開発担当が語る、大人気「無印良品の羽毛掛ふとん」3つの自慢

2018年10月の発売以来、どんどんファンが増えているという無印用品の「グレー羽毛掛ふとん」。支持される秘密はどこにあるのか、開発担当の方に取材しました。いつもながら、鋭い視点と細かな工夫で使いやすい商品に仕上げる開発力の凄さに感心しつつ、またまたほしくなってしまいました(笑)

体にふわっと空気が降りてくるような軽い掛け心地と温かさが購入者から大好評の「無印良品」の羽毛掛ふとん。「弊社の羽毛掛ふとんは全てウクライナ産のグレーグースとグレーダックの羽毛を使用しています。羽毛はとても暖かく、体に沿う柔らかさもあります。その特長を生かし、素材や機能性を考えて無印良品では4種類のグレー羽毛掛ふとんを作っています。おかげさまでお客さまからも『保温性と通気性が抜群にいい! 臭いがほとんど気にならない! 買ってよかった!』という声がとても多く、社内でもギフト需要がとても高いんです」(無印良品 生活雑貨部 久保田裕子さん・以下同)。

押すとふかふかだけどしっかりと弾力もあります。

【グレー羽毛掛ふとん買うべき3つの理由】

  1. 自然に近い環境で育った強く暖かい羽毛
  2. 好みに合わせて4種類から選べる使い勝手のよさ
  3. すっきり片付けられる収納ケース付き

この3点について、詳しく見ていきましょう。「買って損はさせません!」と久保田さんも自信を持っておすすめするグレー羽毛掛ふとん。掛ふとんの買い替えを検討しているみなさん! この記事を読み終えたらほしくなっているはずですよ。

目次

買うべき理由①
ウクライナで自然に近い放し飼いで育てられた
グレー羽毛の掛ふとんは軽くて丈夫で暖か!

自然のなかでのびのびと成長したグースは、運動能力に優れ、ダック(あひる)より体が大きいのが特徴。グレーグースの羽毛は、強く、暖かく、ふとんに最適なんだとか。

「羽毛ふとんを開発する際、どこの羽毛を仕入れたら良いかさまざまな場所を検討しました。強制餌づけをされていない、白やグレーなど毛色を分けて育てていない、鳥がストレスなく暮らせる環境などを重視して、ウクライナ産のグースやダックの羽毛に辿り着きました」。実はグレーとホワイトの羽のクオリティにはほとんど差はなく、むしろ白さのために品種改良を重ねたホワイトよりも、グレー羽毛のほうが丈夫で暖かいんだとか。「ウクライナの村人たちは自分たちの食用として鳥を放し飼いにして育てています。冬越しのタイミンクで最も食べて、残された羽毛や羽根は、自分たちのふとんや家具のクッションにしたり、少量ずつ売りに出して生活の糧にしたりしています。良質なウクライナ産の羽毛をMUJIでも使わせてほしいと、お取引がはじまりました」。輸入された羽毛のうち、二層式と一層式で使用しているグースの羽毛は、三重県大台ケ原山系の粒子が細かい天然水で洗っています。羽毛の垢や隙間に入っている小さな汚れまで取りきることができ、ふわふわな仕上がりに。羽毛ふとんの獣臭が苦手という人もいますが、無印良品の羽毛ふとんは、この丁寧な洗浄により、臭いもかなり軽減されているそうです。

買うべき理由②
ダウンパワー抜群の羽毛を使った
高品質を好みに合わせて全4種類から選べる!

各種類、シングル・セミダブル・ダブル・クイーン・キングの5サイズ。二層式と一層式(立体キルトタイプ)はグレーグース、軽量一層式と薄掛ふとんはグレーダックの羽毛を使用しています。

羽毛布団やダウンジャケットの暖かさを決める目安は、ダウン混率よりもダウンパワー(羽毛の膨らみ具合を数値化したもの)と入っている量にあります。「一般的に羽毛ふとんで使用されている平均ダウンパワーは約350dpですが、弊社で使用しているウクライナグースの羽毛は、ダウン混率85%でもダウンパワーが400dpあります。400dp越えはゴールドラベル並みの品質なのです」。よく“ダウン混率が90%以上じゃないんですか?”と聞かれるそうですが、ダウンパワー300でダウン混率が90%のものよりも、ダウンパワー400でダウン混率が80%入っているもののほうが暖かいんだとか。軽量一層式で使用しているダックも350dpあり、グースより劣りますが十分暖かいそう。「ちなみにふとん側生地は静電気を防ぐ静電気防止糸が織り込まれたポリエステル生地を使用しています。できるだけ柔らかくて薄い生地を選び、羽毛がふわっと膨らもうとする力をつぶさないような工夫もしてあります」。これは、パチパチして静電気が起こりやすいというお客さまの声を反映して改良をされたそう。このハイスペックな羽毛を使いつつ、利用状況に合わせて四つのタイプから選べることも、人気の理由のひとつ。

とにかく暖かさ重視なら
→「グレー羽毛掛ふとん・二層式
羽毛の量がいちばん多く入った二層式は、羽毛の偏りを防ぎ、体を満遍なく包み込む二重構造のキルトを採用。表裏のキルト位置をずらして互い違いに重ね合わせることで、暖まった空気が逃げるのを防ぎます。1枚で十分暖かいので毛布いらず!

