玄関に靴が出しっぱなしにしている家って意外と多いですよね⁉ 多くの場合は靴が多すぎるから。では、どうやって靴を減らしていくのか、整理収納アドバイザーが、自宅の経験も踏まえつつ詳しくレクチャーしていきます。風水的にも玄関は幸せが入り込んでくる大切な場所。風通しのいい玄関を目指しましょう。
5年前に自宅を購入した整理収納アドバイザーの要さん。よくある建て売りの狭い玄関を見たとき「この小さい下駄箱に家族4人の靴が入りきるのか不安に思いました」(収納アドバイザー要 めぐみさん・以下同)。そんなこともあり、「靴を整理する」ことを考え始めました。
目次
手放しづらかった靴と1足ずつ
向き合うことからスタート
小さな下駄箱に家族4人分をしっかりと靴を収めるためにたどり着いたのは「気に入っていて、なおかつ履きたい靴だけを残す」というルール。そのために作った基準は
- 今の手持ちの服と合わない
- ひと目惚れして購入したけど出番がほとんどない
- 足に合わず、靴擦れするから履かなくなった
こうした靴は、多少高価でも手放すことに決めました。
靴の「適正量」は下駄箱の
大きさから逆算で決める
縦78 × 横71×奥行き32㎝の下駄箱は、要さんの靴のサイズ、23.5㎝で計算してみると約54足収納できます。全部出してブルーシートに並べてみた結果、要さん6足、ご主人2足が下駄箱から溢れてしまうことに。「上記の条件で履く靴を吟味してみると、普段よく履く靴は3~4足。冠婚葬祭用の靴やレインブーツを足しても夫婦それぞれで12~13足あれば十分だということに気がついたんです。子供2人の靴は普段用2足、スポーツ用、長靴とそれぞれ4~5足もあればOK。そう考えると家族4人、35足ほどで十分でした!」。 履かない靴の処分方法は、ノンブランドはリサイクルショップに持ち込み、高価な靴はメルカリ、くたびれた靴は処分の三つに分けたそうです。
子供と大人の目線に合わせて
靴の収納場所を決めることも大切
残す靴が決まったら、靴の帰る場所、定位置の設定をしていきます。「大切なのは履きたい靴がすぐに見つかるように、大人、子供それぞれが見やすい目線に合わせてしまうことです。家族全員が自分のスペースを認識することが重要で、しまうときに“何も考えることなく”、自分の場所に自分の靴を戻すことを習慣づけることに意味があります。そうしないと、結局面倒になり、玄関に脱ぎっぱなしに戻ってしまうんです」。加えて大切なことは、自分が決めたスペースから溢れ出ない足数を守ること。要さん自身も1足購入すれば、1足手放すことを実践しているそうです。
下駄箱の扉なども有効活用して
玄関先にあると便利な小物類も収納
下駄箱の扉には宅配便に必要なハンコ、家や自転車の鍵、靴ベラを吊り下げ収納しています。「限られた収納なので、扉の内側まで有効的に活用! 印鑑を玄関脇の受け皿に置いてしまうと、鍵に埋もれたり、ほこりが気になったりするので壁に貼って収納。また、災害時の非常用持ち出し袋(水やラジオ、少しのお金、家族の連絡先、携帯のバッテリー等)も玄関の下駄箱に2個納めました。夏に必須なサングラスも、以前はクローゼットに収納していましたが、出掛けるたびに玄関で『あ!忘れた!』と部屋に戻ることがストレスだったので、玄関に置くことに」
大事な靴、使用頻度の低い靴は
寝室クローゼットの上段に移動
使用頻度が低かったりオフシーズンの靴などは下駄箱ではなく寝室のクローゼット上段に移しました。「靴=下駄箱と思っている人も多いと思いますが、所有する靴全てを無理やり下駄箱にしまって、溢れたものが玄関に出しっぱなしになるなら、別の場所に保管するのが正解。私が使っている、キャンドゥのシューズケースは、重ねても前面を開けて出し入れができるので、使用したい靴をすぐ取り出せるのが気に入っています。クローゼットの中なので湿気には要注意ですが、靴は下駄箱でなくとも、クローゼットや廊下収納、納戸などに収納してもいいのではないかと考えています」
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玄関という小さなエリアですが、持つ足数を決めて、靴の帰る場所を与えてあげれば、家族みんなが自分の靴をしまう場所を把握できるので、「あなたの靴をあなたの場所に片付けて」と伝えることができてスムーズになります。靴はセール品として目に触れる機会も多く、つい気楽に購入してしまいがちですが、下駄箱の収納力を把握して、1足購入したら1足手放すルールを定着させれば、玄関を常にすっきりさせるのはそれほど難しくないのかも。
取材したのはこちら
日本航空で、2018年3月まで18年にわたって国内線・国際線のキャビンアテンダントとして勤務。退職後に整理収納アドバイザーの資格を取得し、2018年6月より活動を開始。小学生男子2人のママ。家族4人が3階建ての狭小住宅ですっきり快適に暮らすアイデアを掲載したブログも人気。「世の中の忙しいママを幸せにする整理収納」をモットーに、使いやすさ・暮らしやすさといった機能性とパッと見て嬉しくなる整った美しさを兼ね備えたお片付けを提案。現場を第一に考え、お片付け実績延べ回数200回を超えています。