年末が近づいてきて、大掃除のことを思うと憂鬱になりますね。できるだけ効率よく、でもしっかりきれいに家を磨き上げたいところです。そんなあなたのために、「知的家事スタイルの会」が主催したお掃除セミナーに行ってきました! 講師は、掃除のプロ「おそうじ本舗」の方。大掃除の準備に入る前に、覚えておきたいお掃除の基本をご紹介します!
本間朝子さんが主催する「知的家事スタイルの会」、今回のセミナーは掃除のスペシャリスト、おそうじ本舗の望月さんが講師。もうすぐ年末ですが、どちらかというと「掃除は毎日よりは1日置きでいいんじゃない?」と思っているずぼらライターの私は、年末の大掃除に少しプレッシャーを感じていた時期だったので、ぜひともこのセミナーでプロの掃除のコツをマスターしたいと思い参加しました。「まずは汚れの基礎知識 、汚れの性質と使用する適切な洗剤を知っているか知らないかで掃除の効率が相当変わります」(おそうじ本舗 大崎店店長望月さん・以下同)。私自身もゴシゴシこすっても落ちない汚れがあると掃除をするモチベーションが一気に下がることがあります。望月さんが教えてくれた掃除の基礎知識や汚れの性質を理解することで、掃除に苦手意識がある人もそのプレッシャーから解放されるとのこと。年末の大掃除のヒントになりそうなプロのテクニックが盛りだくさんだったので、早速シェアしていきますね♪
目次
汚れの難易度を知って
お掃除の効率を上げる!
まずは汚れの種類を知ることが大事です。「髪の毛、ホコリ、土、砂などの乾いた汚れは、乾いた状態のまま取り除くことがポイント。よくスプレーの洗剤をシュッシュッと使って掃除をする人がいますが、濡らしてしまうと水分で汚れが建具にくっついてしまい、かえって汚れが取りづらくなってしまうので逆効果です」。会場から「えー、やってしまっていた……」とどよめく声が聞こえました。乾いた状態のままはたいたり、雑巾のからぶきをするのが楽に汚れを落とすコツだそう。落としにくい汚れは材質の表面に付着した汚れが時間の経過とともに材質にしみこんだり、固着しているため簡単には落ちません。そこで、汚れの種類に適した洗剤の出番になります。「落としきれないサビなどは汚れではなく、素材自体が変質してしまっている場合があります。研磨すれば落とすこともできますが、一般の方が行うと傷ついてしまうこともあります」。落としきれない汚れについては無理に手を出さず、プロに相談するのも手かもしれません。
汚れの種類を知れば洗剤が決まる!
適切な洗剤を使用するのがポイント
「汚れが酸性かアルカリ性かを知っておけば、その反対の液性の洗剤を選ぶと洗剤が汚れにきちんと作用するため、ふき取るだけできれいになります。これがわかっていたら掃除への苦手意識は軽減されると思います」。「あ~なるほど!」と理解。このお話の要点をまとめると、「酸性」の汚れ(キッチンの油やお風呂の皮脂)には「アルカリ性」の洗剤を使い、「アルカリ性」の汚れ(水あか、尿石)には、「酸性」の洗剤を使うということ。汚れにあった洗剤を選ぶことがポイントなんですね!
ちなみに、こぼしてすぐのタバコの灰などは水溶性なので、水ぶきで対応可能です。要は、汚してすぐにきれいにするほうが対応が楽だということ。面倒くさがって後回しにするほどお掃除が大変になるんです。
洗剤は濃ければ汚れを落としやすい
というわけではないって知ってた?
ひとつ、洗剤を使うときのアドバイスがありました。「希釈倍率とはその洗剤を水で薄めるときに決まっている倍率で、その洗剤が最も能力を発揮してくれる倍率です」。節約のために量を減らしたり、頑固な汚れだと思い込み濃いめにしたり…。この希釈倍率を守らないと素材が変色する、ステンレスが黒ずむ、塗装が落ちるなど素材を傷める原因になるそう。
場所別の賢い掃除方法も
しっかり聞いてきました!
