最近人気の、１万円～２万円くらいの家庭で使いやすいちょっといいフライパンを紹介します。フライパンの質は料理の出来にダイレクトに跳ね返ってくるとキッチンまわり評論家のさわけんさん。今まで500種類以上のフライパンを試してきたという目利きにおすすめを５点選んでいただきました。
コロナ禍で在宅時間が増えるなか、売れ行き好調なのがキッチングッズ。フライパンでは高級テフロンと鉄フライパンが二大人気です。「スキャンパン、ティファールの高級ラインは、テフロンの特性であるひっつかないという魅力に加えて熱もちが良く、料理の仕上がりがきれいという特長があります。一方、鉄製は重さで女性から敬遠されがちでしたが、薄手の鋳鉄フライパンを出した『錦見鋳造』魔法のフライパンがちょっとしたブームを巻き起こしたのに加えて、見た目のカッコよさもあって再び注目されています。鉄分を取れ、油が少なくて済むなど健康面での魅力もありますよ。テフロン、鉄製いずれも１万円〜２万円というちょっといい価格帯のものに人気が集まっているのが最近の特徴。フライパンは適度に厚みがあり重いほうが素材に熱が均一に伝わり、料理がきれいに仕上がりますが、この価格帯はその条件を満たすものが多いですね」(キッチンまわり評論家・さわけんさん 以下同)
さわけんさんがセレクト。
家庭で使いやすい
おすすめフライパン５選
★★★スキャンパン★★★
IQシリーズ フライパン 28㎝
「熱源を選ばず余熱調理もできる優秀さ。
焼き色をきれいにつけたい調理におすすめ」
サイズ：深さ35×直径280×長さ480㎜ 素材：高密度アルミニウム、チタン合金、フッ素樹脂、ステンレス、フェノール樹脂 重さ：1405g 加工：フッ素樹脂塗膜加工 STRATANIUM(PFOAフリー) 対応熱源：ガス、IH、ラジエントヒーター、電気コンロ、オーブン(260℃まで) 実勢価格：26,000円前後
高密度のアルミ素材を採用し、炒め料理が多い日本の台所事情を考慮したデザインが特長のフライパン。「熱ムラが少なく、パンケーキ、パエリア、餃子などの色がきれいについてほしい調理におすすめです。火を消しても余熱が長く続くので肉焼きにも◎。グリル板もひっつかないお手軽なグリルとしてもとても優秀です。素材はアルミですが圧縮されていて変形しづらく、しかもコーティングも含め10年保証なので安心感があります」
★★★ターク★★★
クラシック 24㎝
「つなぎ目のない鉄製フォルムがカッコよく
映えるし100年以上使えます」
サイズ: 直径240 × 深さ 115 × 長さ460㎜ 素材：鉄 重さ：1300g 対応熱源：ガス、IH、オーブン(電子レンジ不可) 実勢価格：19,000円前後
高温に強く、炒めものや焼きものといったシンプルな調理法に最も適しているのが鉄製のフライパン。コーティングされてないので温度も上げ放題。熱いまま水につけるなど手荒な使い方をしなければ100年経っても使えるという普遍性こそが魅力です。「３㎜以上の厚みがしっかりある鉄のフライパンならどれを選んでもいいと思いますが、僕が特におすすめしたいのはこのターク クラシック。19世紀創業のドイツブランドで、つなぎ目のないフォルムがとてもカッコいいんです。見た目が素敵というのも毎日料理をすることを考えるとテンションを上げるために必要な要素ではないでしょうか？」
★★★岩鉄鉄器★★★
ダクタイルパン 26㎝
「重さは通常の鉄フライパンの半分！
薄くても優れた熱伝導性でムラなく調理」
サイズ：深さ50×直径260×長さ460㎜ 重さ:約1120g 素材：鋳鉄 重さ：1405g 対応熱源：ガス、IH、シーズヒーター、ラジエントヒーター 実勢価格：17,000円前後
鉄内部の炭素を球状化して強度を強めたダクタイル鋳鉄を使用し、薄いのに優れた熱伝導性を実現したことが料理ファンに注目されているフライパン。「鋳型に鉄を流し込んで製造される鋳鉄のフライパンはスキレットと呼ばれ、炭素量が多いことで油なじみがよく、厚みもあり熱もちがいいのですが、表面がざらっとしているのでしっかりとシーズニング(使い始めに行う油慣らし)しないといけないし、重く扱いにくいと思われがちです。でもこれはかなり薄手で、重さは一般的なスキレットに比べると半分以下。重さがネックで鉄フライパンを諦めていたという方はぜひチェックしてみてください」
★★★ル・クルーゼ★★★
TNS ディープ・フライパン NC 26㎝
「珍しい取っ手付きで持ち運びしやすい。
お手入れもしやすく料理初心者におすすめ」
サイズ：深さ65×直径260×長さ520㎜ 重さ:1340g 素材：アルミニウム合金 対応熱源：ガス、IH、オーブン(260℃まで) 実勢価格：15,000円前後
人気のル・クルーゼですが、このモデルはやや深みがあるので、焼きものや炒めものだけでなく、汁ものにも活躍してくれそうです。ヘルパーハンドルが装着されているので持ち運びもラクラク。「フライパンは調理すると材料が入って重くなるので皿に盛る際や運ぶのが大変だったりしますよね。これは、持ち手と反対側にも取っ手がついているので持ち運びしやすく何かと使い勝手がいいのです。テフロンコーティングは他と比べても普通ですが、特別なメンテナンスも不要で扱いやすいので料理初心者におすすめですね」
★★★ティファール★★★
ルビーエクセレンス ウォックパン 28㎝
「丁寧に使えば５年以上もつ質の良さ。
熱ムラが少なく炒めものに最適です」
サイズ: 直径290 × 深さ123× 長さ470㎜ 素材：アルミニウム合金、アルミニウム合金+ステンレス、フェノール樹脂 重さ：1100g 加工：6層の「チタン・エクセレンス」コーティング 対応熱源：ガス、電気プレートコイル、セラミックヒーター、ハロゲンヒーター、IH 実勢価格：5,000円前後
定番のアルミフライパンならこれ。アルミのフライパンは軽くて扱いやすく熱伝導性も高いのが長所ですが、コーティングが剥がれやすく寿命は２年程度といわれています。「でもこのモデルはコーティングが丈夫で、ちゃんと使えば５年以上もちます。チタン・エクセレンス コーティングでこびりつきにくさが大幅アップ。地金は厚めで熱もちが良く、熱ムラが少ない優秀さで、さらにコスパもいい。持ち手が太めいことが玉に瑕ですが、買って後悔しないフライパンだと思います。中華鍋のような深さがあるウォックパンは、炒めものが中央に集まりやすいので、こぼれづらく混ぜやすいから調理がしやすいですよ」
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見た目のお洒落さで選ぶもよし、よく作る料理に合わせて選ぶもよし。ちょっといいフライパンが加わるといつもの料理がぐっとおいしくなるので、面倒な調理も楽しくなりそうですね！
取材したのはこちら
科学的、論理的に料理に取り組めば より簡単においしい料理ができるはず!をモットーに、調理学校での教育経験と料理人としての経験を活かし、テレビ・雑誌・ラジオとあらゆるメディアで活躍。モノ比較雑誌「LDK」のNo.1識者でもあり、ありとあらゆる食品を食べ比べ、キッチングッズを日本一使い比べしている。書籍「ぶり大根が15分でできてなんならお客さんにも出せる」(ダイヤモンド社)も話題。
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