洗濯機の2大主流、ドラム式と縦型。はたしてどちらがいいのか? 主婦の間でも答えが分かれる永遠の疑問に、お掃除のプロ、ナチュラルクリーニングを推奨する本橋ひろえさんが、”お掃除のしやすさ”、という観点から答えてくれました。洗浄力とかじゃないの?と思うかもしれませんが、このお掃除のしやすさが、実は大切なんです!
洗濯機といえば、昔からある「縦型」と節水&スタイリッシュな見た目が売りの「ドラム式」の2択。どちらがいいのかは、住環境や家族構成などによって答えが分かれるところ。今回は、お掃除やお手入れのしやすさという視点で、ハウスクリーニングのプロ、ナチュラルクリーニングを推奨する本橋ひろえさんにアドバイスをいただきました。「おすすめは、断然、『縦型』。ポイントは、洗濯槽の掃除方法にあります」とのこと。洗濯機で洗っているのになんだか服が薄汚れていた…なんて経験ありませんか? それ、実は洗濯槽が汚れているからなんです。洗濯機からする嫌な臭いも洗濯槽が汚れているから。洗浄力云々の前に第一に洗濯槽を洗う必要があるのです。この点を踏まえて、縦型を勧める理由を詳しく見ていきましょう。
目次
「縦型」のほうが清潔に保ちやすい!
「縦型」と「ドラム式」には、構造が違うので、洗濯槽の掃除の仕方にも違いがあるそう。「汚れるのは、普段、洗濯液に浸かっている洗濯槽全体です。なので、洗濯機の槽洗浄コースを回した際に、洗濯槽全体が水に浸かって掃除ができる縦型に対し、ドラム式の場合は水が溜まるのは洗濯槽の下側1/3程度。上側は、ほとんど掃除できていないのが現状です。手入れの楽さで考えると、『縦型』が断然おすすめですね。ドラム式の場合は、こまめに掃除をして汚れをためないこと。一度汚れを付けてしまうと、落とすのがとても難しくなります。大前提として衣類の洗濯は洗濯槽が清潔であってこそ意味があるものです。そういう観点で見てもしっかり洗濯槽を洗えるのは縦型と言えます」
◆縦型・ドラム式洗濯器の特徴と掃除の仕方
洗濯槽のお掃除は“お湯”がポイント!
洗濯機の掃除で重要なのは、水ではなくお湯を使うこと!「衣類についていた皮脂汚れや、洗濯槽に残った石鹸カスに発生したカビが、そのまま洗濯槽の汚れになります。油である皮脂の汚れは、水では落ちにくい。使用する洗剤は、ナチュラルクリーニングなら過炭酸ナトリウムが有効です。過炭酸ナトリウムが効果的に働く温度が50〜60℃程度なので、水ではなくお湯を使用することがポイントになります。ちなみにこの原理は市販の洗濯槽クリーナーを使う場合にも言えることです」
おすすめのお掃除方法は、
1:縦型洗濯機の洗濯槽に、最大量のお湯(50〜60℃)を張り、過炭酸ナトリウムを2カップ加える。
2:洗濯機を回して汚れを剥がし、一時停止し浮いた汚れを網やネットなどを使用して取り除く。そのまま5時間浸け置き。
3:汚れを取りきったら、洗濯コースの2回めのタイミングで、過炭酸ナトリウムのアルカリを中和し、残った石鹸カス汚れを流すためにクエン酸を大さじ1杯加える。
●洗濯槽掃除におすすめの過炭酸ナトリウム
●残った石鹸カス取りにおすすめのクエン酸
日々気をつけるべきことは
できるだけ早く乾燥させること
本橋先生曰く、清潔な洗濯槽をキープするために一番大切なのは水周りだけに、「カビを生えさせないこと! 」だとか。汚れや雑菌を溜め込まないようにするため、先生が実際に行っているプチお手入れ法がこちら。
☑普段から、洗濯機の蓋は閉めずに開けて乾燥させておく。
☑糸くずフィルターは、毎回はずしてゴミを取り除き、洗濯物と一緒に乾かす。
☑洗濯機使用後、水滴をきれいに拭き取る。
洗濯物をきれいにしたいなら、その前に、道具となる洗濯機がきれいなことが大前提! その観点でいくと丸っと洗浄できる縦型がベスト!という結論に。縦型 or ドラム式の終わりなき攻防もひとまず縦型に軍配!といったところでしょうか。いずれにしてもまずは、洗濯槽がきれいかチェックしてみましょう!
監修
環境や手肌に優しく、なおかつ安心・安全であるナチュラル洗剤を使った掃除&洗濯法を伝えるべく、全国で講演を実施。「掃除は化学!」と提唱。ロジカルな洗濯・掃除法は”分かりやすい!” ”掃除が楽しくなった”と評判に。「ナチュラル洗剤そうじ術」他、書籍も好評発売中。