プロの技をセミナーで習ったので、自宅に帰る前にドラッグストアへ立ち寄り「この洗剤は何性なのか?」を確認し購入。今まで見て見ぬふりをしていたガス台の油汚れやトイレの尿石を掃除してみました!
実践①まずはガス台!
こびりついた汚れには付け置き、湿布、
ラッピングという方法で!
湿布という方法は、主に頑固な油汚れや尿石に有効で、固着した汚れをふやかすのが目的。壁など垂直な面に洗剤をスプレーすると重力で垂れてきてしまうので、キッチンの壁であればキッチンペーパーを、トイレの便器内に付いた尿石であればトイレットペーパーを汚れに充ててその上から洗剤を拭きかけると洗剤が垂れずにぺたっと汚れに張り付きます。洗剤を吸った状態で汚れにぴったり張り付くので付け置き状態に。「大掃除などでは、まずはつけ置きから。汚れの付着状況にもよりますが、頑固な汚れが多いキッチンのガス台など時間のかかる場所からスタートさせましょう! そうするとつけ置き時間にほかの場所を掃除できて、効率よくお掃除できます!」
実践②トイレの尿石
諦めていた尿石には洗剤を
浸透させてからブラッシング
「硬い汚れ(水あかや尿石)の落ちづらさの原因は、固い汚れが地層のように何層にもなっていて、なかなか洗剤が浸透しにくいことにあります」。尿石はアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤を購入し帰宅。「ゴシゴシこするのではなく、汚れと反対の液性の洗剤を使ってつけ置きすればいい」と習ったことを実践! こすらずに汚れに洗剤が浸透するのをただ待つだけなので、ストレスもなくきれいになりました。まだ気になっているお風呂場のカビ対策は実践できていませんが、カビにはカビ除去剤を使うのが有効。高温多湿、ジメジメとした場所にカビの栄養源があるとのこと。「面倒だという方には簡単な方法があります。菌は温度に反応しやすいので、45℃以上のお湯をシャワーでかけ、スポンジなどで軽くこすります。湯気を取るために今度は冷水で30秒ぐらい流します。これをやっておくとあまりカビは生えません。理由はお湯のシャワーでカビのえさになる汚れやせっけんを流して、水で壁の温度を下げることで湯気が出にくくお風呂の湿度が下がるからです。余力があればタオルで水けをふき取るとなおいいです」。大掃除を少しでも楽にするために、お風呂上りは十分に乾燥させるよう家族にも心がけてもらっています。
「大掃除をいかに楽して済ませたいかは、普段から簡単な方法で汚れを落としていくことが1番かもしれませんね。『それでも何ともならないぞ』というときに私たちを呼んでください(笑)」。掃除にストレスがかかり体力的にも厳しいときにはプロの手を借りて、家族とすごしたり、旅行に行くなど充実した時間を過ごすのもありだと思いました。最後は新製品のお掃除グッズをプレゼントしてもらい、セミナーは終了。大掃除前に聞けて良かった!
ちなみに、次回の知的家事スタイルの会のセミナーは12月に「整理収納」をテーマに開催予定です。テクニックを習得したい方はお申し込みを急いでくださいね!
取材したのはこちら
不動産会社の企画営業、フードプランニング会社のチーフディレクターを経て独立。仕事と家事の両立に苦労した経験から、ムダな時間と労力を省く「知的家事」を考案。「時間がない」「家事が大変」と嘆く多くの主婦の悩みを解決。家事家電や住設備のAI化にもいち早く目を向け、テクノロジーを生活に融合させた、より豊かな暮らし方を研究しています。本間朝子さんが主催する「知的家事スタイルの会」は月1回、平日と週末を交互になんと無料でセミナーを開催されています。そのセミナーは人気が高く、世田谷区の閑静な住宅街の素敵なマンションの一室には毎回「知的家事」のコツを求めて、埼玉や千葉の遠方から受講者が集まってきます。
本間朝子
監修