ほとんどの食品には保存方法や消費期限が書かれているのに、お米には精米年月日が書かれているだけ。ということは、お米には保存方法も賞味期限もないのでしょうか? 知っているようで実はちゃんと知らないお米の保存について、5つ星お米マイスター、澁谷梨絵さんに教えてもらいました。
「お米には賞味期限や保存方法が書かれていないものが多くありますが、なんでもOKというわけではありません。精米後すぐに劣化は始まりますし、間違った方法で保存していると味を落とすばかりか虫がついてしまうなんてことも……。間違った保存をされている方って、意外と多いんですよ」(5つ星お米マイスター 澁谷梨絵さん・以下同)。皆さんは、どのようにお米を保存していますか? 澁谷さんいわく、お米の保存で注意すべき点は、①場所、②容器、③期間の三つ。我が家は特に①の保存場所が✖、②と③は△という結果が言い渡されました。結婚して18年間ずっと間違っていたなんて衝撃です……。そんな我が家の間違い例と比較しながら正しい保存方法を見ていきましょう!
目次
常温保存はNG!
温度と湿度が最適な「野菜室」なら
虫やカビの心配なし
「高温と多湿な場所は絶対に避けなければなりません。22℃以上になると米に虫がつく確率がアップし、27℃以上になると虫がついてしまうと思ってください。また、湿気が多いとカビが発生しやすくなります」。ではどこがベストかというと、「冷蔵庫の野菜室。産地で保管されているときの温湿度が、ちょうど野菜室くらいなんです」。高温になりやすい冷蔵庫や電子レンジの近く、湿気がたまりやすいシンク下は、我が家のコンロ下と同じくらい適していないそうなので、もし置いているなら速やかに移動させましょう!
空気に触れるのはNG!
米の酸化と匂いうつりが防げる
「密閉容器」で保存して
お米を袋からケースに移しているのは正解でしたが、完全に密閉容器ではなかったことと、野菜室にしまえない大きさのケースだったので、総合判定は△。「お米は空気に触れた瞬間から酸化が始まるので、なるべく空気に触れさせないようにすることが大切です。精米された白米は匂いがうつりやすいので、密閉された容器に入れましょう。野菜室にも収納しやすい乾燥させたペットボトルやジップロックなどの保存袋がおすすめです。虫は米ぬかにつきやすいので、洗いやすい米びつを使うのも便利ですよ」
大量ストックはNG!
袋を開けなくても酸化は進むので
精米日から1~2カ月で食べきる
我が家のお米のストックはだいたい5㎏の1袋。これを1カ月ほどで食べきっているところは合格でした。ただしストック用のお米の扱いが大間違いで、安いときにまとめ買いをし、適当なところに置きっ放しにしていることもあったので、限りなく✖に近い△の判定でした……。「通気性をよくするために、米袋には見えない小さな穴が無数に開いています。だから開封していなくても酸化は進み、味は落ちていきます。もちろん匂いうつりもしてしまいます。そのため、まとめ買いは避けて傷みにくい冬でも精米日から2カ月くらいで食べきることをおすすめします」。買ってきたらすぐに小分けにし、野菜室で保存するのがベスト! 全部入りきらない場合は、ステンレスなどの米びつにいったん移し、屋内の涼しい場所に保管を。
お米マイスターおすすめの
おいしくお米を保存できる
密閉容器を紹介します!
野菜室にすっきり収まって洗いやすい。
ふたが計量カップなのも便利です
『パール金属』ハンディー ライス ストッカー
Shibuya’s recommend
「ふたが完全に外せるので洗いやすいですし、お米の移し替えもスムーズにできます。5㎏のお米は容器が二つあればギリギリ収まるので、二つ野菜室に並べて見た目もすっきり、お米を清潔にストックできます」
お洒落で機能的なステンレス製。
大容量なのでストック用にもぴったり。
『QD-SGMP』ライスストッカー
Shibuya’s recommend
「日光はお米を乾燥させて酸化を促す原因のひとつですが、ステンレスなら光も通さないので常温で一時保管する場合におすすめです。スタイリッシュで高級感がある見た目なのでお洒落なインテリアにもなじみます」
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そもそも私がシンク下で常温保存していた理由は、祖母の家も実家もそうだったから。そんな話を澁谷さんにしたところ「昔は今ほど気温が高くなかったけれど、近年は温暖化も進んでいるので難しくなったかもしれませんね」と言われました。確かに……。保存方法は環境に合わせて見直さなきゃだめですね。温かくなる前に皆さんも保存方法をチェックしてみてください! 私はまず野菜室の整頓から始めています(笑)。
監修
5つ星お米マイスター、株式会社シブヤ代表、「米処 結米屋」オーナー
日本で唯一、六つの穀物のプロフェッショナル資格を持つ女性米屋。全国各地を自身で歩いて探し出したこだわりの米を百貨店で販売し、女性の目線で日本人古来の米が持つヌカや麹の発酵技術を使った弁当・お惣菜を販売。