目的別・摂取すべき「乳酸菌」はこれ!ヨーグルト研究家のおすすめ

腸活などで注目されている「乳酸菌」。最近では、○○菌と記載されている商品も増えてきました。とはいえ、菌の違いで、どんな効果があるのか、よく分からないですよね。ヨーグルトを毎週3㎏食べるというヨーグルト研究家の阿部花映さんに、乳酸菌のあれこれを教えてもらいました。

「乳酸菌は、糖を分解して乳酸を作り出す菌の総称で、空気中、皮膚、食品中など、さまざまな場所に生息しています。腸内環境を整えることで知られていますが、それは乳酸が作られると腸内が酸性に保たれ、悪玉菌や病原菌が増殖しづらい環境になるから。その他にも乳酸が腸を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を活発にすることで排便を促す、乳酸菌が作り出す菌体外多糖という成分がもともと腸内に住んでいる腸内細菌の餌になり体の免疫機能が活性化するなど、人体の健康に不可欠なものと言えるのです」(ヨーグルト研究家・阿部花映さん 以下同)

「マツコの知らない世界」でも話題になったヨーグルト研究家の阿部花映さん。毎日ヨーグルトを食べ、乳酸菌を摂取。その量はなんと週3㎏だとか。

発酵食品には多く含まれている乳酸菌。「キムチや漬物などにも乳酸菌は生息していますが、ヨーグルトには乳酸菌に加えてビフィズス菌が摂取できるものもあります。乳酸菌は小腸、ビフィズス菌は大腸に生息するという違いがあり、小腸の健康を考える場合は乳酸菌、大腸の健康を考える場合はビフィズス菌という考え方もあるので、目的に合わせて菌活できるのもヨーグルトの良さ。また、乳酸菌は継続して食べることが大切なので、手軽で飽きずに続けやすいという点もいいですよね。世の中に存在する乳酸菌の種類は数千種類あると言われています。どの菌も整腸作用、免疫を活性化する機能を持っていますが、菌によって得意とする機能が異なるので目的に合わせた乳酸菌を選ぶことも重要なんです」

何を改善したいのか
目的別に乳酸菌をチョイス!

★★★ロイテリ菌★★★
口内環境を整えて「虫歯菌」を抑制

ロイテリヨーグルト(オハヨー乳業)

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近年、口の健康が体全体の健康と密接に関わっていることが注目されています。「口の中で炎症が起きると、歯周病菌が体内に入り込んで全身を巡り、アルツハイマーや早産などの要因となる可能性もあると言われています。そこで、口から全身の健康を保とうと作られたのが、この『ロイテリヨーグルト』。ロイテリ菌は、ロイテリンという抗菌物質を作り出すのが特長で、虫歯菌、歯周病菌の発育抑制などを目的に利用されています。甘味料にキシリトールを使用し、穏やかな甘味で牛乳のコクが味わえるのも特徴です」

★★★SC-2乳酸菌★★★
紫外線による「色素沈着」を防いでくれる

明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ(明治)

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肌の健康を保ち、紫外線対策に効果のあるドリンクタイプのヨーグルト。「味は、さらっとして乳酸菌飲料に近いです。ブルガリクス菌とサーモフィラス菌の中から選び抜かれたSC-2乳酸菌を使用。このSC-2乳酸菌によって作り出される菌体外多糖が体内に取り込まれることで、皮膚が紫外線を浴びたときの赤みや色素沈着を抑制してくれます。即効性はありませんが、内側からの紫外線対策としてぜひ取り入れたいですね。さらに、この製品にはコラーゲンペプチドとスフィンゴミエリンという成分が入っていて、肌の潤いをキープしてくれるので、男女問わず乾燥する季節は意識的にとるといいですね」

★★★プラズマ乳酸菌★★★
司令塔に働きかけ「免疫の維持」を支援

iMUSE生乳ヨーグルト(小岩井乳業)

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免疫力アップといえば「R-1」が有名ですが、キリンと小岩井乳業の共同研究で生まれたこのiMUSE生乳ヨーグルトも凄いんです。「一般的な乳酸菌は一部の免疫細胞のみを活性化しますがプラズマ乳酸菌は免疫の司令塔と呼ばれるプラズマサイトイド樹状細胞を活性化します。司令塔に直接働きかけることで、免疫細胞全体を活発化させることができるので、病原菌やウイルスなどの外敵から体を守る機能の維持が期待できます。このiMUSEは、ヨーグルトで初めて免疫機能に関して機能性表示を獲得した商品。プラズマ乳酸菌の特長なのか、パンが発酵するときのような香りが個性的です。。気になる場合は、柑橘系のドライフルーツやラムレーズンをトッピングするといいですよ」

★★★ガセリ菌SP株★★★
脂肪の吸収を抑え「内臓脂肪」を減らす

恵ガセリ菌SP株ヨーグルト(雪印メグミルク)

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内臓脂肪の蓄積を抑制する効果がある乳酸菌を摂取できるヨーグルトはダイエット中の人や、メタボ体形が気になっている人にうってつけ。「ガセリ菌SP株は、胃酸や胆汁に強く、生きたまま腸に届いて長くとどまることが確認されています。このガセリ菌SP株は、腸での脂肪の吸収を抑え、便とともに排出することで内臓脂肪の蓄積を抑制すると考えられており、実際12週間連続の摂取で内臓脂肪が減ったという実験結果も。子供のときに食べたような懐かしい味で後味はさっぱりしているので食べやすいと思います」

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ヨーグルトで健康維持を目的とした体質改善をする場合、目安としてまずは2週間食べ続けるのがいいとか。「便通改善などに特化したヨーグルトだと3日で効果が出始めることもあります。人によってそのスピードはさまざま。そして数千を超える乳酸菌があり、それぞれ特性を持っていますが、その効果を実感できるかできないかも人によって異なります。いろいろなヨーグルトを食べ比べながら自分に合う乳酸菌を探すというのも楽しいですよ」

取材したのはこちら

東京農業大学卒業後、食品添加物メーカーの研究開発・品質管理に携わる。その後、カスタムサラダ専門店に転職し、会社員として働きながらヨーグルト専門店「Dear Mechnikov(ディア・メチニコフ)」をオープン。

ヨーグルト研究家 阿部花映さん

https://www.instagram.com/dear_mechnikov/?hl=ja