初心者が始めやすい「ベランダ菜園」おすすめ野菜5選

コロナ禍の巣ごもりで家庭菜園を始める人が増えているそうです。お野菜なら育てるだけでなく収穫の楽しみもありますね。家庭菜園といえば真っ先に思いつく「サカタのタネ」に、初心者でも育てやすくおいしくいただける野菜と、栽培のポイントについて教えていただきました。

種から育てることの楽しみに加えて、それを収穫して食べられる喜び。未経験だと難しいと考えてしまいますが、ベランダ菜園は意外にも初心者にも優しいのだそう。「ベランダでも野菜はよく育ちますよ。秋は園芸を始めるのにおすすめの時期です。理由は2つ。1つ目は、暑くないので植物の葉が蒸れにくく、病気になりにくいこと。また秋は虫も少ないため、初めての園芸でも失敗しにくいのです。2つ目は、涼しく作業がしやすいことが挙げられます。ただし、寒くなってくると温度管理が難しいので、失敗してしまう可能性も。冬に始めるよりは、春以降の種まきをおすすめします」(サカタのタネ こーぽーレートコミュニケーション部 中野真由さん・以下同)

育てやすくおいしくいただける
ベランダ菜園のおすすめはこれ!

お庭がなくても手軽に始められるベランダ菜園。まずは、育てやすい品種から始めて自信をつけつつ楽しさを体験してみましょう。

彩りはつか大根「カラフルファイブ」
[まきどき 暖かい地域:1~5月、8~11月/寒冷地:4~6月、8~9月]

「カラフルファイブ」220円(税込)

「赤・白・紫・ピンク・薄桃紫色と彩り豊かなはつか大根です。胃腸の働きを整えてくれるジアスターゼや、アントシアニン、ビタミンCなども含まれています。カラフルなのでサラダに彩りを加えてくれますよ。葉は根と合わせて一夜漬けにしても楽しめます」

【育て方のコツ】
「土壌は、ふかふか柔らかく水はけと水もちの良い状態を作ります。間引きを早めに行い、株間を広くして、日当たりと風通しを良く。暑い時期に育てる場合は高温により根形が乱れてしまうので、土壌は素材の有機物がよく分解・発酵した完熟堆肥を充分施しましょう」

あまうま耐病小松菜「はまつづき」
[まきどき 暖かい地域:通年/寒冷地:3~9月]

「はまつづき」330円(税込)

「小型の丸い葉で、ツヤのある濃緑色で、葉軸が太くて味が良い小松菜は、スジが少なく歯切れが良いのが特長。カロテンやビタミンCに加え、鉄分やカルシウムも含む栄養価の高い野菜です。軽くゆでて“おひたし”にしてもおいしいですよ。小松菜など葉物野菜は栽培しやすく園芸初心者におすすめ。」

【育て方のコツ】
「11月に育てる場合は、十分な保温が必要です。屋内でプランターに種まきをし、芽が出たらすぐに外にだします。その後は不織布などの保温資材をかけて、冷たい風が直接あたらないようにするのがコツ」

おてがる ほうれん草「ソロモン」
[まきどき 暖かい地域:8~3月/寒冷地:2~3月、8~10月]

「ソロモン」330円(税込)

「こちらも初心者向けの野菜です。ホウレンソウは抗酸化作用のあるカロテンの多い緑黄色野菜。おひたしやバターソテーなどメインの料理に合わせたサイドメニューとして、和風にも洋風にも仕上げられる調理のバリエーションの豊富さも魅力ですね」

【育て方のコツ】
「暑さ寒さに強いのがホウレンソウの魅力。日当たり、風通し、水はけ、水もちの良い畑で栽培し、土が乾いたら適宜水やりをし、追肥する必要はありません」

やわらか小かぶ「みふね」
[まきどき:暖かい地域:1~5月、8~12月/寒冷地:3~9月]

「みふね」440円(税込)

「病気にも強く、玉ぞろいの良い品種で柔らかく味も良いのが特長。直径2㎝程度でも収穫でき、そのままサラダなどにも使えますよ。かぶ自体だけでなく、葉まで食べられます。ビタミンCやカルシウム、鉄、食物繊維などの栄養素は、葉や茎にもたっぷりと含まれているので、捨てずにおみそ汁などに入れるといいですよ」

