【断捨離志向のリノベーション】あえて収納を減らしたミニマリスト夫婦の決断

都内のヴィンテージマンションに暮らすKさん夫妻は、本当に必要なものだけを取捨選択するミニマリスト。それを維持する秘訣は、収納場所を減らしたリノベーションにあります。断捨離が進まない人はKさんのおうち作りを参考にするといいかもしれません。

窓からグリーンがのぞく、ゆったりした空気が流れるリビング兼ダイニング。リビングの顔となるソファとローテーブルはインテリアショップ「TIME&STYLE」で購入。奥のイスは「IDEE」のラタン製マレチェア。

目黒区の閑静な住宅街に建つ、築50年のヴィンテージマンションに暮らすKさんご夫妻。専有面積74平米のメゾネットタイプに惹かれて購入。1階にLDK、2階に2部屋と水周りという間取りは変えていないものの、「ナチュラルに、心地よく」をテーマに、厳選されたもののみと暮らしていくためのプチリノベーションを実施しました。

目次

収納できる場所を意図的になくし
物が増えないようコントロール

2階へと続く階段下。リノベ前は壁にちょっとした階段下収納がありましたが、思い切って取り払いまっさらな白壁に。

 

ミニマムに暮らしていくコツのひとつが収納場所を意図的に減らすこと。Kさん夫妻もリノベーションをする際に不要な収納を減らす作業をしました。「ミニマムな暮らしにたどり着いて気づいたのは、人間そんなに物を持たなくても快適に心地よく暮らしていけるということ。そして置く場所があるから物が増えるということに気づいたんです。この家に引っ越してくる前からミニマムな生活をしていたので自分の物量は把握していました。使わないものは減らしていこうと思い、元からあった収納スペースをいくつか削りました」(奥さま)

ミニマリストだけど好きなものは楽しむ
CD1000枚は無印良品のシェルフに収納

物がないので無機質にならないようグレイッシュブルーのアクセント壁にし、ネイビーのじゅうたんを。乳白色の大理石がいい味を出す1950年代のアメリカ製のアンティークテーブルと、引っ越す前から使っている年代不明のアンティークのイスが趣を与えます。

階段を上がった2階は夫婦の生活スペース。ひと部屋は寝室兼収納部屋で、もうひと部屋は趣味の部屋として活用しています。Kさん夫妻の共通の趣味が音楽。好きな音楽をかけて物思いにふけったり、お気に入りのCDを眺めたり大好きな音楽に没頭できる空間にしました。オーディオは『JBL』のSAS100。2009年の発売当時はJBLとしては珍しいミニコンボ型で、音はもちろん、シンプルなデザインに惹かれて購入したそう。ちなみに1000枚を越すCDコレクションは断捨離対象外。ただし散らからないように壁際に無印良品のシェルフを設置しCDを収納。1枚増えたら1枚減らすを徹底し、増えないようにしているそう。寝室兼収納部屋も同様に壁際にシェルフを。「壁際に収納することで空間への圧迫感が減ると思います」(奥さま)

物がない=味気ない空間を払拭
無垢材が心地よい暮らしを実現

ミニマリストと聞くと、モノが少ないゆえに味気なく寒々しい部屋というイメージがありますが、Kさんのお宅はそのイメージを見事に払拭しています。リノベーションのテーマである「ナチュラルに、心地よく」に合わせて、床や扉の素材にこだわりました。「リノベ前の床はダークブラウンのフローリング。モノがないとはいえ、床の主張はかなりの圧迫感でした。ナチュラルな温かみが感じられるようにどうしても無垢材を使いたくて。ネットで検索して見つけた無垢フローリング専門店「木魂」へ足を運び実際に木材に触って決めました。桐、檜、その他数種類で迷いましたが、歌舞伎座の舞台にも使われていた檜と同じ出生地の檜があり、妻が歌舞伎好きというのもあってこの“百々檜”を選びました。前の家からずっと使っているソファやテーブルなどの家具ともマッチしていて味わいがあってとても満足しています」(ご主人)

 

ミニマリスト=物がないのではなく、自分に必要なものを見極め、暮らしに取り入れることができる人。Kさん夫妻のお住まいは、物で溢れかえってしまった現代の理想の暮らしそのもの。断捨離したいとお悩みの方はKさん邸をヒントにしてみては?

取材したのはこちら

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リノまま

https://www.renomama.jp/