インテリアスタイリストが指南「日本人に多い残念なカーペット選びとラグの意味」

部屋の印象を大きく左右するからこそ失敗したくないカーペットですが、「間違った使い方をしている家が多い」と指摘するのがインテリアスタイリストの窪川さん。失敗しないカーペットの選び方と混同されがちなラグについてお伺いしました。

1.カーペットのつもりでラグを選んでいる
2.敷いているカーペットは部屋より少し小さい
3.一生使うつもりで選んでいる
4.ベージュなど無難な色を選んでしまう

どれもカーペットを選ぶ際によくありそうなことですが、これがインテリアをつまらなくする言う窪川さん。どういうことなのか、詳しく話していただきました。

目次

混同されがちなカーペットとラグですが、
ラグは部屋のアクセントに使う装飾品で
カーペットは部屋全体に敷くもの

「よく間違えている人がいるんですが、床に敷くものには基本的に2種類あります。カーペットは部屋全面に敷くもの。ホテルや外国の邸宅を見ても分かるように部屋全体をクラスアップさせ、保温性、吸音性が求められます。隙間なく敷き詰めることで床材を守り、万が一グラスなどを落とした際も衝撃を吸収してくれます。一方、ラグは部屋のアクセントとして部分的に敷くもののことを指します。一般的にはラグのほうがサイズが小ぶりです。ちなみに上の写真はラグ。日本のご家庭だとこういう敷き方をされている方も多いのではないでしょうか? ラグは空間のアクセントやゾーニングアイテムとして使うと部屋に奥行き感が出てバランスが取れます。このようにラグは装飾アイテムとして使うもの、床全体を敷き詰めるカーペットは部屋の格を上げつつ床材保護も兼ねるものという違いを知っておくとインテリアを考える際に便利です」(インテリアスタイリスト窪川勝哉さん・以下同)

半端に足りないカーペットはカッコ悪い。
大きめを買い、部屋に合わせて裁断を!

「本来、カーペットは部屋のサイズに合わせて選ぶものです。よくある間違いが、部屋の大きさに入るからと床面積より少し小さめのカーペットを買ってしまうこと。これ、実はとてもカッコ悪いです。ゾーニングや装飾として使うラグとしても使えないし中途半端に床が見えるしで、残念極まりないです。基本的にどんなインテリアショップも希望のサイズで裁断し、ロックミシンをかけて処理してくれますので多少面倒でも、できあがってくるのに時間がかかっても、部屋のサイズに合ったカーペットを敷くべきです。だから購入する際は、まずカーペットを敷く床の正確なサイズを測りましょう」

服の衣替え感覚で
気軽にチェンジしてもOK!

「カーペットは、一度選んでしまうと、なかなかそれを取り換えるという発想には至らないものかもしれませんが、カーペットは空間を占める面積が広い分、部屋の雰囲気を変えたいときには有効なアイテムなんです。今は6畳分で1万円前後とリーズナブルなものも増えていてネットで気軽に注文できる時代。だから汚れたらまた買い替えるぐらいの心づもりでOK。春夏と秋冬で、衣替え感覚でカーペットを変えて部屋の雰囲気チェンジを楽しんでみてください。ちなみに部屋の雰囲気を変えたいからと3万円のオブジェを買うなら同じ金額でカーペットを買うほうが変化は大きく、部屋の印象を変えられますよ」

ソファ等の家具はベーシックなもの、
カーテンやカーペットで
個性を色付けるのが考え方の基本

「面積が大きい分、どうしてもベージュや生成り、グレーなどシンプルで無難なものを選んでしまいがちですよね。でも基本的には好みで選んでいいと僕は思っています。確かに毛足が短いほうが掃除は楽だし、色は明るいほうが、部屋は広く見えます。でも最終的には自分が目指す部屋のインテリアの雰囲気にあったカーペットを選びましょう。そこはこだわっていいと思います。ソファなどの家具は長く使える質が良くてベーシックなものを選び、カーペットやカーテンなどのファブリックで個性を出すというのが僕の考え方の基本です。インテリアの雰囲気を変えたいなと思ったとき、変化をつけやすいのが布もの、すなわちカーペットなんです。視界に入る面積も大きいので効果は絶大です。ファッションで例えるならば家具は土台となる自分自身でカーペットは洋服というとイメージしやすいのではないでしょうか」

ちなみに窪川邸のリビングは
こんなシックな千鳥格子のカーペット

 

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「ちなみに僕の家の床はドイツから空輸した千鳥格子のカーペットです。派手!と思われるかもしれませんが、ブラウンとダークブラウンで構成された千鳥格子だからかしっくりなじんでいます。ソファなど大物家具は飽きのこないシンプルなものがいいと思いますが、カーペットは好きな色、柄で個性をどんどん主張してください!それがあなたらしい空間を作るベースになると思います」

ラグとカーペットの違い、家具とカーペットではインテリアのなかで果たす役割も違うということが分かって、頭の中も少し整理できたような気がします。これで、もう少ししっかりとした目的を持ってカーペット選びができるかも! 皆さんも、もっと積極的にカーペットを考えてみませんか?

監修

インテリア&プロップスタイリストとして家具、クラフト、家電まで幅広い知識とセンスを生かし雑誌を始め、イベント時のコーディネートやマンションのモデルルームのなど多くの空間スタイリングを手がける。最近はスタイリングの枠を超えインテリアアイテムの開発にも携わっている。インスタグラムはこちらから

インテリアスタイリスト 窪川勝哉さん

http://interiorstylist.jp/