平日の朝は時間との戦い! ベッドメイキングにはじまり、身支度、朝食作り、掃除などやらなきゃいけない家事はたくさん。そんな忙しい朝の時間も、重曹を使うことで時短が可能だとしたら、取り入れない理由はありませんね。
人体や地球に優しいエコ掃除のイメージが強い“重曹”ですが、実は効率よく掃除を済ませたいときに大活躍するって知っていますか?「重曹は食器についた油や衣類についた皮脂汚れなどを落とすのに最適です。というのも、暮らしまわりの汚れの多くが酸性なので、弱アルカリ性の重曹をふりかけると、中和作用で汚れが剥がれやすくなるんです。この働きを利用すれば、無理なく家の中をきれいに保つことができます」と語るのは、重曹使いのエキスパート・岩尾明子先生。朝の準備をしながらの掃除、つまり“ながら作業”に重曹を取り入れると、時間や労力に無駄がなくなり、スムーズに掃除を済ませることができるそうです。朝、仕事に出かける前までのシーンを想定し、時系列で重曹の活用法をピックアップ。できそうなものから試してみてはいかがでしょう?
目次
6:00 起床後、ベッドやリネンに
スプレーして抗菌&防臭
「布団を干す時間のない平日の朝は、掛け布団やシーツ、枕に抗菌スプレー(※1)をさっと吹き掛けます。重曹の消臭効果とエタノールの殺菌効果により、寝具を清潔に保つことができます」(岩尾さん 以下同)
(※1)〈抗菌スプレーの作り方〉
1.無水エタノール120mlにラベンダーやミントなどの精油3~4mlを加えてよく混ぜる
2.水80mlを加える(精油が水に混じり、少し白濁します)
3.重曹小さじ1/2を加え、よく混ぜる。耐アルコール性のスプレー容器に移し入れて完成
6:30 洗顔のついでに洗面台を掃除
「洗顔や歯磨きのついでに、洗面台のボウルを掃除。重曹を直接ふりかけ、アクリルたわしなどで磨けば、くすみや黒ずみがとれてピカピカになりますよ」
7:00 朝食作りの後に
コンロまわりをさっと掃除
調理後のコンロに重曹スプレー(※2)をまんべんなく吹き掛け、数分放置。油汚れが分解されて水に溶けてきたところで、布でふき取る。仕上げに、酢を水で割った酢水(※3)をスプレーし、再度布でふき取ります。「重曹スプレーだけだとスプレー後、重曹の白い結晶が浮き出てくることがありますが、酢はそれを中和させて解消するはたらきがあります。重曹スプレーと酢水スプレーをセットでキッチンに常備しておくと便利。同じ要領でシンクや調理台にも使えますよ。コンロ以外にも、気になる汚れにスプレーし布でふき取るだけで簡単に身の回りの掃除ができます。ふき取った布も、重曹水を張った洗い桶で数分浸け置きすれば、軽くすすぐだけできれいさっぱりです」
(※2)〈重曹スプレーの作り方〉
水200mlと重曹小さじ1(濃度2~3%)を混ぜ合わせ、スプレー容器に移し入れます。
(※3)〈酢水スプレーの作り方〉
酢50mlに対して水50~100mlを目安に混ぜ合わせ、スプレー容器に移し入れます。
7:30 重曹をふりかけた洗い桶の水に
食器をつけ置きする
水を張った洗い桶に重曹大さじ1ほどふりかけ、食べ終わった食器を入れます。数分後、スポンジで洗い流せば中性洗剤を使わなくても汚れはきれいに落ちています。時間がないときは、重曹水につけたまま外出するのもあり。「あらかじめ食器の汚れを布で拭き取り重曹水につけると効果的です。それでもなかなか落ちない場合は、汚れを浮かせて包み込む働きのある液体石鹸(合成界面活性剤が入っていないもの。成分表示に『純石けん』『石けん素地』『脂肪酸ナトリウム』などと書いてあるもの)を併用するとスムーズに落ちますよ」
8:00 家具についた手垢やホコリを
さっと拭き掃除
「外出までに時間が余ったら……重曹スプレー(※2)を含ませた布で、目についた汚れをふき取ってみては? 重曹ならさっと汚れが落ちる上に、ふき取ったあとはベタベタせず、時間もかかりません」
重曹はあらゆる汚れに対応するので、汚れの種類ごとにあれこれ洗剤を買う必要はありません。キッチン、洗面台、寝室など、家の中の各所に重曹を常備しておけば、気づいたときにさっと掃除ができて便利。「朝ドタバタしていて掃除なんてする余裕がない!」なんて嘆く前に、一度重曹で掃除を取り入れてみるのはいかがでしょう? そして日課になったらしめたもの! 帰宅後、さっぱりした部屋が愛おしく感じるはずです。
(撮影/高橋智英)
監修
環境NGOクリーン・プラネット・プロジェクト(CPP)代表。ナチュラル生活研究家。重曹を使ったエコロジカルな掃除を日本に広めた第一人者。各地で講演をするなど、地球に優しい掃除法を提案している。著書に『NHK住まい自分流 手づくり洗剤レシピ 重曹・酢・石けん』(NHK出版)他多数。近著に『重曹、お酢、クエン酸の使いこなしバイブル』(主婦の友社)。