作っても、べちゃっとしてなかなか成功しないチャーハン。炒める際に油がはねてキッチンが汚れたり、成功確率は低いのにまあまあ手間がかかります。そこで手に取りたいのが冷凍チャーハンです。冷凍食品は「手間抜き」と話す冷食ジャーナリストの山本純子さんにお店に引けを取らない絶品3品を教えてもらいました。
かつてはお弁当用が中心だった家庭向けの冷凍食品。冷凍食品全体が、自分で作るよりも味や質は落ちるというイメージがありました。「そんななか、2001年に登場した『ニチレイフーズの本格炒め炒飯』は、家庭で作るものを超えた味として大ヒット。それは、プロが作るチャーハンを科学的に調査。加温の仕方や、炒め方などをどう再現するか徹底的に研究し、みなさんが求めるパラパラとした仕上がりを実現したからです。しかも電子レンジでOKという簡単さで瞬く間に家庭に浸透していきました。それからおよそ20年、今も各社風味アップや、パラパラ具合の改良に力を注いでいます」(冷凍食品ジャーナリスト・山本純子さん 以下同)。市場に出た冷凍チャーハンはほぼ全て食べてきた山本さんおすすめの3品をご紹介します。
★★★ニチレイフーズ★★★
本格炒め炒飯
「18年連続売り上げNo.1。米のパラパラ感と
ゴロゴロ焼豚の食感バランスが最強です」
2001年に発売されて以来、冷凍チャーハン界をリードしているのがこちら。「この商品が出てから、チャーハンは家で作るより、冷凍のほうが断然おいしいと評判になり、冷凍食品そのもののイメージも覆しました。2015年の春には3段階に分けて炒める新技術の導入により、パラッパラの炒め感がさらに強くなりおいしくなりました。焦がしネギ油と焦がししょうゆが香りと風味をアップさせ、食欲をそそる味わいなんです。ゴロゴロした焼豚も入っているので食べ応えがあって男性ウケも◎です」
★★★味の素冷凍食品★★★
ザ★チャーハン
「ホタテのコク成分を隠し味にした、
とまらないおいしさ!600gの量はお得感も」
2015年に発売されたザ★チャーハンは、それまで無かった大容量600gを発売。冷食チャーハン界にひとり暮らしの男性マーケットを確立させました。「レンゲが止まらなくなるようなおいしさとは何だろうと研究した結果、たどりついた味わいがホタテのコク。その成分が隠し味に使われているのですが、ぐっと本格中華の味わいに近づき、知らずに食べたら冷凍食品とは気づかないくらいです。焦がしにんにくのマー油、ネギ油の香ばしさ、焼豚のうま味が噛むほどに口いっぱいに。メーカーの思惑通り、一度口にすると、止まらなくなる商品です。また、従来は、容量は450g入りの冷凍チャーハンが主流でしたが、この商品は600g入り。600gは、男性であれば1回に食べれば大満足の量、女性であればその半量を食べても「おいしかった」と満足が得られる量。その絶妙な容量もヒットした理由だと思います」
★★★マルハニチロ★★★
炒飯の極み[えび五目XO醤]
「赤坂離宮の譚料理長監修。魚介のダシと
XO醬の辛味が混ざり合いつつもさっぱり!」
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冷凍チャーハン界が再度盛り上がりを見せた2016年。きっかけはマルハニチロが五目チャーハンで勝負に出たことでした。「中華の名店、赤坂離宮のオーナーシェフである譚料理長が監修した炒飯の極みは、パラッとしつつもふわっとした仕上がり。まさに高級中華飯店の味が再現されており、冷凍チャーハンもここまで来たかと本当に驚いた一品です。五目チャーハンといっても具が申し訳なさ程度に入っているものも多いなか、これはエビ、卵、アサリ、タケノコ、小松菜、ネギ、豚ひき肉ととにかく具だくさんなので食べ応え抜群なのも魅力。エビや魚介のうま味が口いっぱいに広がりアクセントでXO醬の辛さがピリッと効いていて満足度大。これにスープをつけて食卓に出したら立派な中華飯店のメニューになりますよ」
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自宅でのひとりランチなどに重宝する冷凍チャーハン。食べたい分量だけ温められるのも便利ですよね。それにここまでおいしさが進化しているなら堂々と一品として食卓に出しても良さそうです! 山本さんが常々おっしゃっていますが、冷凍食品は「手抜き」じゃなくて、「手間抜き」。忙しいみなさん、冷凍チャーハンでたまには上手に手間抜きしてみませんか?
取材したのはこちら
冷凍食品ジャーナリスト。冷凍食品専門紙の記者・編集長・主幹を34年務めたのちに2015年10月に独立。「冷凍食品エフエフプレス」を立ち上げ、本当においしくて楽しい冷凍食品の情報をお届けすべく活動中。自称“冷凍食品おばさん”。