お酒のつまみにかなりイケる!「レトルトおでんの具」を調味料で味変

寒くなると食べたくなるおでん。今年はコロナ禍もあり、コンビニでもレトルトタイプが人気だとか。そんなレトルトおでんをさらに楽しむべく、具材ごとにマッチする調味料を料理家の野本やすゆきさんに教えてもらいました。お酒のつまみにぴったりな味変レシピをチェック!

今回使ったのは、セブンイレブン「セブンプレミアム おでん 480g」。「8品目とたっぷり詰まっていて、かつおと昆布のだしのうま味がしっかりと染み込んでいてそのまま食べてもおいしいです。でも、ちょっと手を加えれば、お酒にぴったりなおつまみに味変できますよ。どの家庭にも常備してある調味料をちょい足しするだけなので、ぜひ試してみてください」(料理家/フードコーディネーター 野本やすゆきさん・以下同)

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大根+柚子コショウ
ピリッと爽やかな辛味がアクセント。

日本酒に合わせたい大人の味変

ピリッと辛い柚子コショウがアクセントとなって、だしがよく染み込んだ大根のうま味を引き立ててくれる一品。「おいしいけどちょっと飽きてきたというタイミングで加えると、心地よい刺激がピリリと口に広がって新鮮な味わいです。柚子コショウは爽やかながら意外と味が濃いので、日本酒によく合うと思いますよ。日本酒に合う組み合わせで言うと、大根×ワサビもおすすめ。ワサビがツーンと鼻を抜けた後にだしが染みた大根のおいしさがなんともおつ。ワサビはきざみタイプを選ぶとシャキッとした食感も感じて楽しさ倍増。他にも、ラー油を垂らすと独特のキリッとした香りが立ち、味も引き締まります」

煮卵+豆板醤
クリーミーな卵のうまみ成分

こっくりとした豆板醤の辛味が引き立てる

おでんらしくしっかりとした歯ごたえで、うま味がしっかり凝縮された卵には豆板醤がおすすめ。「地域によってはしょうがみそや甘みそをつけることもあるおでんは、唐辛子入りピリ辛みその豆板醤との相性も抜群です。おでんの黄身を出汁にとかすのが好きな人も多いと思いますが、豆板醤を一緒にとかすとピリ辛になっておいしいですよ。梅酒ロックなど甘めのお酒に合う、辛い味や濃い味が好きな人に特におすすめの組み合わせです。またスープにコショウを溶かせば、ラーメンのスープに卵の黄身が溶け出たような風味が楽しめます」

こんにゃく+ラー油
さっぱり淡泊なこんにゃくは
ラー油のピリ辛アクセントで食べやすさUP

「『こんにゃくのピリ辛煮』があるならこの組み合わせは間違いなくおいしいだろうと思ったちょい足しレシピです。ラー油のピリ辛味が淡泊なこんにゃくにアクセントを加え、こんにゃく単体で食べるより断然食べやすいですよ。だしが染み込みやすいように格子柄に切り込みが入ったこんにゃく。ラー油がそのすき間に入り込み、だしとピリ辛の味が混ざり合って満足度も高くなります。辛いのが苦手な人は、ごま油を一緒に垂らすといいと思います。キリッとした辛口の日本酒とぜひ楽しんでみて」

昆布+ゴマ油
脇役の昆布もごま油の風味で主役に昇格!
さらに七味をかければ熱かんのつまみに◎

おでんの昆布はあまり積極的に食べないという人に試してほしいのがこちら。「地味なイメージの昆布ですが、ごま油を上からちょっと垂らすだけで、昆布のまったりとしたおいしさから一気にごま油の香ばしさが立つおいしくおつまみになります。さらに七味や一味などをかけると熱かんを飲むにはぴったりの味になります。ちなみに、昆布にはグルタミン酸という日本で最初に発見されたうま味物質が含まれています。同じくトマト由来のグルタミン酸が入ったケチャップと組み合わせてみたところ、一見合わなさそうに思えますが、昆布とケチャップ両方の奥にあるまろやかなうま味が絶妙にマッチした不思議な味になりました(笑)」

練りもの+ワサビ
うま味が詰まった優しい味の

練りものはワサビで引き締めて通な味に

写真は、さつま揚げ、焼きちくわ、豆腐揚げボール、きんぴらの三角揚げ。

うま味が凝縮された練りものに、鼻から抜けるワサビの刺激がたまらない組み合わせ。「考えてみると、ワサビはかまぼこや刺し身など冷たいものに合わせることが多く、温かいものとの組み合わせはあまりないんです。試しに練りものにプラスしてみたら、ワサビの鋭さが際立ち個人的にこれはハマる組み合わせだなと思いました。また、練りものにコショウを振りかけると、味が締まってイメージは屋台で食べるラーメン! ビールやハイボールに合う味に変わりますよ」

大胆な味変がお好みなら
ケチャップやソースにトライ!

“ちょい足し”ではなくより大胆に味変したい場合は、ケチャップやソースがおすすめ。ケチャップをだしに溶かすと、トマト風味のロールキャベツのようなフレッシュな味わいに。具材でいうと、練りもののまろやかでだしの深いうまみのある味と、爽やかであまじょっぱいケチャップは好相性でした。またいろんな具材のうま味が濃縮されたソースは、元のだしの色味がほんの少し濃くなる程度の量を溶かすだけで、ちょっぴり甘さが加わって駄菓子を彷彿させるジャンクな味になりました。どちらも味が濃いのでおでんのおいしさを損なわないよう、味を見つつ入れすぎないように注意してくださいね。

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おでんそのもののおいしさと個性的なアクセントが楽しめるちょい足し味変レシピ。今回ご紹介した調味料はコンビニでも買えるので、おでんを購入しがてら気になった調味料はぜひ一緒にお持ち帰りして、お家でチャレンジしてみてください。

監修

谷中で最も古い家業の寿司店で修業するかたわら、祐成陽子クッキングアートセミナーに入校。卒業後、同校アシスタントスタッフを経て独立。料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネート、料理講師、フードコーディネーター養成スクールの講師、松寿司三代目として寿司屋の経営など、食にかかわるジャンルで幅広く活躍する。(撮影/三吉史高氏)

谷中松寿司三代目/料理家/フードコーディネーター・野本やすゆきさん

http://nomotobase.com