「水だけで頑固な汚れが落とせる」と人気のメラミンスポンジ。家中で使っているという方もいるかもしれませんが、実は使ってはいけない場所もあるんです。今まで厳密に考えたことがなかったメラミンスポンジの適材適所と使い方のコツをハウスクリーニングのプロ「おそうじ本舗」さんに伺いました。
水だけで掃除ができるメラミンスポンジ。便利だからと、家中にストックしている人も多いのでは?「メラミンスポンジは、メラミン樹脂をぎゅっと固めたスポンジです。スポンジに含まれる研磨剤が『削り取る』ことで汚れを落としていく仕組みです。洗剤を使わないから2度ぶきもいりません。手軽なお掃除アイテムですが、メラミン樹脂よりも柔らかい素材に使うと傷をつけてしまうので注意が必要なんです」(おそうじ本舗 尾崎真さん・以下同)
目次
要はスポンジより柔らかいと傷つく。
使ってはいけない場所は覚えておく!
基本的にスポンジより柔らかい素材のものがNGですが、OKな素材でもコーティングが施されているものなどはそれらがはげてしまうので注意しましょう。NGな場所や素材をそれぞれ説明すると、
- 便座カバー〜多くが樹脂製で、メラミンより柔らかいため
- 浴槽〜樹脂製の浴槽はNG(ステンレス製ならOK)
- 漆器〜漆がはがれてしまう
- フローリング〜ワックスなど表面のコーティングがはがれる
- 窓のサッシ〜光沢がなくなり傷がつく
- 艶のあるステンレス製のシンク〜表面の光沢が失われ細かい傷が
- 木のテーブル〜表面の加工がはがれ、材質を傷つける恐れも
- ドア窓や水槽〜ガラスに見えて実はアクリル板で、表面に細かな傷がつくことも
家の中にもNG素材は多く潜んでいます。掃除をする前にこれはOK素材なのか確認することを忘れないようにしましょう。素材が不明な場合は目立たない部分でテストしてから使うと失敗しませんよ。
使うときの注意点とコツは?
メラミンスポンジが使える場所、使えない場所が分かったらいよいよお掃除開始。注意点やアドバイスをお掃除のプロに聞きました。
・使う前にスポンジをしっかり濡らす~メラミンスポンジは水に濡らしてから使いますが、なかなか汚れが取れないなどうまくいかない方は水で濡らす量が足りないことが考えられます。こする際にキシキシ音がなるようならば足りていない証拠。したたり落ちるぐらいたっぷり水で濡らしましょう。
・ OKな素材でもコーティングしてあるものは要注意~鏡や便器など、メラミンスポンジが得意とする材質でも最近は曇り止めや汚れ防止のためのコーティングが施されている場合も。メラミンスポンジでこすってしまうとコーティングがはがれてしまう恐れがあるので、コーティングの有無もきちんと確認を。
・頑固な水あかはクエン酸を併用すると落ちやすい~水あかはメラミンスポンジが得意とする汚れのひとつなので、たいていの水あか汚れはさっとこするだけで落ちますが、まれに頑固にこびりついるものも。その際はクエン酸スプレーの併用を。水あかにクエン酸をかけ、その後メラミンスポンジでこすってみてください。するりと落としやすくなります。
・使用後に出るカスは掃除機で吸い上げ~網戸掃除に使うと、消しゴムのカスのようにメラミンスポンジがカス状に残りますので、掃除機で吸い取りましょう。
掃除場所別に使い分けて。
おすすめメラミンスポンジ
100均でも手に入るメラミンスポンジ。「見た目も一緒だし、どれも同じ?」と思えますが、実際に使ってみると、耐久性や汚れ落ちでその性能には差があり! お掃除前に揃えたい2種を推薦。
レック
◆ 激落ちくん キューブ ◆
使いやすいサイズにカットしてあって◎
細かな溝も掃除しやすい!
食器の茶渋落としや洗面台の排水口にちょうどよく、W4×H4×D2.9㎝という片手でつまめるサイズにあらかじめカットしてあって便利。小さくても丈夫でへたりにくく、しっかりこすってもボロボロにならず掃除がしやすいですよ。
オーエ
◆ New一撃くん ジャンボ ◆
窓ガラスや網戸などの大物掃除にはこれ!
硬めだから汚れが気持ちいいほどよく落ちる
約W32×H11×D3.3㎝と一般的な台所スポンジよりも大きめのサイズで窓ガラスや玄関など、広い面を一気に掃除したいときに便利。 スポンジの密度が詰まっておりやや硬め。少し力をかけてもちぎれにくく、汚れがしっかり落ちると評判です。
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研磨して汚れを落とす仕組みなので、酸性の油汚れや手あか、アルカリ性の水あかや石けんカスに至るまで守備範囲は広いものの、傷がついてしまうものがあるという注意点をお忘れなく。掃除のプロが教えてくれた適材適所を確認しながらメラミンスポンジで賢くお掃除していきましょう。
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ハウスクリーニングのプロ集団「おそうじ本舗」の商品・サービス開発の責任者。加盟店の掃除技術・店舗経営を指導するスーパーバイザー職を担当したのち現職に。プロのスゴ技を「家庭で簡単にできるお掃除術」に変えて、テレビ、雑誌、新聞などで紹介している。