ハワイのステージング取材で見えてきた【リビングを素敵に見せる】6つのアイデア

アメリカでは、物件の価値をより高く見せるために不動産会社が「ホームステージャー」を雇い家具などをスタイリングすることがポピュラーです。ハワイを中心に活動する人気インテリアデザイナーの山室美和さんは、そんなホームステージャーとしての顔も持つひとり。コンドミニアムのステージングに同行し、インテリア作りのアイデアを見せていただきました。

今回、ステージングしたのは『ワイエア 』というコンドミニアム。2ベッドルームで、1ユニット平均3億円からという超高級物件。

「ステージング」とは日本語にすると”演出”。つまりホームステージングは、家をよりよく見せるように演出すること。家具や小物があしらわれた空間は、生活する状態をイメージしやすく、買い手側の購入意欲を格段と高める効果があります。タレントにヘア・メークやスタイリストがついて、その人をより素敵に見せるように、部屋のよさが伝わりやすいようにインテリアなどを配置し、より魅力的な空間に仕上げます。同じ部屋でも、下の写真よりも上の写真のほうがより住みたくなりませんか?

不動産会社から「お好きなように」と任されたときの状態。家具がないと、ずいぶん印象も違います。

「コツさえ押さえれば意外と簡単に素敵に見えるものですよ」(山室さん 以下同)。そう話す山室さんのステージング作業に同行させていただき、魅力的な部屋作りのコツを教えていただきました。

ベッドルームにチョコと本とシャンパングラスを置いてリラックス空間を演出している山室さん。

アイデア①
部屋の中に2、3点光るものを
散りばめて高級
感を出す

今回は、ワイエアというモダンなデザインのコンドミニアムということもあり、都会的で光沢のある小物や、光る素材の入ったリネンや家具を選んで趣味よく高級感を出すことを考えました。「高級感を出すためにはシャンデリアなどもいいですが、ナチュラルな雰囲気が強いお部屋でしたら、お部屋に対して2、3点、ポイント的に光る素材のものを置くだけでも、十分ラグジュアリー感を出すことができます」

アイデア②
部屋のベースカラーは万人受けする
ブルーやグリーンを選ぶ

部屋の基調色として山室さんが選んだのはブルーやグリーン。「ブルーやグリーンは落ち着く色で、とても万人受けしやすい色です」。青い海とダイヤモンドヘッドが見渡せるこのユニットには特によく調和します。床は木製のナチュラルカラーで壁や天井などの面積が大きい部分は真っ白で無機質な印象だったので、世代を問わず清潔感や爽やかさ、落ち着きをもたらすブルーやグリーンを使うことで、全体がすっきりとまとまって見えるようになりました。

アイデア③
アートやオブジェは抽象的なものを
選ぶと部屋になじみやすい

「絵でもオブジェでも、抽象的なものを選ぶと、飽きもこなくて全体のお部屋とのバランスが取りやすいです。特に絵にテキスチャーがあると立体感が出て洗練された雰囲気になりますよ。また、絵や作品をそのまま飾るのではなく、フレームをつけて飾るほうが立派に見えます。そして、オブジェも同様に、抽象的でユニークなデザインのほうが実は主張しすぎず、全体のバランスが心地よい空間作りができると思います」。ベースカラーと同様、人を招くような部屋の場合には、抽象的なアートを意識的に配置してみるといいようです。

アイデア④
絵は目線の高さに飾ると落ち着いて見える

「絵を飾るときは、大人が前に立ったときに絵の中心が目線の高さと揃うように心掛けています。そうすると絵がナチュラルに人の視界に入ってきて、落ち着くんです。日本の方は、なぜかやたらと絵を上のほうに飾る傾向がありますが、絵を高い位置に飾るルールは全くなくて、むしろ目線と合っているほうが、ナチュラルで海外風のお洒落な雰囲気が出ます」。目線に合わせて飾るというのはそもそも美術館での飾り方。家でも同じように飾ると落ち着いたアートギャラリーのような雰囲気になります。目安は、170180㎝の大人が立つとちょうど目線にくる高さ。また、一枚の大きな絵を掛けるよりも、複数枚を並べるほうがよりギャラリー風のスマートさが出せるそう。

アイデア⑤
ソファはファブリックのほうが
軽やかなイメージを出せる

いったん置いてみたレザーのソファを撤去して、ファブリックに変更。同じようなベージュですが、ファブリックのソファのほうが軽やかな印象です。

「レザーのソファを選べば高級感が出るかと思えば、意外とそうでもありません。素材的にはレザー、フェイクレザー、ファブリックがありますが、インテリア初心者におすすめは、軽やかな印象を与えてくれるファブリックのソファ。今は重厚さのあるインテリアをお求めになる方がそれほどいらっしゃらない傾向もあり、あえてレザーを選ぶ必要はないのかもしれません」。実はこの日も、レザーのソファを一度設置してみましたが、しっくりこなかったのでファブリックのソファに変更しました。特にナチュラルなイメージのお部屋には、ファブリックのソファが相性がよさそうです。

アイデア⑥
目線が途中で遮られないように家具を
配置すると、より広さを感じやすい

「家具の置き方のコツは、窓までの視線や、部屋の奥行きを遮らないように置くこと。そうすると開放感が生まれ、お部屋が広く見えます。今回の物件は、窓際の明るさや外の景色を活用したレイアウトにしていますが、景色がいいからといってソファを窓に向けて置いたり、窓際に置いてしまうと、光までも遮ってしまい圧迫感がでてきます。奥行きを極力遮らないように家具を置くことがポイントです」。また照明も高い場所に取り付けて天井を高く見せて、リビングからの視界もさらに広がりが見えるようにしました。このリビング最大のポイントであるゴージャスな景色が部屋に入ってきた瞬間から目に入るほうが当然いいですよね!

いかがでしたか? 今回はリビングルーム編ということで、素敵に見せるコツを伺いました。ご自宅のインテリアを考える際に、ぜひ参考にしてみてください!

監修

Muro Designs インテリアデザイナー

住宅、ホテル、飲食店など幅広い分野の空間を手がけるインテリアデザインスタジオをカリフォルニアとハワイで運営。千葉県出身、カリフォルニア州のサンディエゴ州立大学インテリアデザイン学科を卒業後、LAのファッションブランドForever21のインテリアデザイン部で店舗内装を担当し、ハリウッドセレブの住宅内装にアシスタントデザイナーとして従事。ニューヨークでは現代美術家、村上隆のスタジオ改装プロジェクトに参画。現在はハワイを拠点に活動。

*ホームステージャーは、物件の売却のためにどれだけお部屋を魅力的に演出できるかがポイント。インテリアデザイナーの仕事と掛け持ちしている方がほとんどで、山室さんもどちらも両立させています。

Muro designs ハワイオフィス
720 Iwilei Rd., #336, Honolulu, HI 96817
808-222-6106

山室美和(やまむろ みわ)

www.murodesigns.com