初めて猫を飼うことになったとき、我が家で猫が安全に暮らしていけるのか、まず専門家に見てもらい、幾つか室内の準備をしました。その際に指摘された注意点は、多くのご家庭にもあてはまると思います。猫を飼う際にありがちなトラブルとその解決法をご紹介します。
我が家には猫がいます。4カ月前に保護猫カフェからもらってきたハチワレの猫で、名前は「おはぎ」。実は私と夫は、おはぎが来るまで猫と暮らした経験がありませんでした。そのため、本当にお世話できるのか、猫は新しい暮らしを気に入ってくれるのかと、悶々としていました。そのとき頼りにしたのが、保護猫カフェのスタッフさんと保護猫団体の方です。我が家に来ていただき、猫に危険がなく過ごしやすいように手を加えるべき部分を洗い出しました。その際指摘されたのは、次の5項目。
- 窓から脱走する可能性
- 観葉植物を壊し、ケガをする可能性
- 薄型テレビを倒される可能性
- 水槽を壊される可能性
- 子供が追い回し、猫が落ち着けない可能性
それぞれについて、我が家でとった解決策をご紹介します。
① 窓から猫が脱走する可能性が
→いたずらな子供が開けられない補助鍵を設置
まず1階のリビングで、窓から猫が脱走する危険ありとのアドバイスをいただきました。猫は、網戸を破ったり、倒したりして脱走することもあるそうです。意外と力が強く、市販の猫脱出防止用ゲートでもダメな場合も(驚愕!)。
脱走防止のためガラス窓を開けないことに決めたのですが、ここで問題が発生。我が家には分別がつかない2歳児がいるのです。窓のロックをおもちゃだと思っているのか、頻繁に窓を開けたり閉めたりのイタズラざんまい。もし、タイミング悪く猫が逃げてしまったら…ということで、窓の補助錠を取り付けました。
使ったのは「ワンタッチ・シマリ」という商品です。名前どおり、軽くワンプッシュするだけでロックが立ち上がり、窓が開かなくなります。ポイントは、大人しか手の届かないサッシの上部に取り付けたこと。これなら、子供がイスにのって手を伸ばしても届きません。これで、子供のいたずらで窓から猫が脱走する心配はなくなりました。ちなみに、100均やホームセンターにはダイヤル式の補助錠も売られていますが、取り付け位置が高いと、いちいち背伸びしたりイスにのったりしてダイヤルを回すのが面倒です。ワンタッチ・シマリなら、ちょっと腕を伸ばせばロックできるので格段に楽ですよ。
② 猫が観葉植物を壊され、ケガをする可能性
→リビングから鉢植えとドライフラワーを撤去
リビングの出窓にサボテンや多肉植物を並べていましたが、屋外に移動しました。観葉植物は倒される危険があるためです。せっかく育てている植物に手を出されるのは悲しいうえに、鉢が割れ土が散乱すると掃除が大変ですよね。また、いたずらしたときに猫にサボテンのトゲがささるのも心配です。触られないのに越したことはないですね。なお、観葉植物には「毒」をもつものもあります。たとえば、ユーカリ。コアラが好んで食べるユーカリですが、葉に毒があります。我が家はリビングにユーカリのドライフラワーを飾っていたのですが、猫が食べるかもしれないので撤去しました。人間は大丈夫でも、猫にとっては危険な植物にも注意しましょう.
③ 猫が薄型テレビを倒す可能性
→頑丈な飛び乗り防止棚を設置
保護猫団体の方のお宅では、猫が液晶テレビを蹴り倒してディスプレイが割れてしまったそうです。仮に薄型テレビを買い替えるとなると数万円が飛んでいくでしょう。加えて、巻き込まれて子供がケガでもしたらと考えるとゾッとします。テレビを守るには、収納棚に納めるという方法があります。棚板とディスプレイの間が十分狭ければ、猫はテレビに飛び乗れません。そこで、カラーボックス2つと棚板を組み合わせ、収納棚を作ってみました。カラーボックスも棚板も、ネットで注文。「IPC DIYLab.」では、棚板をオーダーカットできます。ちなみに、今回選んだのは厚さ2㎝のパイン材。おはぎの体重は6㎏ほどですが、上に飛び乗ってもびくともしません。
④ 猫に水槽を壊される可能性
→ローテーブルをかぶせて水槽を保護
最も心配だったのが、リビングの水槽です。猫って魚好きなイメージがありませんか? 私はというと、「魚がいるお家では猫を飼えません!」となったらどうしようとビクビクしていたくらいです(苦笑)。実際は怒られることはなかったものの、テレビ同様に水槽も保護するべきとコメントをいただきました。水槽で気をつけるのは、猫が水槽の上に飛び乗らないようにすること。水槽のふたはアクリルでできており、猫の重みで割れる可能性があるからです。そもそも、水槽が気になるのは魚の動きが気になるため。猫は動くものに好奇心をかきたてられるそうで、おもちゃなど生き物でなくても惹かれるみたいです。
水槽には、ローテーブルをかぶせました。木目のローテーブルならインテリア的に違和感なく、サイズに気を配れば、水槽と棚板の隙間に猫が入り込むことなく魚の世話ができる余裕を持たせることもできます。水換えもテーブルをどかせば簡単。また、机が光を遮り暗いので、LEDライトも設置しました。テーブルなら背面には隙間が空いており、水槽のエアポンプやライトのコードを通せます。
⑤ 子供が追い回し、猫が落ち着けない可能性
→子供は通れない育児ゲートで逃げ場所を確保
猫が新しい環境になじむには時間がかかると言われました。どうしても家になじまない場合は保護猫カフェに返さなくてはいけません。最初こそキャットタワーや人気のない部屋に引きこもっていたおはぎでしたが、しだいにリビングに顔を見せてくれたのでホッとしたものです。さて、おはぎが安心して過ごせるようにと取り付けたのが、ベビーゲートです。
好奇心旺盛で手加減しらずの子供に見つかると、おはぎは怯えて逃げ回ってしまいます。そこで、ベビーゲートを階段の手前に設置し、逃げ場所を確保しました。子供はゲートを通れませんが、猫はゲートを飛び越えて逃げられます。階段の上に取り付けようかとも考えましたが、安全のため下を選びました。
◆猫を迎えて数カ月が経過。
家族仲良く暮らしています
おはぎはすっかり安心したのか、今では落ち着きのない子供がそばにいても大丈夫です。最近お気に入りなのが、リビングの小窓の部分。ローテーブルやテレビ収納をキャットウォークのようにつたい、難なくのぼっていく姿は見ていて気持ちがいいです。いろいろと準備はしましたが、残念ながらカーテンのタッセルなど、一部壊されてしまったものもあります。「想定できることは対策するけれど、どうしようもないことは諦める」そんなふうに、広い心で猫と暮らしていきたいです。