夏野菜の代表、ゴーヤは栄養抜群ですが、独特の苦味が好みじゃない人も多いですね。そんな人にも試してみてほしいのが「ゴーヤの佃煮」。佃煮にすることで苦味が和らぎ、とても食べやすくなります。お弁当のおかずやお酒の肴としてもぴったりなので、暑い日の常備菜として作り置きしてみてはいかがでしょうか?
以前は沖縄料理屋で見かける程度でしたが、最近ではすっかり全国人気のゴーヤ。「緑のカーテン」として、自宅で栽培している方も多いですね。上の写真は私の実家のゴーヤ。ご覧の通り青々と元気に育っています! ゴーヤは、薬膳の世界ではかなり有名&優秀選手。暑い夏に体をクールダウンさせる野菜として知られています。栄養的にいうと、ゴーヤには、ビタミンC、鉄分、食物繊維、葉酸、カリウム、βカロテン、カルシウムなどが豊富。特に注目したいのは美肌に欠かせないビタミンC! ゴーヤにはレモンの約3倍、トマトの約5倍ものビタミンCが含まれています。またゴーヤのビタミンCは熱に強く、調理をしても体にビタミンが届きやすいのだとか。紫外線を浴びる機会が多い夏は、積極的にゴーヤを取るとよさそうです。私が提案する「ゴーヤの佃煮」は、じゃこや花かつおからのうま味、甘辛の味付けがゴーヤの苦味を緩和させ、多くの方がおいしく食べられるレシピです。ゴーヤの苦味が苦手な人も騙されたと思って作ってみてください。胃腸を刺激して消化液の分泌を促し食欲を増進、夏バテ解消にも一役買ってくれますよ。
目次
では、佃煮作りスタート!
〈材料〉
ゴーヤ/2本(大きさによって重さがだいぶ変わってきますが、今回は650gでした) ちりめんじゃこ/40g 花かつお/30g 炒りごま/40g
A(甘辛たれ)
濃口醤油/120cc 黒糖(白砂糖でもOK)/200g 酢/30cc 鷹のつめ/少々
※私は砂糖の甘味が苦手なので、200gで作りましたが、甘めが好みなら、300~400gに調整してください。200gでも十分甘いです!
1.ゴーヤの下処理から。
白いワタは取りすぎないで!
まずはゴーヤの選び方。これは緑黄色野菜全般に言えることですが、野菜の栄養をたっぷり取るためには、緑が濃いものを選びましょう。触った感じは、硬くてずっしりと重く、イボがしっかりとあって皮に弾力のあるものがおすすめです。ゴーヤは苦味があってこそおいしい野菜ですが、苦味が強すぎると食べにくという方も多いですよね。レシピ本などでは、「ゴーヤの苦味の正体は白いワタ、だからしっかり取りましょう」と紹介されていることが多いですが、佃煮にする場合はそんなに神経質にならなくても大丈夫。スプーンで軽くなでるように取るだけでOKです。軽く洗った後、両端を少しカットして、縦半分に切ります。ゴーヤは薄く切れば切るほど、苦味が抜けていきますが、薄すぎると食感的に物足りなくなるので、佃煮にする場合は5㎜くらいが目安です。
2.ゴーヤとちりめんじゃこを甘辛く煮る
鍋(直径22㎝くらい)に、Aを入れ軽く煮立たせたら、ゴーヤとちりめんじゃこをプラス。煮汁が3/4ぐらいになるまで、弱めの中火で煮詰めます(約15分)。今回は生のゴーヤを使いますが、苦味が苦手な方やお子さんにも食べさせたいという場合は、軽く湯通しして、固く絞ったものを使うと苦味が和らぎます。
3.花かつおと鷹のつめを投入して
さらに煮詰めていきます
煮汁が減り、ゴーヤがしんなりしたら、花かつおとお好みで鷹のつめを入れて、さらに3~5分ほど煮詰めます。花かつおは、かつおの荒節(カビを付けていないかつお節)を削ったもの。かつお節に比べて、製造工程が少ないのでお求めやすい価格ですが、魚の風味はしっかりと残っているし、なによりあのひらひらとしたかつお(うす削り)がゴーヤと絡んでたまらなくおいしいです。もちろんかつお節でもOKです。
4.ゴマは火を止めてから!
煮汁がほぼなくなったら火を止め、最後に風味づけのゴマを入れて軽く混ぜます。レシピ本では「煮汁はなくなるまで煮詰めて」と書かれていることが多いですが、煮物は冷めていくときに味が浸み込んでいくので、煮詰めすぎはおすすめしません。写真のように、鍋の端に若干煮汁が残っているくらいを目標にしてください。
簡単!苦くない!やみつき!
「ゴーヤの佃煮」の完成
ゴーヤを醤油と砂糖、かつお節で煮た、ご飯がすすむ佃煮です。苦味なしの調理法なので、お子さんもパクパク食べてくれることでしょう。スーパーなどでゴーヤが安いときに多めに買って、たっぷり作っておくといいですね。冷蔵庫で3~7日、冷凍保存で1カ月、おいしくいただけます。といっても、この佃煮、かなりおいしいので、冷凍する必要がないぐらいすぐに食べてしまいますよ。
おにぎりの具にもぴったり!
さっそく作った「ゴーヤの佃煮」をおにぎりにのせてみました。実はおにぎりの中には、はちみつ梅干しが入っているんです。梅干しの酸味と佃煮の甘辛さがびっくりするほど合うんです。ぜひやってみてくださいね!
ゴーヤと聞くと、多くの人が「苦味」をイメージすると思います。ゴーヤの苦味は「モモルデシン」という成分によるものなのですが、このモモデルシンには、弱った胃腸の粘膜を保護してくれる働きがあるんです。なので食欲が落ちるこの時期にこそゴーヤは食べたほうがいい野菜です。苦味を抑えた「若松流 ゴーヤの佃煮」、ぜひお試しあれ!