(30℃以上は赤、0℃以下は青、その間はオレンジ→白に気温に応じて変化)で予報気温を知らせるというわかりやすい仕様。知りたい天気の予報時間帯やお休みモードなど、各種設定はスマホのアプリ経由で。朝起きてテレビやスマホで今日の天気を調べるまでもなくスマートに教えてくれるので、朝の支度もスムーズにいきそうですよね。これからどんどん家の中にIoTものが増えてくると思うんですが、いかにもデジタルなデザインは寝室にはアンマッチ。ウッドのナチュラルさをプラスしたことでアナログ感も出てインテリアにはなじみやすい。デジタルとアナログのバランスが絶妙な1台だと思います」

☑︎QM weather.のホームページを見る

・・・・・

インテリアの邪魔をしないシンプルさとぬくもりを感じられるを条件に探せばこれ!と思える目覚まし時計が見つかりそうですね。目覚まし時計はスマホ!という方もデジタルデトックスを兼ねて、シンプル機能の目覚まし時計を取り入れてみては?

監修

インテリア&プロップスタイリストとして家具、クラフト、家電まで幅広い知識とセンスを生かし雑誌を始め、イベント時のコーディネートやマンションのモデルルームのなど多くの空間スタイリングを手がける。最近はスタイリングの枠を超えインテリアアイテムの開発にも携わっている。インスタグラムはこちらから

インテリアスタイリスト 窪川勝哉さん

http://interiorstylist.jp/