1年を通して使うなら
→「グレー羽毛掛ふとん・一層式
マチが斜めに入って体に沿いやすい特殊立体キルト構造が特長の一層式(立体キルトタイプ)。暖かさが逃げにくいうえに羽毛の偏りが少なく、ふっくら均等に膨らむので、二層に近い感覚が味わえます。夏の寝室のエアコン対策にもぴったり。久保田さんは通年こちらを愛用中だとか。

ふとんの重たさが苦手なら
→「グレー羽毛掛ふとん・軽量一層式
ふわっと軽くて心地の良い軽量一層式。“お気に入りの暖かい毛布があるので、羽毛掛ふとんにはそこまで暖かさを重視していません”という方におすすめ。グレーダックの羽毛を使用しているので、軽くても十分暖かい!

毛布代わりに気軽に使うなら
→「グレー羽毛・薄掛ふとん
ちょっと肌寒いときに、膝掛けや厚い毛布代わりとして使える薄掛ふとん。持ち運びできる軽さとサイズ感なので、フェスやキャンプなどアウトドアシーンにも使えます。春夏に人気の商品です。

皆さんは、どれが好み? 我が家の寝室は熱がこもりやすいので、一層式が丁度いいかも。

買うべき理由③
収納スペースが狭くても
コンパクトにしまえるケースが便利!

ふっくらしている羽毛掛ふとんをシーズンオフに収納することを考えて、パッケージをよりコンパクトに! (※パッケージの文字デザインは変更する場合があります)

「羽毛自体の通気性、放湿性と発散性が高いので、収納パッケージもできるだけ天然素材が良いだろうと、綿の生成タイプに変更しました。ボリュームのある二層式でもクローゼットの奥行きに収まりやすいサイズ感なので、収納が小さなお部屋でも安心です。こちらのパッケージは、グッドデザイン賞100に選ばれました!」。すっきりしたデザインは、クローゼット内の見た目もきれいに。シンプルでお洒落な収納袋は、“この袋だけがほしい!”という人もいるそうです。

【グレー羽毛掛ふとん】二層式[素材:ポリエステル100%(側生地)、ダウン85%・フェザー15%(詰め物)]Sサイズ39,900円〜/一層式(立体キルトタイプ)[素材:ポリエステル100%(側生地)、ダウン85%・フェザー15%(詰め物)]Sサイズ29,900円〜/軽量一層式[素材:ポリエステル100%(側生地)、ダウン80%・フェザー20%(詰め物)]Sサイズ19,900円〜/グレー羽毛薄掛ふとん[素材:ポリエステル100%(側生地)、ダウン80%・フェザー20%(詰め物)]Sサイズ9,990円〜(全て税込) ※サイズは、S(150×210㎝)、SD(170×210㎝)、D(190×210㎝)、Q(210×210㎝)、K(230×210㎝)。

「無印良品 グレー羽毛掛ふとん」を
公式HPでチェックする

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羽毛ふとんの日頃のケアは、日陰の天日干しで十分なんだとか。もし洗濯したい場合は、家庭ではなく、ドライクリーニングがおすすめです。原料の値段が上がっている昨今、羽毛ふとんの価格も上がってきたと言われています。そんななか、無印良品の羽毛掛ふとんは増税にもかかわらず、価格を見直し、よりお安くなって登場!  この冬お買い得な1枚かもしれません。冷え性な私も寒さが厳しくなる前に新しい羽毛掛ふとんを買わなくちゃと思いました。

(撮影/石田純子)

取材したのはこちら

1980年、母体である西友の自社開発の経験を基にノーブランドの商品発想で作られた「無印良品」。商品開発の基本は、生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちで作ること。そのために、素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略化。その方針が時代の美意識に合い、シンプルで美しい商品が長く愛され続けている。店舗は現在、全世界で700を超え、商品アイテムも、衣服や生活雑貨、食品、そして家まで、7000アイテムを超えている。

株式会社良品計画

https://www.muji.net/store/

監修

2009年 ㈱良品計画入社 。入社以来、約10年生活雑貨部 ファブリック部門の、リビング、寝装品のファブリック企画、開発に従事。開発のみならず、品質、生産管理も歴任。
主力生産国の、中国、インド、ベトナムのみならず、キルギス、メキシコ、ネパールなど
世界の適材適所なファブリックを、開発し続けている。

(株)良品計画 生活雑貨部 久保田裕子さん