システムキッチンのコンロと壁の間にある細い収納スペース、あなたはその存在に気づいていますか? システムキッチンには必ずあるこのスペース、便利なようで、必要ないようで、なんでここに収納が必ずあるのか、その理由や上手な使い方を調べてみました。
ぱっと見、デッドスペースに見えることもあるので、収納と気づかずに使っていない人も意外と多いコンロと壁の間のスペース。コンロを端に寄せちゃえばいいようにも思います。
目次
消防法に基づいて決められた
コンロと壁の間を離す義務で生まれた
スペースを有効活用したもの
システムキッチンの壁とコンロの間のわかりにくいスペースに、なぜ収納があるのか? メーカーに聞いてみると「消防法により、コンロ横は可燃物との間をガスの場合150㎜(IHは100㎜)離さなければなりません。そのためコンロと壁までの間約150㎜にスペースができて無駄になってしまいます。そのスペースを有効活用し、限られた空間のなかで少しでも収納を確保するために、コンロ横収納は作られています」(TOTO キッチン・洗面開発第二部 松下真弓さん 以下同)
スパイスやレードル類など火周りで
使うものを収納するのが基本
どのメーカーでも基本的には設けられているというコンロ横収納。限られたスペースを有効活用するなら何を収納するのかベストか伺うと、「TOTOではスパイスなどの細かな調味料の収納をおすすめしています。コンロ横収納の高さは127㎜に設定していて、市販のスパイス瓶の高さは約110〜120㎜なのでしっかり収まります。ちなみに私は、ローリエやシナモンなどのスパイス類を収納しています。凝った料理を作るとき、さっと取り出せて便利ですよ」
ちょっとの工夫で
レンジ横収納が使いやすく!
ジャストフィットする容器に詰め替え
仕切りで固定し開け閉めもスムーズに
「以前は引き出しを開け閉めするたびに、中の物がぐちゃぐちゃになることが悩みでした」という@minapon1018さん。「調味料を専用ケースに移しサイズを合わせたことで各段に使いやすくなりました。コンソメや和風だしなどの調味料類は『タケヤのフレッシュロック』に、塩、コショウなどのスパイス類は『サラサデザインのb2cスパイスボトル』に入れ替えています。頻繁に使う調味料が手の届く場所にあるので、調理中でも片手で取り出せて便利です」
お湯を沸かしたらすぐコーヒーが淹れられて
朝の忙しい時間が効率よくなりました!
毎日のティータイムの効率化を図るため、コーヒーや紅茶などをコンロ周りに全て集めた@shonemamaさんの事例。「コンロの前から動くことなく、お湯が沸いたらその場で淹れられて、忙しい朝のストレスも減りました」。いちばん大きいドリップコーヒーのパッケージ(約10×12㎝)もしっかりと収まっています。「倒れやすいものはセリアや無印良品の容器に入れておくと安定していいですよ」
こまごましたものは収納ケースにまとめて
ケースごと取り出すと使いやすい
@iegasuki_88さんは収納ケースを活用し、メジャー、クリップ、輪ゴム、食紅、珪藻土スティック、マスキングテープなど細かいものを上手に収納。「こまごましたものを取り出しやすい位置にまとめたいなと思っていたところ、無印良品とニトリでフィットする収納ケースを見つけたことで、この収納を思いつきました」。あまり使わないものを奥、頻度の高いものを手前と収納場所もきちんと考えているところが優秀ですね。
奥行きを活用して長さのあるおたまを
収納しコンロ周りもすっきり整える
以前は調味料を入れていた@pokapokaichigoさんですが、奥のものが取り出しづらかったため今の収納に。「奥行きを精一杯活用したかったので、長さのあるおたまとフライ返しを入れています。持ち手部分はセリアの仕切りで浮かせて、取り出しやすいように調整しています」。元々おたまの持ち手を浮かせるアイテムを探していて、試しに冷蔵庫で調味料を立てるために使っていた仕切りを引き出しに使ってみたところ、問題なく開け閉めできたので購入したそう。手前の空いたスペースには、油引きを配置。「火周りで使う物がさっと取り出せて便利ですし、コンロの上がすっきりしたのが嬉しいです」
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防災上の義務なので、システムキッチンには必ずあるコンロ横の収納。工夫次第では、調理の段取りが格段に良くなるかもしれませんよ。「そんなところに収納があるなんて知らなかった」という人は、ぜひこの機会に使いやすくアレンジしてみては?