【育て方のコツ】
「盛夏期を除いて、幅広く作れます。土壌は素材の有機物がよく分解・発酵した“完熟堆肥”を早めに施しましょう。冬の栽培だと思うように根が太らないですが、小さいサイズをそのまま食べるのもおすすめ」

つるなしグリーンピース「グリッピー」
[まきどき:暖かい地域:1~3月、10月~11月/寒冷地:3~5月]

「グリッピー」330円(税込)

「寒さに強いですが、遅くとも11月中旬までにはまくようにします。 ベランダ菜園では栽培するスペースが限られるため、つるのない品種がおすすめ。つるのある品種のように草丈が伸びず、支柱を用いてプランターで栽培できます。草丈が1m前後なので、収穫作業がしやすいのも特長です。「グリッピー」は白い花をつけるので、お花を見ても楽しめるのも魅力。実の方も風味・食味が優れていて、とてもおいしく食べられます。ビタミンB1の他、食物繊維も豊富な野菜です」

【育て方のコツ】
「花が咲く前には、短い支柱を立てる、ひもを使い囲うように縛る、株元を土寄せするなどして、倒伏を防いでください」

これだけ守ればOK!
家庭で育てる4大ポイント

  1. 種まきの時期をしっかり守る~「種をまく時期が遅れると収穫できる時期も遅くなります。最悪の場合、生育に必要な温度が足りず育たない場合もあるので注意しましょう」
  2. 毎日植物の様子を観察する~「ベランダ菜園のよさは窓のすぐそばに植物を置き毎日観察できる点。虫がついていたり、株の元気がなかったりなどの変化にすぐに気づけます。虫がついていたらすぐ取り除きましょう」
  3. 水のやりすぎに注意~「ベランダ菜園は畑に比べて土が乾燥しやすいですが、毎日の水やりだと多すぎるケースも。土の表面が乾いたら、鉢底から水がしみ出る程度の水をあげてください」
  4. 野菜にあったプランターや土を選ぶ~「ホームセンターや園芸店でスタッフからアドバイスを受けながら道具や土を選ぶと安心です。栽培品目ごとに専用の培養土もあるので、栽培するものに合わせた土を使うのが簡単で安心です」
  5. 日当たりをしっかり確保する~「成長には日当たりが欠かせません。野菜が育つのにベストな場所は洗濯物と取り合いになることが多いです。エアコンの室外機の上などは避けましょう」

ちなみに、寒さが強くなる11月から栽培する場合は、保温資材が欠かせません。芽が出るまでは屋内で管理して、芽が出たら、すぐに外に出します。屋外に出した後は冷たい風にさらされないよう、不織布をかけてあげてください。小さなプランターなら、毎日、夕方、洗濯物といっしょに屋内に取り込んであげるという“裏技”もあります。

「かんたんタネまきキット」を使うと、
より簡単に始められるます

Seedfun.シリーズ「はじめてさんの かんたんタネまきキット」550円(税込)

「種から育てるのは、苗からに比べて難しいといわれます。失敗なく種から立派な苗を作るアイテムとしておすすめなのが、「Seedfun.(シードファン)」。お家の中でSeedfun.に種まきをした後に、芽が出るまで家の中の日当たりの良い場所で管理すればOK。今回おすすめした6種類の中でシードファンと特に相性がいいのは小松菜です」

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種から育てる園芸は、「難しそう」という印象を持っていた方でも、初心者向けの野菜を選んだり、便利な資材を活用すれば簡単にチャレンジできそうです。今回紹介したおすすめの野菜作りにぜひトライしてみては?

取材したのはこちら

1913年創業の種苗メーカー。野菜や花の新しい品種を開発し、国内はもとより世界170カ国以上に種子や苗などを供給しています。ブロッコリーやトルコギキョウの種子などで世界トップシェア。メロンの代名詞的存在「アンデス」メロンやプラム形のミニトマト「アイコ」はサカタのタネが開発した品種です。

株式会社 サカタのタネ

https://www.sakataseed.co.jp/