イスは居場所を作る、私たちの相棒のような家具。ダイニングテーブルやデスクとセットで置くだけではもったいない。意外な場所に1脚のイスを置いてみると、我が家ながら今まで気づかなかった景色を発見したり、自分の居場所が作れたり。また友人たちを迎え入れるための手頃なイスを揃えることでつながりが広がり、暮らしの中に新しい時間が始まりそうです。そんな大人の女性たちのイス術をご紹介します。
目次
キッチンカウンターの一角を
スツールでマイスペースに
Kさんの好きなものを集めたキッチン。その一角に、カウンターに合わせてシートハイを調節できる「CRASH GATE 」のスツールを。時にはひとりで、時には家族と程よい距離感ですごせるマイスペースは、個室とは違う居心地のよさがあるようです。自然光の入る昼も、灯りをともした夜も、ここは特等席。壁面の古材をつかった棚には、義父から受け継いだ銅鍋をミニグリーンとともに飾っています。
英国の老舗家具メーカー『アーコール』の
チェアをキッチンに。
ひと時、ゆるりとした時間を
キッチンの一角に英国を代表する老舗家具メーカー『アーコール』のアンティークのチェアとミニテーブルを。「ここに座って豆の莢をとったり、野菜の皮をむいたり。また本を読んだり、時には丁寧に淹れたお茶を飲んですごしたり。慌ただしい日常のなかで、ひと息つける場所です」と建築家の安立悦子さん。
ミニテーブルに置いたカップやポットなど、お茶の支度も楽しげ。ポットはスウェーデン「コクムス」の1960年代のもの。角度が変えて手元を明るく照らすフロアスタンドもこの場所の相棒です。
楽しいこと素敵なことを
みんなでシェアするために
高さのちがう小イスを50脚
都内にほど近いセカンドハウス。センス溢れる着付けに定評があり、ラオス、カンボジアの手織りの布で着尺や帯のプロデュースも手掛ける江波戸玲子さん。「友人の作家の個展や映画の上映会などをみんなでシェアして、いつも新しい風が吹いているような場所を作りたかった。座ったときに劇場のように段々になるように、高さのちがう小椅子を50脚揃えました」。なかでも30脚まとめて購入したのが、『イケア』のスツール「フロスタ」(右手前)。数脚はDIYで脚の長さを少しずつカットして、座面の高さを変えたそうです。手頃な価格、そしてスタッキングできるため小さなスペースで何脚も収納できるのも魅力です。中央手前は建築家の中村好文氏作のピクニックチェア。脚をはずして持ち歩けます。
ちょっといい居場所を作ってくれるチェアカタログ
ここに登場したお宅は、こちらの本で詳しくみられます
「大人の幸せなインテリア
女性がくつろげる家・40軒」
HERS編集部/編 光文社・刊
雑誌『HERS』 のインテリアアーカイブから、特に好評だった家を厳選。スタイリッシュでリアルな大人の家を大公開。中村江里子さんのパリのキッチン、カリスマヘアスタイリスト・松浦美穂さんのミニマルで楽しい家、人気料理研究家たちの創意あふれる空間づくりなど。人気リフォームデザイナーのインタビューなど、実用コラムも満載。