【58㎡を広く暮らす】設計とインテリアの戦略

ご主人は某有名百貨店でさまざまなプロジェクトに関わるAさんファミリー。立地優先で選んだ世田谷の家は、家族3人で58㎡とやや狭めですが、コーポラティブハウスの強みを生かした設計とインテリアのアイデアで快適な居住空間に! スペースを効率よく使う、その工夫を早速見ていきましょう。

世田谷区の閑静な住宅地に建つ、開放的なテラス付きメゾネットタイプのコーポラティブハウス。

目次

リビングとつながるテラスがあることで
開放感が格段に上がりました

ご主人のご実家が江の島なので、テラスはリゾート感溢れる開放的な仕様にこだわったそう。遊び心で設置したハンモックもお気に入りの場所のひとつ。

ご主人が設計時に最もこだわったのは、南向きのテラス。「リビングとつながるテラスがあるだけで、外光もたっぷりと室内に届くし実際の面積以上の開放感があります。住み始めて1年半になりますが、全く飽きることなく、毎日リゾートのモダンホテルにいる気持ちになれますよ」。夏場はプールをです出して子供と遊んだり、パパ友を呼んでピクニック感覚でテラスを楽しむなど、家での過ごし方にもバリエーションが増えたことも大きなメリットだとか。

カーテンではなくブラインドに
することで窓際がよりすっきり

リビングからつながるテラスの入り口。「向かいの家は北側で常に閉まっているので、日中はブラインドを上げ、日差しとテラスの風景を楽しみます」。(奥さま)

インテリアコーディネーターをしているご主人のお母さまのアドバイスもあり、カーテンはどの部屋にも使用していません。「カーテンを使うとサイドにたまり幅を取って、視界を狭くしてしまいます。リビングはホワイトのウッドブラインドにしました。遮光性がそれほど必要なく目隠しが目的なら、ブラインドはおすすめです。さらにグリーンを上から垂らすことで、目隠し効果を高めています」(ご主人)

壁をくりぬいてスペースを作れば
壁面はすっきりしたまま
お気に入りの雑貨が置ける

このスペースは、季節を感じさせる装飾スペースとして利用。「クリスマスツリーなど、床に置くものは極力使わず、手狭さを回避しています」(ご主人)

玄関に入ってすぐの壁は、くりぬいたニッチスペースになっています。棚を取り付けるとその分空間が圧迫されますが、壁をくり抜いたスペースなら壁の内側にお気に入りのインテリア雑貨を飾ることができます。「額縁風に仕上げたこともあり、ちょっとしたものを置いてもアートっぽく見えるんです。来客があったとき目に入る場所なので、季節感を出すおもてなしの場所でもあります」(ご主人)

はがせるウォールステッカーで
壁をキャンバスのように楽しむ。
目線が上がるので空間が広く感じます!

「イベントごとに子供と一緒に壁に装飾するのも、大切な思い出の時間です」。(ご主人、写真提供/Aさん)

「普段はグレーの壁がモダンなリビング兼ダイニングですが、クリスマス、誕生日、ホームパーティなどのイベント時にはカラフルなウォールステッカーを貼って、遊び心をプラスします」(ご主人)。季節を感じさせる演出だけではなく、目線を上に持って行き空間を広く見せる工夫としても、貼ってもはがせるウオールスッテッカーは大活躍。去年のクリスマスはお子さまと一緒にウォールステッカーを貼ってお祝いしたそう。

イタリアから取り寄せた自慢の
テーブルは2枚板。
人数に合わせて使い分けしています

昇降テーブルは「OZZIO ITALIA」のもの。インテリアコーディネーターをしていらっしゃるお母さまに「カッコいい昇降テーブルを知らない?」と尋ねたとき紹介されたそう。

14.5平米のリビング兼ダイニングで使用しているのは、イタリアから6カ月かけて届いたテーブル。2枚板になっているので、大人数で使うときは広げて使用。スペースを有効活用できるのも◎。「高さも変えられるので、今はこの高さでカフェっぽいイメージを楽しんでいます」(奥さま)

内側にも玄関扉を設けることで
廊下なしでリビングと玄関を分ける

モダンとモノトーンがインテリアのテーマなので、扉横の収納壁も、雰囲気のある濃いめのウッドを使用。奥行きのある収納スペースは、ご主人の趣味アイスホッケーの防具も入るようなサイズ感にこだわったそう。

Aさん宅の入り口は、扉→玄関→扉→リビングという構成。「多くの家は廊下がリビングまで長く続いていますよね? その面積がもったいないので廊下を極力なくし、玄関扉を設けることで『ここからが部屋』という工夫をしました。それに合わせて変形した床暖房にしましたが、子供がハイハイで台所まで来て座ったりするので、結果正解でした(笑)。エアコンも生活感や圧迫感が出るので、ホテルなどによくある天井カセットエアコンにしています」(ご主人)

思い出の家具も洗濯機もビルトイン!
凹凸なく収まるように事前に採寸

洗面所にある、主にアンダーウェアを入れているタンスの上にはアイロン台を置くスペースを確保。限られたスペースを白のビルトインでまとめたことによって、清潔感のある洗面所がよりすっきりと見えます。

「この家具は初めて妻と買った思い出のある物なので、引っ越しの際家具はほとんど捨てましたが、これだけは持ってきました。ビルトインできるようにあらかじめサイズを伝えました」(ご主人)。案外収納場所に困るアイロン台もサイズを測って設計したので、ぴったりタンスの上に収まっています。限られたスペースを広く使うために、洗面所の下には洗濯機もビルトイン。

こんなにいろいろアイデアを実現できるのは、注文住宅に近い設計自由度があるコーポラティブハウスならではですが、空間を広く快適に利用する工夫は、参考になることも多いはず。「モダンなモノトーンのマテリアル(タイル・モノトーンウッド)を使い、単調になりすぎず表情を出せました。モノトーンベースにすることでより大好きな観葉植物や絵・オブジェ、クリスマスなどの季節の装飾が映えるんです」(ご主人)と、徹底的に生活目線で考え抜いて作ったからこそ、受け取る満足感も高いのかもしれませんね。

(撮影/大場千里)