狭い子供部屋と愛犬と暮らすリビングを「オーダー家具」で理想の形に

環境も部屋の雰囲気も申し分ないのだけど、もう少しひとつひとつの部屋が広ければ…など、理想通りの間取りに出会うのってもはや奇跡に近いことですよね。リノベーションするにも費用がかさむし、どうしたものか…と頭を抱えていたHさん。狭いけれど効率よく、なおかつ快適に暮らすために行き着いた選択は「カスタムオーダー家具」でした。

リビング・ダイニングスペースの壁面にぴったりと収まったカスタムオーダーの家具。

子供の進学に伴い、歩いていける距離に公園がいくつもあり、ゆったりと時間が流れる環境が気に入って都内から横浜の高台に引っ越したHさん一家。日差しがたっぷり入るリビングが決め手となり購入した築5年の中古マンションは、床面積98.6㎡と決して狭くはないのですが、少し問題が。元のオーナーが2LDKを3LDKに変更しており、子供部屋として使える部屋の広さが4畳しかないのです。「家具を買い揃えるにしてもなかなかこの狭さにマッチするものは見つけられませんでした。家全体のイメージを統一したいこともあり、これはもう一から作ってもらうしかないと、いろいろ調べていて見つけたのがドイツのシステムオーダー家具『ip20』でした」(Hさん・以下同)

こちらが4畳しかないお嬢さんの部屋。ロフト風のベッドで空間を確保しています。

Hさんは手をこまねいていた子供部屋とペットもいること、収納量を増やしつつ、すっきり暮らしたい旨を伝え相談した結果、カスタムオーダー家具を取り入れるスペースを以下の三つに絞りました。

4畳しかない二つの子供部屋
愛犬のスペースを確保したいリビング
仕事部屋兼客間の5畳のスペース

オーダー家具の利点は、広さに合わせてサイズ調整ができ、無駄なく使い勝手の良い空間が作れること。また、リノベーションと違い大掛かりな工事が必要ない点もポイント。「これぐらいの物量をそれぞれどこにしまいたいという要望を汲み取ってくれて、デザインが決まったら施工自体は2、3日ほどとあっという間にでした。家具に合わせて、どこに何を入れるという収納量と収納場所が細かい部分まで決めてしまったので、それに合わせて断捨離もできたし引っ越し準備も幾分楽だったように思います」

目次

4畳しかない子供部屋はロフトベッドで
お友達との遊び場スペースも確保!

白とピンクで統一されたお嬢さんの部屋には、大容量の本棚を設置。

収納や遊ぶためのスペースもほしたかった子供部屋には、ロフトベッドを採用。縦の空間を目いっぱい使うことで、お嬢さんが持つ大量の本もすっきり収納できました。「ロフト式だとベッド下に空間ができるので、4畳でも子供たちが集まって人形遊びができるぐらいのスペースを確保できました。物件によって天井高などは異なりますが、部屋に合わせ1㎝単位のサイズ調整ができるから本当に無駄がないですね。ベッドのサイドボードの装飾もハート、星、月、丸などいくつものパターンから選ぶ自由度もあり、好みも反映できます。娘の部屋は、ピンクを基調にしたのでハートを選びました」

飾り棚、テレビ台、愛犬スペースを
壁の1面に収めてリビングもすっきり!

AV機器や食器の収納、そして愛犬の部屋と異なる用途ながら、壁の1面にきれいに納めることができるのもオーダーだから。

愛犬の居場所を確保するとなると、どうしてもケージが必要でいまいち見栄えに納得がいかない…という人にぜひ参考にしてほしいのが愛犬、ララちゃんのハウス。Hさん自身も、市販のケージは部屋の雰囲気を壊してしまうし、トイレも丸見えだと懸念していました。「子供部屋に次いでオーダー家具を選んだ理由は、愛犬に落ち着ける居場所を作ってあげたかったから。家族が集まるリビングにしつらえたいとリクエストをしたら、キッチン側の壁面にテレビ、食器棚、愛犬スペースが無駄なく収まるように考えていただけました」

左側の格子のドアがララちゃんの入り口。1枚板の右側の観音扉部分は、ララちゃんのトイレスペースになっています。普段は扉を閉めておけば臭いもないし、見た目も上々です。ちなみに使っている素材はメラミン樹脂でコーティングされた高密度パーチクルボードで、汚れに強いのが特徴。経年変化が少なく手入れも楽なことが魅力です。実際、Hさんも掃除の楽さを実感しているとのこと。

ゲストスペースも兼ねている書斎には
収納式のベッドを設置しています

リビングの続きにある5畳ほどのスペースは、引き戸で仕切れるのでゲストが来た際は客間として活用。

Hさん宅で最も日当たりのいい場所にあるリビングダイニング。その一角には引き戸で区切ることができる小さなスペースがあります。ここは、自宅で仕事をすることもあるHさんの書斎兼、来客時の宿泊スペース。頻繁に使うわけではないので、場所を取るベッドも収納式をオーダーしました。「引き戸を閉めるとわずか5畳ほどの空間なので、壁面に収納できるベッドを採用しました。リビングに合わせて白を基調にしているので圧迫感もなく、引き戸を開けておいても気になりません。普段はリビングの一角として使えて空間も広く感じられます」

・・・・・

愛犬の部屋、テレビ、食器の飾り棚をカスタムオーダー家具で設置したおかげでソファとダイニングテーブルをゆったり置けてすっきりしたリビング空間に。

決して安くはないけれど、必要な量の収納場所を限られたスペースに確保でき、空間の節約が可能なオーダー家具は、狭い部屋でこそ積極的に取り入れるのがいいかもしれません。部屋の広さで悩んでいるのであれば、こんな解決策も考えてみてはいかがでしょうか?

(撮影/相澤琢磨)